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2008年10月21日

●8年ぶり、電気にシビれ中

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先週15日に発売された電気グルーヴのニューアルバム「YELLOW」。さっそく渋谷HMVで購入し、iPodでヘビーローテーション中である。前作「J-POP」がこの4月に出てからわずか半年でのリリースは、ファンにとっては嬉しい限り。なにしろ、その前の「VOXXX」になると何と8年前、2000年までさかのぼらなければならないのだから。
 
 
聞いてみた感想としては、やはり「J-POP」と似た感じだな、と。「J-POP」は先行シングル『少年ヤング』『モノノケダンス』のポップなスタイルとは裏腹に、非常にソリッドな、作り込みは凄いんだけどおフザけ少なめで硬質な作風がファンを驚かせた。よって、今度の「YELLOW」は反動でハジけた作品になるんじゃないかという予想もあったようだが、少なくとも僕の感覚ではさほどの違いは感じられなかった。もちろん「同じように、良い!」という意味で。

確かに、ジャケットは真っ黄色(どう見てもピ○チュウ)だし、明るめの音も増えていると思う。『どんだけ the ジャイアント』のようにかつての『富士山』『ガリガリ君』を彷彿とさせる底抜けソングもある。でも全体的にはメロディーは抑制的で、詞はひねってあっても歌はあくまで音の一つに過ぎない。一番大きいのは『N.O.』『シャングリ・ラ』のようなボーナストラック的「歌謡曲」がないことかな(先行シングル2曲も「J-POP」収録版はシブ~くアレンジされてたし)。

当たり前っちゃ当たり前なんだけど、やっぱり90年代の電気とは違うのだ。

受けた印象を一言で言い表すならば、ズバリ「成熟」だろうか。さすがに20年近くも活動歴があると余裕が違うというか。若い頃のように変にトンガったり青臭かったりする必要もないし、ムキになって娯楽性に背を向ける必要もない。「VOXXX」の時みたいにトチ狂う必要もない(笑)。なんか、アーティストとしての音楽性と、ファンのニーズとに自然に、さりげなく折り合いをつけようとしている姿が見えてくるような。そんな印象。それがすごく心地よい。

多分、受け容れる側の僕の感性も、彼らを熱心に聞き出した90年代前半から15歳くらい歳をとって、かなり変わってきているのだと思う。昔はもっとセンチメンタルなメロディーやメッセージ性の強い歌詞、トンガった表現を強く求めていたような気がするのだけれど、しかし今は繊細に作り込まれた音を繰り返し聞くことでで落ち着いた、もしくは安定したキモチ良さを得たいと思うようになっている。まあ、要はオッサンになったということなんだろうか。

[収録11曲中、特にお薦めの3つ]
『さんぷんまるのうた』
『どんだけ the ジャイアント』
『湘南アシッド』
 
しかし、21世紀も10年近くが過ぎて、電気のビリビリの、じゃなかった、バリバリの新譜がまた聴けるとは……「VOXXX」の後の活動休止宣言で「もうないかも」と思っていただけに、本当に嬉しいことである。ふと思ったのだが、サザンオールスターズとか、もっと言うとローリング・ストーンズとかのファンの人なんていったいどんな感覚なんだろうか。
 
 
以上、このブログの読者の推定1%以下しか興味がないであろう、電気グルーヴの新譜情報でした(笑)。ついでに言うと、電気の昔からのファンは絶対に初回生産限定版を買うべきである。付録のDVDに入っているLIQUIDROOMでのライヴ(特に『Cafe de 鬼(顔と科学)』!)が素晴らしいので。まりんこと砂原良徳が出てるのも、懐かしくてグーだよん。
 

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