●にゃーごやはどえりゃーあつかったがや
8月9日(土)
東京駅から11時前の「のぞみ」に乗車。お盆前の土曜日だけあって指定席はほぼ満席で、カミさんと横並びの席はとれず、見知らぬオッサンの隣に座る。席を向かい合わせにした家族連れの小さい子がはしゃいでいるのを横目で見ながら、iPodで懐かしのザ・ブルーハーツなど聞きながら2時間半余、あっという間に名古屋へ到着。
まずは名古屋駅から桜通方面に数分歩いたジュンク堂の地下、山本屋本店で味噌煮込みうどんを食す。「松茸入り」のメニューにもかなり惹かれたが、やはり茸は秋だろう、ということで今回はスタンダードな「名古屋コーチン入り」にしてみた。パキパキ固めのうどんと辛めの出汁、相変わらず美味し。ただ、冷房がガンガン効いていたせいか、昨秋に食べたときよりも冷めるのが少し早かったような気が。汗ダラダラになると思っていたのにね。
続いて地下鉄を乗り継いで、生まれて初めての名古屋城見物。「名古屋城」っついてもオリジナルのものは太平洋戦争の際に空襲で焼失しており、今あるのは戦後再建された鉄筋コンクリート造りのものだとか。外観は確かに城だが中はエレベーターもあるし、江戸時代の名古屋の街並みがセットで再現されたりしていて、やや小ぶりな歴史博物館と化していた。スケールは違えど、東京でいえば江戸東京博物館なんだろうね。
印象的だったこと。見物の前、駅から天守閣に向かおうと歩いていると、途中で黒田長政が巨岩の上に乗って築城の指揮をとっている姿をかたどった像があったので眺めていたら、脇を歩いていたオッサンがいきなり「あのねこれは模型でね、向こうに本物があるから見てらっしゃい!」といきなり案内を始めてくれた。別にそんなに興味があって見ていたわけでもないので面食らったのだが、まあ天然ガイドボランティア、というところか(笑)。
しかし、城の中(冷房効いてます)はともかく、その前後に炎天下を歩いた時間はけっこうキツかった。事前に「名古屋の暑さは東京よりずっと上」と聞いていたのだが、案の定というか、わかっていてもやはり暑いものは暑い。買ったペットボトルを次から次へと消費してしまう我々。名古屋の中心部で地下街が発達してるのって、この暑さと関係あるのだろうか。
早くもバテたので一旦栄の某ホテルにチェックインし、しばらく休憩してから地下鉄で瑞穂陸上競技場へ。たいていの場所には地下鉄で行けるので、東京の人間にとっては名古屋は交通至便の土地である。栄から最寄りの駅まで20分弱、そこから10分弱で到着。夕飯代わりに名古屋駅松坂屋の地下で買っておいた「千寿」の天むすを食べる。店の売り子のおばはんが愛想ゼロだったのでやや不安もあったのだが、味はまあ普通に美味だった。
試合の方は、観戦記に書いたとおり。両SBに守備的な選手を置いて羽生をボランチに起用する作戦が当たったこともあり、東京が際どい戦いを制す。決勝点は平山。あのシュートの間がまたなんとも……やっぱり緩急のアクセントをつける役目だな、彼は。
楽しかったのは、グランパスくんとグランパコちゃんが「浴衣」を着て出てきたこと。つーか、全然浴衣に見えないんですけどそのキンキラキン(笑)。あと、グランパスくんJrとグララちゃんの姿が見当たらなかったようだけど、アウェイ側には来ないのかな?ファミリーが揃った姿を(豊田スタジアムとは違い)間近で見られるかもしれない、と期待していただけにちと残念である。あと、売店のグランパスくんぬいぐるみはもうちょい可愛くしてほしいっす。
試合後は、名古屋在住フットボール賢人の森末さん及びその奥様と合流し、某所の「風来坊」でお食事会。手羽先、鳥刺し、かつおの叩き、椎茸焼き等々、ビールをジョッキ3杯ほど。勝って気分が高揚していたこともあり、実に美味かった。手羽先といえば「世界の山ちゃん」も有名だが、個人的にはあちらはちとスパイシーすぎるように思える。手羽先を次から次へとビールで流し込んで、1時間半の間に4人で9人前も食べちゃったよ(笑)。
森末さんはフットボールはラグビーもサッカーもかなりイケるクチだが、奥様は全くスポーツに興味がないそうである。友達のフットボール狂のうち、既婚の人間をざっと見渡してみると、確かにけっこう両極端に分かれるんだよね。結婚相手もファンとして巻き込んでしまい、一緒にスタジアムへせっせと通うか(ちなみに我が家はこのパターン)、それとも全く関心を持たれないままに「試合の日はどうぞお好きに行ってらっしゃい」へ持っていくか。
