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2009年08月20日

●なくしてわかる、勝利の貴重さよ (モンテディオ山形×FC東京 テレビ観戦)

昨日の晩は、スカパー!e2の中継でJ1第22節。モンテディオ山形 1-0 FC東京。8連勝した初夏の勢いはどこへやら、公式戦ここ4試合勝ちなしとやや息切れ気味の東京。今節は主力3人が復帰したものの、中2日でのアウェイという厳しい条件での戦いとなった。ポゼッションで優位に立つ東京が前半から優位に試合を進めるも、なかなか得点が奪えず、逆に後半残りわずかとなったところで山形に先制されてヒジョーに悔しい(理由は後述)敗戦。
 
 
キックオフ直後、山形はまだ落ち着かない東京DFの脇を突いてSB小林が攻撃参加からクロス、ゴール前で長谷川がボレーで叩くも権田が弾き出す。その後は東京がボールを支配。復帰した梶山・ブルーノを中心に丁寧にパスを回して前進していく。3分、右サイドから平山が折り返し、羽生のシュートをGK清水が防ぐ。4分、今度は左サイドから平山がえぐって決定的なクロスを入れた場面は、詰めたカボレがなぜか押し込めず。これは決めたかった。

この日は平山がバイタルエリアのスペースに入り込んでボールを持つ場面が多く、彼を中心に東京はいい形を作る。ただ、アタッキングサードに運んでからの詰めがイマイチなのは相変わらずで、2度あった平山のシュートは当たりが弱く清水がキャッチ。22分に鈴木のクロスを平山が折り返した場面も、羽生のシュートは清水の正面。逆に33分、右CKの場面で平山が権田の視界を塞いでしまい、石川のインスイングのクロスを危うく弾き出してヒヤリ。

38分、ボックス左で長友とのパス交換から梶山がクロス、ファーでカボレが落とし、平山がDFに競り勝ってシュートしたが左ポスト直撃。うーん、紙一重。終了間際は東京も中2日の疲れが出たのか間延びしたような感じになり、ロスタイムには右サイド深くで粘る北村の折り返しをゴール前でブルーノと競る長谷川が反転シュート、横っ跳びの権田がナイスキャッチした。そのままスコアレスで前半終了。東京にしてみれば、やはり1点は取りたい展開であった。
 
 
後半になると、最初のシュートこそ鈴木が撃ったものの、平山へのマークが厳しくなったこともあって東京は前半終わり頃に引き続きパスワークに活発さを欠き、今度は山形が良い形を作る。49分、前半は守備に追われっぱなしだった宮本がミドルシュート、ボールがDFに当たって権田の逆を突いたが幸い枠には飛ばず。51分には右サイド縦に抜けた北村がゴールライン際から折り返し、フリーの長谷川がヘッダーを撃つもポスト左に外れ。これは命拾いだった。

東京は50分に鈴木OUTで田邉IN。さほど即効性のある交代ではなかったが、田邉は前節に比べれば周りと噛み合うプレーを見せ、東京の中盤はやや息を吹き返す。60分、カボレの強烈なミドルシュートがバーをかすめる。続いて64分、カボレを追い越しながらのパス交換でボックスに突入した羽生が清水と一対一になるが、シュートは清水が懸命にブロック。その直後のカボレの反転シュートも清水がキャッチ。このGK、地味だが本当に堅実な選手だ。

65分、羽生に代えて金沢投入、金沢は左SBに入って長友が一段前へ。長友の突進力に期待したのだろうが、病気明けの選手に対してはやや酷にも思えた。67分、カボレがボックス手前からまた反転シュートを撃つもバーの上。山形は走りっぱなしの北村OUTで廣瀬IN。ここら辺は一進一退からやや東京優勢の流れだが、山形DFは粘り強くクロスやスルーパスをはね返し続ける。74分にはボックス右でFKを獲得した廣瀬が直接狙うが、枠をとらえられず。

76分、右CKから梶山がボックス内で粘って左足シュート、これも清水ががっちりとキャッチ。ここで東京はカボレに代えて赤嶺投入。赤嶺が中央に張ることでボックス内の混戦になりやすくなり、得点の可能性は増すように見えた。79分には平山のポストプレーから赤嶺がシュート、きわどくDFがブロック。一方の山形はMF秋葉→DF木村の交代。勝点3が欲しい東京にしてみれば、後はカウンターに気をつけながら攻めたてればよい状況に思えたが……。

