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2009年05月10日

●あがれない麻雀、のような (FC東京×京都サンガ)


昨日の午後は、味の素スタジアムでJ1第11節。FC東京 0-0 京都サンガF.C.。前節広島に完敗して降格圏寸前の15位にまで落ち込んだ東京。GW5連戦の最終戦は、同じく4勝6敗の12位と下位に沈む京都をホームに迎えた。試合は、東京が試合の大半を支配しながらなかなか決定機に至らず、後半の交代策も功を奏しないままスコアレスドロー。快晴の青空とは裏腹に、ファンにとってはモヤモヤしたものが残る結果となってしまった。
 
 
キックオフ。久々先発の平山がスペースに流れてよくボールを引き出し、押し込んでからのパス回しで東京がボールを支配する。立ち上がりこそ京都もシンプルな展開から林のミドルシュートに至る場面があったものの、その後は一貫して東京ペース。12分、米本の攻撃参加でCK獲得、ブルーノのヘッダーはゴール右上に外れ。15分、平山のスルーパスで長友が左サイドを抜けてDFを振り切りシュート、前に出るGK水谷の脇を抜いたが、わずか右に外れた。

18分、ボックス手前のパス交換から梶山が切り返してミドルシュート、水谷がかろうじて弾く。この日は雲ひとつない晴天で気温は高く、両チームとも全体的に上げ下げは少なめの印象だが、それにしても京都は「引き」の姿勢が顕著だった。ほとんどパウリーニョ・ディエゴ・林の3人だけで攻撃する感じで、東京は整然と3ラインの守備ブロックを作って危なげなく防ぎ続ける。ようやく22分、今野のクリアミスを拾ったディエゴがシュートするも枠外。

しかし、東京も圧倒的に押しながら、京都の粘り強い守備になかなかゴール前へ入れない。30分に石川が、33分に赤嶺がボックス手前から反転シュートを撃つも、いずれもバーの上。となるとセットプレーに期待だが、31分、CKに平山が合わせたヘッダーも枠をとらえられず。35分には平山のパスでDFの間に割って入った羽生がシュート、水谷が横っ跳びでかすかに触り、右ポストの内側に当たって決まらず。試合を通じて最も惜しい場面だった。

東京の攻勢は続く。38分、ボックス周辺のパス回しから徳永が斜めに切れ込む石川へパスを通すが、シュートは水谷の正面。40分、細かいパスワークから梶山がボックスへ突入するも京都DFが必死のスライディングで止める。44分にはオーバーラップした米本が入れたグラウンダーのクロスを赤嶺が狙うが、豪快に宇宙開発。無得点のまま後半へ。

 
後半になってもボール支配は東京。開始早々赤嶺が強烈なミドルシュート、水谷が弾いたボールに平山が詰めるもDFがクリア。55分、京都陣中央でFK、ブルーノのシュートは壁に当たったがそこから波状攻撃となり、最後は徳永のクロスを梶山が頭で合わせるもバーの上。京都は渡邉をSBの位置に下げて5バックのような形をとり、東京がサイドが使えず攻めあぐみ始める。もっとも京都にも大した攻め手はなく、57分にディエゴが狙ったFKも枠外。

59分、城福監督が動く。大竹投入。だた、外れるのは意外なことに羽生だった。羽生は紛れもなくチームの潤滑油になっていたし、後半になって消えかけているのは石川の方に僕には思えたが……。これに対して京都は林→中谷と守備色を強める交代。案の定というか東京は中盤の流動性が低下して攻撃のリズムが悪化。それでも66分、カウンターから石川が持ち上がってゴール前へ走り込む赤嶺へラストパスを送るが、前に出た水谷がキャッチ。

67分、今度はなんと赤嶺OUTで鈴木達IN。正直「えー」という感じだったが、フレッシュで機動力のある鈴木の投入はそれなりに効いた。69分、梶山の展開パスから右サイドを突破した鈴木がクロス、DFより頭2つ分ほど高く跳んだ平山が頭で合わせるもふかしてしまう。70分には石川が左サイドを突破、ゴールライン際をえぐってボックス内の平山へつないだが、平山はさらにつなごうとしてDFにパスカットされてしまう。お前は柳沢か、というツッコミが(笑)。

74分、京都はパウリーニョ→金、東京は石川→近藤。うーむ。76分、大竹がパスカットから左サイドを駆ける鈴木へ展開、切り込んでのシュートは水谷が横っ跳びでセーブ。終盤は両チームとも疲れが出て雑になり、蹴り合いのような展開に。84分、ボックス左からディエゴが意表を突くミドルシュート、権田が何とか押さえる。終了間際には大竹から右へ展開し、鈴木がGKとDFの間にクロスを通したが誰も飛び込んでおらず……。結局、0-0のまま試合終了。
 
