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2009年04月21日

●『日本サッカー史 日本代表の90年 1917-2006』

4月から仕事の担当が替わったりして忙しく、全然映画も観てないし本も読んでいない……のだが、かろうじてサッカー関係の本だけは3冊ほど読んだ。ので、つれづれとレビューなぞ。
 
 
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まずはバーレーン戦@さいスタの直前に読了した、後藤健生著『日本サッカー史 日本代表の90年 1917-2006』(双葉社)。ご存じ日本サッカージャーナリズム界の大御所(と言っていいのだろうな、多分)が「膨大なフィールドワークと徹底的な検証」を基に書き上げた大著。

一言で表すならば「とんでもない本」である。なにしろ、06年の時点で90年もの長きに渡っているサッカー日本代表の歴史を1冊の本でカバーしているのだ。その中身の重厚さときたら……日本におけるフットボールの起源に始まって、初の国際試合からベルリン五輪の大金星、戦争とその後遺症、クラマー来日と東京五輪、メキシコの栄光、一転して暗黒時代となった70年代、プロ化への風が吹いた80年代と世界へ飛躍した90年代、そして現代へ。

まあ、日本サッカーの「通史」があれば便利だと思うのはライターとしては当たり前だろうし、無いのならばどうにか作ってやろうというのも自然の流れなのかもしれない。だが、それを1人でやってのけようという発想、そして実際に書き遂げてしまうその博識と調査力と筆力(抑制の利いた淡々とした文章がまた内容にピッタリなんだ)は、言うまでもなく尋常なものではない。さすがはこの国におけるサッカージャーナリズムの第一人者、である。素直に敬服。

しかしこの本、読んでみると、自分が生まれる前はもちろん、その後の時代についても気づかされることが多かった。たとえば、僕にとっては「読売・日産時代」の印象がやたら強いんだけど、読売クラブの初優勝は83年だから二強時代はわずか10年弱の出来事なんだね。J開幕後の方が全然長いし、長さで言えば鹿島・磐田黄金時代ともあんまり違いがない、とか。あと、日本サッカーってイメージ的には10~15年くらいのサイクルで大きく変動してるんだな、とか。

とにかく、良い意味で「教科書」ですわ、これは。必須教養とは言わんけど。
 
 
(残りの2冊についても一度はUPしたのだが、読み返してみたらかなり長いエントリーになってしまっていたので、3回に分けて小出しすることにした。セコっ(笑)。)

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