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2009年09月25日

●連休のシメは、中村憲剛と田原豊


9月23日(水)

10時過ぎに起床。明日の朝、いつも通りに起きられない方に5千点(笑)。今日は、全く日が差してないわけではないが、しかし雲の量はかなり多いという微妙な天気。朝食はパンをクリームチーズ・ブルーベリージャムで食す。そういや昨日の「J’sベッカライ」、「店を移動してもらったから」ということで5%引きにしてくれただけでなく、ドイツパンの詰め合わせ(小ぶりなヤツが3種類×2袋!)もくれたんだった。そこまでしてもらうとかえって申し訳ないくらいだね。
 
 

昼前に出かけ、初台の東京オペラシティーのアートギャラリーで鴨池朋子「インタートラベラー 神話と遊ぶ人」展。数年前から現美などのグループ展で見かける作家だが、本格的な個展は初とのこと。初めてゆえか力の入りようはハンパではなく、壮大な構成や展示全体を貫く「神話」的世界観、狼・ナイフ・少女・輪廻転生といった独特のモチーフと絵画・映像・造形等の多様なメディアを駆使して作り込まれた作品の迫力は、いずれも圧倒的であった。

描写はグロいところもあるし、「神話」といってもわかりやすい物語が示されているわけではないから、万人向きとはちょっと言い難い。でも、凄みはビシビシと伝わってきて、観る価値は間違いなくあった。あと、作風が作風だけに内宇宙方面に偏った人かと思っていたら、「インタートラベラー」の意味は意外に開放的だったのでちょっと安心した。半獣人の群れとか巨大な心臓とか赤子の頭部とか、普通に見たらビョーキだもんね。『まごころを、君に』みたいな(笑)。


せっかくオペラシティーに来たので、ついでにICCにも立ち寄る。企画展は「コープ・ヒルメルブラウ 回帰する未来」。巨大な体験型展示が2つあって、いずれもキャプションに書かれたコンセプトは僕には難しくて「?」だった。まあ『ブレイン・シティ・ラボ』の方は面白かったかな。名前もカッチョイイし(笑)。常設展の方では南極観測隊のblogとか、あと「飛び交う電波にアクセスする疑似感覚が得られる『フリークエンシー&ヴォリューム』がよかった。他はボチボチ。
 
 

新宿経由で原宿に出て歩こうとしたら、人がビッシリでほとんど動けず。うーむ、表参道でやっているという東京五輪の「招致応援大パレード」というのを見物しようと思ったのだが……ただでさえなんとかヒルズだのH&なんとかだのフォーエバーなんちゃらだので、やたら混む街になっていたからなあ。仕方ないので千駄ヶ谷方面へトボトボ歩き、昼食に「ホープ軒」でラーメンを食べようとしたら改装中だった……。隣の立ち食いそば屋でごぼう天そばを食す。
 


15時から、国立競技場でACL準々決勝1stレグ。川崎フロンターレ×名古屋グランパス

180分の長丁場だけにどちらもリスクを避けるせめぎ合いから、28分に名古屋がケネディのゴールで先制。井川との競り合いをものともせず、「ドーン!」と叩きつけるハンマー・ヘッダー。強靱さに唖然とした。当然のごとく川崎も反撃し、速攻からジュニーニョが2度一対一の場面を作るが、いずれもシュートをGKに当ててしまう。さらに森が放った決定的なシュートもゴールライン上で吉村がクリア。前半はいかにも川崎の負けパターン、という雰囲気で終了。

後半は川崎が思いきり前がかりとなり、双方交互にチャンスが生まれる展開に。次第に川崎の勢いが勝るようになり、60分に中村憲剛が角度のないFKを直接叩き込んでまず同点。続く63分、怒濤の波状攻撃から森のクロスを谷口がヘッダー、枠に弾かれたこぼれ球をジュニーニョが押し込んで逆転。スタンド熱狂!その後は鄭が3度シュート機会を得るも決めきれず、逆に名古屋のパワープレーはGK・DF一丸となってはね返し、まずは川崎の先勝となった。


