●まだ道のりの半分足らず (東京ヴェルディ×湘南ベルマーレ)
水曜日は、仕事場近くの国立競技場での開催ということに気づき、急きょJ2第23節を観戦。東京ヴェルディ 2-1 湘南ベルマーレ。このジメジメと暑くなってきた季節に中2日の強行スケジュール。「さすがは地獄のJ2」というシチュエーションで行われた一戦は、ここまで首位をひた走っていたベルマーレが9位ヴェルディに敗れる波乱の結果となった。
キックオフ10分ほど前に入場。場内を見渡してみると、案の定というかガラガラの入り。4723人か……なんか、それこそ西が丘で丁度よかったのでは(笑)。元FC東京の選手が多い対戦(ジャーン、阿部、トゥット、土肥)らしく、湘南側スタンドには顔見知りの東京ファンも何人か。元「東すか」のMendozaさんと肩を並べて、超要領の悪い売店で購入したビールを飲みながらの観戦となった。たまに友達と一緒に観ると新鮮である。つーか、「暇」とかいうな(ー笑)。
前半はやはり疲労の影響なのか、動きの少ない展開。ヴェルディは高木監督のチームらしく守備組織は整備されているものの、攻撃は大黒・ディエゴらの個人能力頼み。一方の湘南は中盤のプレスのかかりが悪く、低い位置でようやくボールを奪っては田原めがけてロングボールを蹴り込む単調な攻撃が目についた。頼みのアジエルも精彩を欠き、無理なキープでボールを奪われては苛ついた仕草を見せる。気がつけば0-0で45分間が経過していた。
後半に入ると、試合は次第にヴェルディペースに。前へ急ぐのではなく横方向へ揺さぶるパス回しが増え、着実に押し込んでいく。いくつかきわどいグラウンダーのクロスがゴール前を抜け、波状攻撃からヘッダーをDFがゴールライン上でクリアし、さらにシュートがポストわずか左を抜ける。湘南は1ボランチの田村が左右に振られてしまい、最終ラインでしのぐ場面が続く。危険を看取したのだろう、55分に反町監督が動いて中村→阿部吉朗の交代。
しかし、58分。野澤のクリアミスをヴェルディがつなぎ、がら空きのバイタルエリアから柴崎が豪快なミドルシュートを決めた。1-0。苦しくなった湘南はここで思い切ったシフトチェンジを決行する。攻撃的MF寺川を外して守備的MF永田を投入、アンカーの田村をリベロの位置に下げて両SBを高く上げ、相手を包むような3-4-3へ。直後の62分、左からのクロスを逆サイドで臼井が折り返し、ゴール前に詰めた阿部がゲット!1-1。交代策的中、である。
そこからは攻め合いだ。湘南はアジエルと臼井のコンビが右サイドを切り裂き、田原がオーバーヘッドでゴールを狙う。一方のヴェルディは横方向に間延びした湘南の守備網を突いて次々にシュートを試みる。そして81分、左CKをファーの土屋が頭で落とし、飛び込んだ大黒がヒールで(?)触って野澤のタイミングを外し、ゲット。2-1。終盤の湘南はジャーンを前線に上げるスクランブル態勢をとるもチャンスを作れず、そのまま試合終了となったのだった。
なにしろJ2は全51試合の長丁場。一筋縄ではいかないのである。
湘南ベルマーレはここまで11試合負けがない状態で首位に立っていた。ただ、ここ試合は決して内容が良いとは言えず、先行される苦しい展開を采配の妙と勝負強さで何とかものにしていたのも事実である。固定メンバーで戦ってきた事による疲労の蓄積は守備時の出足の遅さに表れており、アンカー田村を核とする守備システムもだいぶ研究されてきているように感じる。試合後の監督コメントにもあるように、ここが「膿の出しどころ」なんだろう、きっと。
それにしても、そんな厳しい状況の中、大胆な布陣変更でビハインドをはね返して見せた反町采配にはシビれさせられた。反町さんは新潟時代を挙げるまでもなく、元々良いチームを作るコーチではあった。ただ、一方で五輪代表時代に顕著だったように、監督としての臨機応変さには欠けるきらいもあった。それが、である。今季の選手交代で感じさせるある種の「凄み」はいったいどうしたことだろう。やはりこの人には、名将としての資質があるのだと再認識。
東京ヴェルディは撃ったシュートが実に16本。湘南の6本と比べれば、この勝利も順当なものと言ってよいのかもしれない。ただ、地味だが隙の少ない守備に比べれば攻撃の完成度が低いことは否めず、結局この試合でも勝負を決したのは大黒の常人離れした得点感覚であった。ホント不思議な選手だよね、大黒ってのは。どこが凄いかはいちがいに言い難いんだけど、キーパーを「外す」あの感覚とかは……時空を歪めてるのかな。平山と同系列(笑)。
元東京の選手たちについて。トゥットは故障でもしているのか、残念ながらベンチにも入らず。阿部吉朗は点取り屋らしい仕事をして2試合連続ゴールだが、それ以外ではあまり目立たず。まあ、彼の場合は守備でも貢献できるので、次は先発起用かもしれない。ジャーンは相変わらず風貌とは裏腹に(笑)「ブラジル人DFっぽい」頑健さとポカを見せてくれている。土肥ちゃんは、おそらく給料は安いと思うが貢献度はとてつもなくデカい。全く衰えていない感じだ。
コメント
こんばんわ。あーあ、せっかく名前を伏せておいたのに自白しちゃいましたか!? 昨日も国立の売店は要領が悪かったですが、この日は阿部の交代時間も分からず、ヴェルディの先制ゴールも見られなかったので、せっかく行ったのに損した気分なので、売店のこと、根に持ってます。試合の展開が読めずに列に並んだ間抜け者といえるのかもしれませんけれどね。
Posted by: Mendoza | 2009年06月28日 22:17
自白もなにも、あーた。人のこと「暇なのかな?」とか書いてますけど、先にスタンドに着いてもうビール1杯空けてたの、自分でしょ(笑)!!
>売店のこと、根に持ってます。
いやあ、試合の展開もなにも、あんだけ店が要領悪くてビール買うのに時間かかってたら、そりゃあその間に1点くらいは入りますわな。
アウェイ側売店だったからひどかったのか、平日はそうなのか、あるいはヴェルディ戦はあんなものなのか……。
Posted by: murata | 2009年06月28日 23:08