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2009年05月17日

●北斗神拳炸裂 (横浜Fマリノス×FC東京)


昨日の夜は、日産スタジアムでJ1第12節。横浜Fマリノス 0-1 FC東京。前節京都戦は優勢に試合を進めながらスコアレスドローに終わり、なかなか下位から抜け出せない東京。今回はシーズン序盤の不調から調子を上げつつあるFマリノスが相手であった。試合は、前半から東京が優勢に進めながら先制点が奪えず微妙な展開。しかし、後半のアクシデントで出場した中村北斗の一撃で虎の子の1点をもたらし、そのまま逃げ切り勝ち。
 
 
東京はいつも通りの4-4-2で、負傷した石川の代役は鈴木達。一方の横浜は木村監督が突如採用した、松田がアンカーに入った4-3-3の新フォーメーション。立ち上がりは双方マーク合わせに手間取り、ボール争奪戦というより攻め合いの印象。3分、ワンツーパスでCBの背後に出た梶山がボックスに突入するも、シュート寸前でDFがカバー。5分、左→右の滑らかなパス展開から田中が右サイドを突破、クロスをFWの寸前でブルーノがクリア。

10分頃から東京のブロック守備が機能。ボールを奪ってはFWへのクサビから、程よく上がった梶山が左右に動いて攻撃を操り、主導権を握った。20分、マークを外した赤嶺が右サイドからのクロスに頭で合わせ、ワンバウンドのボールをGK飯倉が横っ跳びで弾く。その直後、左に開いた赤嶺のクロスをファーに走り込む鈴木がボレーで狙うが、これも飯倉がはね返す。横浜の方は左SB小宮山が攻め上がって幾度かクロスを入れるも、権田が落ち着いてセーブ。

東京の攻勢は続く。32分、左スローインからクロスの場面、ゴール前で赤嶺がダイレクトに叩いたが宇宙開発。その直後、パス交換から左中間を突破した鈴木が速いクロスを入れ、赤嶺の寸前でDFがクリア。東京のFWは単騎で突破力のあるタイプではなく、ラストパスのわずかなズレが逸機につながってしまうのであった。36分、久しぶりに横浜がパス攻撃で攻め込み、田中のクロスが逆サイドに抜けたところを小宮山がシュートするもふかしてしまう。

前半の終わり頃になると東京も攻め疲れが出たか、今度は横浜が押し込む形に。44分、オーバーラップした小宮山のクロスに対してややマークがズレかける危ない場面もあったが、梶山が競りかけたこぼれ球を権田が押さえた。そのまま0-0でハーフタイムへ。もどかしい展開ながら、全体的には東京が試合を支配している印象であった。
 
 
ハーフタイム明け、赤嶺と平山が延々と話し合いながら出てきた。

開始早々、平山が細かいフェイントを入れて仕掛けるも、シュートは飯倉の正面。47分にも平山は浮き球で右サイドを抜けるが、逆サイド羽生へのパスはDFにカットされてしまう。53分、ボックス右手前のFK、クロスが競り合いの中でゴール前にこぼれ、平山が頭で押し込みかけるが間一髪届かず。「間一髪」だけに、丸刈りのせいかも(笑)。直後、横浜のカウンターから小宮山が好クロス、ブルーノが競り勝ってクリア。再び攻め合いの様相を呈してきた。

55分、負傷の梶山に代えて中村北斗IN。思いがけぬ初出場である。羽生がボランチに下がり、鈴木を左に回して中村は右の攻撃的MFに。いきなり交代直後、羽生のパスで中村が右サイドを抜け、思い切ったシュート。枠外だったものの気迫がよく伝わってきた。58分、横浜のカウンターで今野が田中に裏をとられ、ボックス内の坂田へパスがつながるピンチとなったが、カバーの長友がクリア。さらにCK、栗原が落としたボールに松田が詰めるも権田がセーブ。

この時間帯、守備では中村がフィットしておらず、松田がしきりにそのサイドに上がり始めているのが嫌な感じであった。しかし、均衡を破ったのはその中村。61分、赤嶺・中村とのパス交換から羽生が右サイドを抜け、クロスを小宮山が滑り込んでCKへ。そしてそのCKで平山と中澤が競ったこぼれ球がボックス前に落ち、走り込む中村が「ホアタ!」とミドルシュート。飯倉の横っ跳びも届かずゴール左隅に突き刺さった。中村を取り囲む仲間たち。1-0。

勢いに乗った東京はなおも攻める。67分、平山・中村・鈴木のパス交換から左CKを獲得、ファーへ抜けたボールを徳永が強烈なミドルで狙うが、飯倉がストップ。70分にも赤嶺のパスでボックスへ鈴木が突入、はね返りをさらに赤嶺がシュートするがDFに当たる。ここでマリノスは坂田と狩野を外し、水沼と斎藤を投入。前線にフレッシュな選手が入った横浜はやや盛り返し、72分、左→右への大きな展開から田中のクロスに兵働が合わせるが右へ外れ。

