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2009年04月14日

●確かに悪くはない……がっ! (FC東京×鹿島アントラーズ)


日曜日の午後は、味スタでJ1第5節。FC東京 1-2 鹿島アントラーズ。第4節ジュビロ戦の辛勝で星を五分に戻して迎えた、前年度チャンピオン(ACL帰り)との対戦。昨年の30節と同様、絶好の「力試し」の機会である。試合は、開始直後に不運なゴールで先制され、さらに早々に追加点を許す苦しい展開。これまでよりも積極果敢なパス攻撃で反撃し、赤嶺のゴールで1点を返すも、あと一歩が届かず悔しい悔しい敗戦となってしまった。
 
 
試合前、先日の入替戦に勝利して見事「V・プレミアリーグ」への昇格を決めた、FC東京バレーボールチームの面々が登場。監督の熱い挨拶に続いて選手たちが上着を脱ぎ始めたので「何だろう」と思って見ていたら、白Tシャツの胸に「サッカーもバレーも東京が1番!アイシテル東京」の文字が。いやー、いいねえ、こういうおバカな感性は(笑)。ちゃんとメインスタンドにも向いてくれたし。「アイシテル」がカタカナなあたりはアマラオを意識しているのだろうか。

 
キックオフ。東京は石川先発の3トップで今野・羽生・梶山が中盤を構成する布陣。対する鹿島は興梠が控えでルーキー大迫が先発。1分、いきなり試合が動く。東京のCKから鹿島のカウンターとなり、マルキーニョスが左サイドから切れ込んでシュート、ブロックに入った今野に当たったボールはジャンプする権田を絶妙の軌道で越え、ゴール右上隅に吸い込まれた。0-1。試合巧者相手だけに早々の失点は避けたいところだったが……厳しい戦いになった。

東京も反撃。3分、石川が羽生とのワンツーでボックスへ突入、GK曽ヶ端がキャッチ。羽生や今野が気迫溢れるプレーでボールを奪い、石川が快足を飛ばす。一方の鹿島はボールを奪っても守備のバランスを崩さず余裕のパス回しで対抗。8分、バイタルエリアのパス交換から野沢がミドルシュート。11分には羽生がボックス手前から強烈なミドルシュート、右ポスト直撃!さらにこぼれ球を石川が狙うもDFがブロック。惜しい場面に選手もスタンドもヒートアップ。

ところが、である。15分、東京陣深くで鹿島スローインの場面、何となくマークが甘くなったところでボックス内の大迫にパスが渡り、立ちはだかる羽生と遅れてカバーに入る佐原の間を割るように突破して右足一閃!ボールはニアサイドの上に突き刺さった。大迫、圧巻のリーグ初得点。0-2。これで東京は意気消沈。逆に大迫は生き生きとしたプレーぶりで、18分にはクロスをダイレクトボレーで狙って惜しくもサイドネット。うーん、悔しいけど良い選手だ。

東京が立ち直ったのは前半も半ばを過ぎてから。25分、石川を狙う羽生のロングフィードがCKとなり、混戦の中で佐原の足下にボールが落ちるもシュートできず。28分、左サイドから切れ込むカボレが弾丸シュート、曽ヶ端が横っ跳びで弾き出す。週半ばにシンガポールでアウェイ戦を戦ったばかりの鹿島は体力面を考慮したのだろう、無理せず守備ブロック作りに専念、シュートは遠目のものが多い。東京はボールを支配して攻撃を継続できるように。

40分、徳永の攻撃参加から石川のシュートはDFにブロックされたものの、次のスローインで羽生がDFの間に猛然とダッシュ、一気に抜けて上げたクロスを赤嶺がヘディングシュートで突き刺した。スピード感に溢れるいい攻撃である。1-2。41分、野沢がボックス手前から狙ったコントロールショットは枠外。終了間際は東京が押し込む形となり、43分にはCKから波状攻撃に。最後は佐原がヘディングを撃つも枠をとらえられず。1点差でハーフタイムへ。
 
 
後半になっても東京の攻勢は変わらない。開始直後、今野のフィードで赤嶺が左タッチ際を突破、カボレを狙ってクロスを入れるも曽ヶ端キャッチ。そして48分、カウンターからつないで深く攻め込み、ボックス正面でパスを受けた梶山が鋭いミドルシュート!曽ヶ端が弾いたボールが石川の前に転がり、「やった!」と立ち上がりかけた瞬間にシュートは曽ヶ端を直撃……頭を抱える石川。さらに直後のCK、クロスに今野が右足で合わせるも、ポスト左をきわどく抜けた。

めげない東京は攻め続ける。50分、左サイドのカボレがDF2人を引きずってクロス、ファーで赤嶺がオーバーヘッドシュートするが、ゴールライン寸前で曽ヶ端がキャッチ。この時間帯は速いパスでよくボールが動き、なかなか見応えのあるプレーができていた。鹿島の方はバテが出たのか長いキックの放り込みが多くなっており、53分には早くも本山→新井場の交代。55分、徳永が縦に勝負してマイナスのクロス、赤嶺にわずかに届かず。悪くない雰囲気。

しかし、ここでアクシデント。カボレが脚を痛めてプレー続行不可能に。鈴木達が入るが、前線で「差をつけられる選手」を失った東京は攻めあぐむように。鹿島は大迫に代えて興梠。この状況に62分、東京のベンチが動いて石川OUTで大竹IN。64分、速いパス展開から長友が左サイド突破、GKとDFの間を狙うクロスを入れるもアタッカーに合わず。68分、大竹のドリブルから右の徳永へ、切り返しのクロスに梶山が飛び込んだがわずか10cmくらい届かない。

