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2009年09月16日

●「ベスト」はない。「ベター」なのは……

第25節「鹿島アントラーズ vs 川崎フロンターレ」 試合の取り扱いについて (Jリーグ公式)
 
 
Jリーグが変に意固地にならず、良識的な判断を示したということになるのだろうか。試合当日の岡田レフェリーの判断があまりにアレだったし、おまけにマスコミにも大きく取り上げられてしまったゆえに良識的な判断を示さざるを得なかった、というとかなり意地悪な言い方になっちゃうかな(笑)。「試合経過等を総合的に判断した」か。なるほど、なるほど。

僕としては、これはこれで少し違和感を感じる決定でもある。大雨の中で74分戦った後の16分と、日を改めて残り16分だけを戦うのとでは「同等」とは言えないだろう、と。たとえば、仮にオリベイラ監督があの天候・ピッチ状態を考慮して交代枠を1つ残して(最後田代投入でパワープレー勝負に出ようとして)いたのだとしたら、その意図は無に帰すことになる。また、1ヶ月も経てば、天候も選手の体調も、あらゆるものが変わってしまっているに違いない。

となると、やはり①90分の再試合、②74分の時点で(川崎の勝利で)試合成立、のいずれかが選択されるべきなのだろうか。ただ、①はそれこそあの悪条件の中での両チームの74分の熱闘を「なし」にしてしまう結果となる。これは受け容れられまい。ならば②がベストかといえば、これも微妙。試合は16分「も」残っていたのだ。サッカーは何らかのきっかけでたて続けに得点の入る競技でもある。鹿島の同点、あるいは逆転劇の可能性も否定できない。

そう考えると、結局Jリーグは落とすべきところに落としたのかな、と思う。両チームの間に遺恨を残さないためにも、今シーズンのリーグの結果の正統性を確保するためにも、多くの人の(感情的なものも含めて)納得を得るためにも、リーグ戦におけるある種の「失態」をとりつくろうためにも、やはり今回の決定は良識的なものだったということになるんジャマイカ。
 
 
ただ、もちろんこれで「めでたしめでたし」とはならない。

川崎は、いくら奪われかけた勝点3を確保するためとはいえアクセスの悪いカシマまでもう一度遠征しなければならない。鹿島にしたって、(不可能ではないとはいえ)勝ち目の薄い状況に労力と時間とお金を割かれるのは苦痛だろう。まして、この2チームは多くの代表選手を抱えているのに、再試合の日程はアジアカップ予選と重なっているのだ。本当に彼らには同情を禁じ得ない……つーか、そもそもインターナショナルマッチデーにリーグ戦やれんの?

あ、でも、同じ10月なら翌週の14日だってリーグ戦・天皇杯ともに入ってないじゃないか。こちらでやれば良いのでは……と思ったら、その日は「キリンチャレンジカップ2009 ALL FOR 2010!」のトーゴ戦@宮城スタジアムなんだそうな。なるほど、今の日本サッカー協会&Jリーグなら、当然アジアカップ<キリンチャレンジカップ。それを「良識」と呼ぶのかどうかは知らんけど(笑)。結局、この過密日程をどうにかせんことにはどこかで矛盾も出るやーね。
 
 
あと、今後の事を考えると、その処理経過も含めて、当日の「ノーゲーム」決定の是非についてはさらに検証・議論されてしかるべきだと思う。いくら近年硬直したジャッジが目につく岡田さんとはいえ、ただ「ピッチ面の多くが水たまりになった」だけで中止にしたわけではない、と思いたい。ボールが転がらないほどの水たまりが選手の怪我に結びつくケースはどれだけあるのだろうか。また、天気予報の活用など、もう少し上手いやり方はなかったのだろうか。

ホント、色々と考えさせられるし、また、サッカーの試合における主審の決定の重みについて改めて思い知らされる「事件」なのであった。川崎も鹿島もリーグの関係者も、お疲れさんっす。
 

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