内容的には、川崎の完勝と言ってもいいだろう。決定機の数からすれば2~3点差で勝ってもおかしくなかった、というより次を考えれば2点差はつけたかったのではなかろうか。もっとも、途中までの「あっけなく失点→攻勢に出るも決めきれず消耗」という流れは今まで川崎がさんざん失敗してきたパターンであり、それをひっくり返したのだから第三者的に見てもこのチームは成長しているな、とは思う(リーグ戦で「おつき合い」する癖は変わってないけど)。

中村憲剛のプレーには改めて唸らされた。正確なキック、広い視野、鋭い身のこなし、等については言うまでもない。この選手の良いのは、それらに加えて「あの小さな体のどこに」と驚かされるくらいに旺盛な闘争心を持っているところである。同点ゴールのFKなんて、なにしろペナルティボックス脇からだもの。「GKの重心が右に寄ってたから」だけじゃ撃てないよな、シュートは。ぜひこのACLで名を轟かせて、2010年も主役になってもらいたいもんである。

つーか、来年は「ACL王者と多摩川クラシコ」ってのもいいね!
 
 

試合後は、混雑を避けて千駄ヶ谷~代々木~新宿南口と歩く。途中、見慣れない新しいビルがあったので看板を見てみると、「株式会社サニーサイドアップ」「TAKE ACTION FOUNDATION」の文字が。へー。いや、別にだからどうしたというわけじゃないんだけど。

新宿に着く頃には、空はかなり暗くなっていた。日もすっかり短くなったもんだねえ。もう秋だ。新宿西口の地下で、今日もピーター・フランクルさんとその弟子(?)に遭遇した。
 
 
夜は、カミさんの作ってくれた豆腐ハンバーグとミネストローネの夕食をいただきながら、スカパー!でJ2観戦。昇格戦線もそろそろ佳境に入ってきた。まず甲府×仙台の直接対決は熱戦の末、ドロー。残り15分を切ってから仙台がソアレスの技ありループで先制、しかし直後に金がダイレクトボレーを決めて甲府が追いつく展開だった。仙台の安定感は予想外ながら、甲府はシーズン当初僕の一押しチームだったから、もっともつれてくれないと困るのだ(笑)。

もう1試合は湘南×愛媛。アジエル・田村を欠く湘南が寺川のゴールで先制するも、後半は愛媛の一方的な攻勢に。普段はクールを装う反町監督がタッチ際で檄を飛ばすほどの苦しい展開だったが、湘南がどうにか逃げ切りに成功した。湘南DFの粘りもさることながら、特筆すべきはFW田原の頑張りである。味方が全く押し上げられない中、前線で何度も何度も倒されては黙って立ち上がり、1人ハイボールに体を張り続けて……凄みのあるプレーぶりだった。

いや、「未完の大器」と呼ばれ続けた田原がJ2という舞台でこれだけ頑張っているのを見ると、「人間ってなあやり直しがきくんだな」とつくづく思う。感動した。
 
 
……なんて、都内をウロウロして展覧会とサッカー観ているうちに、5連休終わっちゃったヨ!!
 

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コメント

芸術の話は知らないことが多くて楽しく拝見しています。

で、芸術ではないんですが、南極観測隊のblogをちらっと見ました。すごいですね!いいものを紹介してくれてありがとうございます。

南極からblogを更新できるということにも驚きですが、普通じゃ見られないものをこうやって見せてもらえるというのは驚きでもあり喜びでもありますねー。

ね、なかなか新鮮というか、面白いですよね、南極からのblog。こうしてある意味リアルタイムで南極からの情報を目にすることができるのも凄いですし、それをみんなで教え合うことができるのも、何ともいいですよねー。「インターネットってすげえ!」って感じで。2009年にもなって何言ってんだって言われるかもしれないですけど(笑)。

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