東京は赤嶺→大竹の交代で鈴木をFWに上げ、以後は前がかりのマリノスと逆襲のチャンスを窺う東京という構図に。74分には小宮山が、78分には松田が強烈なミドルシュートを撃つが、いずれもきわどく枠を外れる。77分には横浜が長身FWの金を投入、前線へのロングボールを交えた猛攻に。81分、左サイドでの平山の粘りから東京の波状攻撃となり、ボックス正面で羽生が、さらに右サイドから抉り込んで鈴木がシュートチャンスを得るが、いずれも防がれる。

85分、鈴木OUTで浅利IN。東京は完全に逃げ切り体勢である。しかし87分、ボックス内へ上がったパントを金が落とし、ゴール前へ走り込む兵働がシュート!これは前に出た権田が体でブロック。よく防いだ!!その後5分間のロスタイムもややきわどいロングボールやクロスが何本か入り、「何でこんな危なっかしい思いをしなければならないのか」という感じはしたものの(笑)、金のヘッダーも権田が無事キャッチ。結局、そのまま1-0で試合終了。
 
 

まあ、もどかしさや危なっかしさはありながら、勝てたのは良かった良かった。

前半は完全に東京のペース。攻守のバランスが良く、4-4-2の布陣で3試合続けてきたおかげでもあるのだろう、スムーズなパス回しで中盤を支配することができた。あとは得点を奪えれば文句なしなんだけど(20分の決定機はものにしたかった)、そこはそう簡単には解決しそうにない課題だから……。ポジティブに考えれば、カボレや石川の不在で「崩さないととれない」分、むしろトレーニング効果は高い布陣なのではないかと。我ながら呑気やのう。

まあ、横浜FMの機能していない新布陣に助けられたのも事実ではある。松田(終盤の攻撃参加は「鬼坊主」って感じだった)をアンカーに入れるあたり、けっこう面白そうな試みだとも思うけど、今のところはまだまだという感じ。MFの数的優位をSBとウイングのフォローで補いきれていないし、何より狩野が中途半端な仕事しかできなくなっているのは痛かろう。この先どうなっていくか。終盤のパワープレーといい、個人能力の高さが怖いのは間違いないが。

後半、梶山の負傷で試合はかなり変わってしまった。東京にしてみれば、守備は機能していたし、前半のまま続けたいところだったが……それでも、結果的にスクランブル出場の中村北斗が決勝点をとるのだからサッカーというのは面白い。中村や今野をボランチに入れたらヤバいと思ったのだが、そこはさすが城福さん、羽生を残して後半半ばまで中盤を壊さなかった。あとは、最後の逃げ方が課題か。逆にあの時間帯になったら羽生を外しても良さそうだけど。

しかし、もう1~2点とって楽に勝ってもらいたいとも思いつつ、1-0というのもスリリングで悪い気はしない。クセになりそう。京都戦みたいな0-0の試合と、1点しか違わないのに(笑)。

個々の選手では、まず殊勲の中村北斗。じっくり観たのは初めてだが、目に付いたのがそのパワフルさ。ガタイが良くて、重心が低くて、馬力がありそう。それでいてSBをやっていたせいか、至近の味方を使いながら相手の裏に抜けるイメージができているようで、なるほど前で使うのにも納得。これからフィットしてくれば面白い存在になりそうだ。ガッチリ系の体型を見てカミさんが「イケメンだけど、シルエットは小峯」と言ったのは内緒にしておこう(笑)。

平山はちゃんと仕事はしている。あとはシュートの積極性かな。赤嶺はそろそろ1点ほしい。鈴木達は攻守ともに貢献。彼は石川ほど破壊力がないけど、能力のバランスが良いんだよね。梶山は良かっただけに残念。米本は90分働けるようになってきた。ブルーノさんは坂田・山瀬あたりを相手にどうかなと思ってたら、意外とやれた……つーか、調子上がってきたね。高さは頼もしい。両SBだと、徳永の方が安定感があって良かった。権田は文句なーし。

で、次はいよいよ「イルカは泳げ!!」の多摩クラシコ。梶山・石川を欠くのはかなり不安だし、今の守備陣であの超強力3トップを支えられるかはもっと不安(笑)。でも、ここはひとつ「とにかくやる」しかないのである。がんばって!!
 

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コメント

北斗神拳はずっと温めてたネタなんでしょうか?w
「この戦いを 俺は今たたく」まさにそのものだw、
マリノスにサッカーってより肉弾戦を仕掛けたのは良かったのかなと。

>イケメンだけど、シルエットは小峯
wwwwww、俺のジャスミン茶を(略

クラシコは審判次第かな?こっちはゴリゴリやるしかないし。
荒れない展開を希望です。

>北斗神拳はずっと温めてたネタなんでしょうか?w

いや、単なる思いつきです(笑)。
でも、実際北斗君ってマッチョ体型で「あたたたたたたた!ほあた!」って感じでしたね。あのゴツいマリノスDF相手に肉弾戦めいたものを挑んだのは、確かに凄いかも。


>クラシコは審判次第かな?

そうですねえ。川崎側に退場とか出るのも胸くそ悪いので、おっしゃるとおり荒れない展開になってほしいですね。ついでに言えば、撃ち合いよりもタイトな戦いで勝つことを希望。

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