85分、東京のリスタートミスから前がかりになる機会を得た山形はオーバーラップの石川が左サイドを突進、クロスは流れたものの小林が拾ってまたクロス、今野に競り勝った長谷川が頭で叩き込んだ。東京にしてみれば、わざわざ呼び込んでやったような失点だった。0-1。その後は東京が慌ててラッシュし、89分には田邉が至近距離でシュートするもまた清水がセーブ。最後は権田がゴール前に上がる捨て身の攻撃も実らず、1点差のまま試合終了。
 
 
いやー、8連勝の時はホント「普通に」勝てていたのに(笑)。「普通に」勝てないね、今は。

この日のFC東京、別に出来が悪いようには見えなかった。前半は梶山とブルーノがさすがのパスさばきで組み立てをリードし、立ち上がりと終了間際を除けばほぼボールを支配し続けることができた。平山のポスト直撃のような惜しい場面も作ることができた。後半に入っての失速は、中2日の日程を考えればある程度は仕方がないだろう。むしろ、その後やや個人能力頼みながらも決定機を含めてチャンスを幾つか作ったのだから、大したものだと思う。

でも、やっぱり、山形DFの粘り強い守備もあって1点が取れなかった。未勝利のこの5戦、奪ったゴールはたったの「2」。その間、川崎戦の逆転負けも含めて失点は「5」で多いとは言えないのだから、やはり問題は攻撃にあるというべきだろう。毎度同じような話だが、アタッキングサードまで運ぶことについてはスムーズにできるようになった。そこから先、いかに相手を崩すか(もしくは崩さないでも取るか)。石川頼みだけではシーズンを戦い抜くのは難しい。

個々の選手では、平山は90分頑張り続けて攻撃の核になってくれた。無得点は彼だけの責任ではない。カボレも一時に比べれば復調してきた様子。鈴木は良かったのだが、飛ばしすぎたか?羽生は下げるのが早いように思う。田邉は3日前に比べれば仕事ができていた。赤嶺とともに今後に期待。梶山は他の選手に比べて休めたせいもあってか、全般的には悪くなかった。ただ、失点の原因になった軽いプレーはあのポジションの選手としてはちょっと。

米本は3日前に頑張りすぎた反動か、後半は本来の力を発揮できなかった。金沢は、まあ「重し」のような選手なので。徳永は(彼にしては)地味~に右サイドを支えている。ブルーノさんは長谷川とのドッグファイト以外は問題なし。長短のパスはさすが。今野はいいカバーリングがいくつもあったのに、最後のだけは届かなかった。悔しかろう。長友は虫垂炎、ホントにもうえーんかいな。ちょっと無理使いが過ぎるのでは?権田は最後の「若気の至り」やよし。

この敗戦で東京は8位へ後退。勝っていれば、いや引き分けでも浦和を抜いていたのに!大変ステディで組織的な、いわゆる「いいサッカー」をしている山形に負けるのは実はさほど悔しくないのだが、浦和との順位争いにダメージがあるとなると個人的にひっじょーに悔しい(笑)。次はアウェイの鹿島、その次は「窮鼠何とやら」の大分か。まずいのう……幸い降格圏とは大きな差があるのだが、例年通り中位に落ち着いてしまうのもどうにも癪である。

とにかく、9月上旬のナビスコ準決勝までには勢いが戻ってきてもらわないと、ね。
 

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コメント

山形戦は映像を見てないので何とも言えませんが、murataさんのレポートでは悪い出来ではなかったとのこと。

今シーズン初めに比べたら、メンバーさえ揃えば高いパフォーマンスを安定して出せるようになったという意味では進歩があったというべきと思っています。

それでも勝ちきれないのは、敵ゴール前での工夫が足りないとか、交代選手が機能しないとか、まだまだ課題があるという訳で・・・。

以前より高いレベルに来ているので急速な進歩は望めないでしょうが、一歩一歩進んでもらいたいと思います。

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