 
駄目だったとは思わないけど、ひたすら歯がゆかった試合。

おそらく、東京としてはほぼ試合前に意図していた通りのサッカーができたのではなかろうか。相手のやや消極的ともとれる戦い方に助けられたとはいえ、平山-梶山の縦のラインを中心によくボールを動かして試合を支配。実に19本ものシュートを撃つことができた。守っては整然とした後退ゾーン守備でパウリーニョ・ディエゴを完封。あとは選手たちの試合後のコメントのとおり、最後の「仕留め」のところで……1点でもとれれば成功だったんだけどね。

首をかしげたのは試合中の選手交代である。後半京都が5バックに変えてきたので、中から崩すために大竹、というのは納得のチョイス。ただ、そこで消え始めていた石川ではなくまだ動けていた羽生を外したのはわからなかった。次の交代も、鈴木投入はいいとして、スペースがないと生きない平山を残して赤嶺を外したのはちょっと「?」。石川の好調さに賭けたかったのと、平山の高さ(といっても実はヘディングは強くない)を残したかったのだろうか。

結果どうなったかと言うと、パス回しで梶山にかかる負担が大きくなり、それに引っ張られて大竹の位置取りも低くなって決定的局面にはあまり絡めず。石川も負傷で下がってしまい、最後は平山・近藤の2トップに。鈴木が頑張っていくつか良いクロスを上げたものの、そこに飛び込めるフィニッシャーがいなかった。なんか、より良い役を探しているうちにうっかり使える牌を捨ててしまった失敗麻雀、みたいな。相手に振り込まなかったのが不幸中の幸い(笑)。

つーか、広島戦の感想で「前にもう1人「エクストラキッカー」がほしい」なんて書いたんだけど、よく考えたら石川もその類の選手なんだよね。中盤のうち羽生・米本が「水を運ぶ選手」で石川・梶山が「エクストラキッカー」。そこで羽生を外して「エクストラ~」系の大竹を入れたら、そりゃあバランスは崩れるだろう、という。まあ、総攻撃ということであればそれも仕方がないのかもしれないが、攻撃に関しては米本がまだ頼りない状態だからキツかった。

城福監督としては、懸命に最適のバランスを見つけようとしているのだろう。でも、どうやっても今のメンツでは「足りない」部分が目立ってしまう。梶山1人ではボールを動かせないから平山を入れる、でもそれでは決定力に欠ける、じゃあ大竹を入れてみよう、そしたら地味な仕事をする選手が足りなくなる、では石川かカボレかを外さなくては、しかし前線の突破力がガタ落ちになってしまう、ところでチーム得点王の赤嶺は……迷路に迷い込んでる感じである。

結局、補強が難しいという前提に立つならば、どこかに穴が出来てもある程度目をつぶって、当分は我慢していくしかないんだろうね。現状、浅利よりも総合力で上回るとは思えない米本を我慢して使っているのは、そういう意味では納得のいく選択に思える。開幕の頃に比べれば守備もずっとマシになってきているから、一気にチームが崩壊してしまう恐れも少ないだろうし。あとは、椋原あたりはもっと使ってもいいと思うし、FWの駒はやっぱりちょっと……。

個々の選手では、まず平山が良かった。彼が入ると不思議なくらいにボールが動いてくれる。確かにゴール前での消極性や緩慢さにはイラつくこともあるが、それは味方が上がる時間を作る「タメ」の動きと紙一重でもある。赤嶺は、ちょっとシュートが枠に行かなすぎ。カボさんと2人でお祓いに行ってください。近藤祐介クンは現状では何が良いのかさっぱりわからん。石川は好調を維持。羽生は何だかんだで一番良い攻撃参加をする選手なのであった。

中盤では、梶山が割と良かっただろうか。前に行くと周りが見えなくなるから後ろで丁度良いんだな、やっぱり。米本は、坊主頭だし、なんか「サボると城福和尚に怒られる!」と走り回っている修行僧みたいな感じである(笑)。パス出しはこれから上手くなっていこう。DFはおおむね安定していたのではなかろうか。ただ、この試合みたいな展開の時は、もう少しブルーノと今野の攻撃参加が増えないとこの組合せの意味がないのではないかな、とは思う。

と、試合後のモヤモヤ気分を反映して、くそ長い観戦記になってしまった。ンガング。
 

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コメント

私も、平山は良かったと思います。

前線の起点として、十分に働いたと思います。69分の達也からのクロスを決めていれば、文句なしのMVPでした。

平山のヘッダーは、前に強いボールを撃つことを意識しているようですが、弾道が浮きがち。69分のシーンも下に叩きつけたら入ったと思うんですが・・・。相手DFよりはるかに高い打点で捉えていただけに、本当に残念。

内容が良くても、なかなか勝てないですが、城福監督が言うように、やり続けるしかないんでしょうね。サポーターも、当分忍耐の修行期間が続きそうですね。(苦笑)

横浜戦を見ていても、平山、相変わらず「強い頭」にはほど遠い感じでしたね。まあ守備に下がってのヘディングは悪くないし、攻撃時はマーカーが中澤だったから相手が悪かったという見方もありますが。

むしろ、思い切った足のシュートがもっと見たいな、と。

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