鹿島はさすがに動きがガクンと落ち、時間を稼ぐ横パスが多い。それでも69分、小笠原からの縦パス一発で興梠がボックス内へ侵入、佐原が懸命のカバーで防ぐ。東京は何とかして揺さぶりたいところだが、バテからか負傷からか梶山の動きが極めて悪く、いい展開が減っていく。そして74分、城福監督が最後のカードを切る。赤嶺OUTで平山IN。これが失敗だった。怪我明けの平山はいつも以上に動きが重く、ボールに絡めないままピッチの中を彷徨うばかり。

それでも東京はぎこちないパス回しから何とかクロスまでは持っていくのだが、精度が低くシュートへ至らないまま時計が進む。ロスタイム、ボックス右手前のFKで大竹が巻いて落ちるキック、ワンバウンドでゴール左隅に飛んだボールを曽ヶ端が必死でかき出す。さらに梶山のパントがボックス内に跳ね、大竹が飛び込んだ場面も曽ヶ端が体を張って防ぎきった。結局、1点差は最後まで詰まらず試合終了。3万2千観衆の前で勝利を得ることはできなかった。
 
 
「あーあ、もったいない」というのが率直な感想。

開始早々の失点が東京のゲームプランを狂わせたのは間違いない。不運といえば不運だ(シュートってのは撃ってみるもんだね)が、その後(羽生のポスト直撃弾以後)熱くなって前がかり、やや守備がおろそかになったところを突かれてまた失点。鹿島相手に2点のビハインドはキツかった。半ば結果論になるが、相手は連戦でコンディション不良、後の時間になればこちらが有利になるのは予想できたのだから、失点だけは避けなければならなかった。

前半をトレーニングのようなパスゲームに充てたここ2試合に比べれば、最初からFW3枚をワイドに展開し、今野を中盤に戻して当たりの激しい鹿島MFに対抗させた今回は、何より「結果」を求めていたように見えたのだが……試合後、城福さんのコメントが「内容は良かった」だったのはちょっと残念。迂闊な失点から開き直って反撃に転じるも届かず、という展開は何度も見てきた負けパターンだし、何より今回せっかく鹿島がつけいる隙を見せてくれたのに。

布陣だなんだの話で言えば、東京は最初4-3-3だった。相手をサイドに引っ張ることで中もそれなりに使えて悪くない内容ではあった。ただ、そうなると梶山の負担は確実に大きくなるんだよね。で、案の定というか終盤に10番電池切れ、という。最後は赤嶺ではなく梶山を下げるべきだと思ったんだけど、どうなんだろう。神戸戦や磐田戦の「実験」は、「梶山に頼らなくても成り立つ東京」のための布石でもあると思っていたんだが、どうやら違ったらしい。

個々の選手では、羽生と今野は気迫のプレーで光っていた。2失点くらってから開き直って積極的なパスを通し始めるあたり、良くも悪くも今野はこのチームの象徴だな、とも思ったけど。良くなかったのは茂庭。使ってないと弛んじゃうタイプなのかね、彼は。石川は、良かったけどあれは決めてくれよ、みたいな。カボレはどうも重い感じ。平山は……小平では良かったのかねえ(あと、椋原は小平では駄目なのかねえ)。どうせなら米本が見たかったのう。

鹿島アントラーズは、相変わらず鹿島だった。先制点にはラッキーな面もあった。ある程度東京を「泳がせていた」にせよ、鹿島自身のコンディションの悪さは否めず、後半の石川や今野のシュートが決まっていたらおそらくその後二枚腰を発揮することはできなかっただろう。でも、そこで結局何とかしてしまうあたり、つくづく可愛げのないチームである。この「悪いなりにまとめる」という力こそがリーグ連覇の最大の要因であり、東京に欠けているものだと思う。

つーか、次はホント、勝たないと。あー悔しー!!
 

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コメント

鹿島も動けない状態になりスペースがあったので、三枚目は、縦にガツガツ行く近藤だと思ったのですが、城福監督はセットプレーのターゲットとしての平山に期待したのでしょうか?


それにしては、CKのボールが長すぎてファーに抜けるシーンのなんと多いことか。ファーに折り返し要員を一人置いておけばというのは、素人考えでしょうか。

いずれにせよ、もう少しの工夫で引き分けまでは行けたと思うと悔しい敗戦です。

どうもです。

平山投入については、もちろんセットプレーのターゲットという意味合いもあったでしょうが、赤嶺より彼の方が足下に収まるしボールを動かせるので、バイタルエリアで一度平山に持たせてDFに食いつかせてからサイドへ展開、というイメージだったのかもしれません。

もう鹿島は完全に引いて守りを固めてましたからね。祐介だとガンガンつっかけてガンガン岩政や伊野波にはね返されたかな、と。

だから、まあ、平山を投入する意図自体はわかるような気がするんですよ。ただ、コンディションが全然戻ってなかったですよね、彼。常々「小平で一番いい選手を使う」とか言ってる割には、監督はちゃんとそこを見てあげてるのかな、とは思いました。

>CKのボールが長すぎてファーに抜けるシーンのなんと多いことか
確かに、精度はものすごく低かったですね。

>もう少しの工夫で引き分けまでは行けたと思うと悔しい敗戦です
まったくです。

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