23時過ぎでお開き(お店も閉店)。森末さん夫妻と別れて地下鉄で栄まで戻り、近所のコンビニでビールを買って、谷亮子が金メダルを逃したニュースなぞ見ながら飲んで就寝。
8月10日(日)
9時前に起床。ダラダラと顔を洗ってヒゲを剃り、風呂に入って着替えたらもうチェックアウトの時間である。朝食はホテルの近所のマクドナルドで適当に済ませる。「朝マック」って、ソーセージエッグマフィンとかは美味しいけど、セットのポテトが揚げてあるのがどうも……あの値段で贅沢いっちゃいかんか。でも胸焼けが。
思い立って地下鉄に乗り込み、東山動物園へ出かける。暑さを嫌ってかそれほど混雑はしていなかったものの、それでも広大な敷地にたくさんの動物たち、それを眺めて目をキラキラと輝かせている子供たち。正直、足を運ぶまでは「どうせコアラぐらいで、あとは大したことないだろう」と思っていたのだが、それは大変に失礼な考えだったかもしれない。つーか、僕自身も目をキラキラさせちゃったし(笑)。大人になっても動物園は楽しいっす。
とはいえ、この日は曇り空で前日ほど気温は高くない様子だったが、それでも暑いことは暑い。ペンギンさんたちはひたすらシャワーに打たれ水にもぐり、熊さんやヒョウさんは昼寝に興じ、キリンさんはダチョウさんと並んで棒立ちになっているのであった。室内のゴリラたちは無茶苦茶元気だったけど、もしやあそこは冷房が入ってたかな。
この動物園のスターといえばやはりコアラである。民間企業の寄付で建てられたというコアラ舎は相当に立派な作り。ただし、昼間はほとんどスヤスヤお眠り遊ばされているそうな。で、コアラ舎の中はもちろんフラッシュ撮影禁止なんだけど、あちらこちらでピカッ、ピカッと……常駐の監視員が「禁止って書いてあるでしょ!」と怒鳴りちらしていた。怒鳴るのもどうかと思うが、しかしフラッシュ一つ切れないような人間がカメラを持っちゃいかんよな。
あと可愛かったのは、アシカの親子。子供はまだ小さく母親にくっついて甘えまくりで、母親の方は寄ってくる大人の雄を「ガーッ!」と威嚇しながら懸命に子供を守っていた。あと、アシカの池の片隅には盲目のおばあちゃんアシカがいて、安全のために半ば隔離されたような状態だったんだけど、子供のアシカが彼女の近くに寄っていくとやはりわかるらしく、おばあちゃんの方も寄って何か話しかけているような様子だったのが印象的。
そういや、東山動物園にもいましたよ、「解説おじさん」が。とある種類のサルの親子(父・母・子)が暮らしている建物の前にずっと立っていて(もちろん園の係とかではない)、来る人来る人に「ほら、この子供にちょっかい出すと父親が助けに来るんですよ」とか言ってるの。で、サルの子供が好奇心たっぷりに近づいてくるとそのオッサンが子供に向かって手を伸ばして、すると父ザルが猛烈な勢いでダッシュしてきてガラス窓にドーン!!……おいおい(笑)。
だいたい一通り見終わってから、動物園の奥にある東山スカイタワーへ。海抜80mの山の上に建てられた134mのタワー。名古屋市はお金があるのかな?上ってみると、なるほどこれは眺めがいい……のだけれど、ちょっと市の中心部から離れすぎているのでやや平板な風景になっちゃってるのがもったいないかな。夜景の方がいいかもしれない。
スカイタワーから駅へ戻る途中、もう一度動物園の中へ入ったら、さっきは見逃していたカンガルー舎を見つけた。だいたいどのカンガルーさんもお腹を出して「あぢ~」とお昼寝中だったけど、子供をお腹の袋に入れたお母さんがちょうど元気にえさを食べに跳ねてきた。もう子供もだいぶ大きいのだろう、首を伸ばして自分もえさを食べていた。有袋類ってのは実際に見てみると、微笑ましいというより何だか不思議な感じがするんだよね。
地下鉄でまた栄へ戻り、スパゲティハウス「ヨコイ」で昼ご飯。なんでも、あんかけスパゲティ発祥の店だそうな。もちろんあんかけスパの「ミラピタ」を注文。サイズは普通と1.5倍とがあって、かなり空腹を感じていたので迷ったのだが、結局普通サイズにしてみた。
出てきたスパゲティを見ると……いや、1.5倍にしなくて正解だった。かなりのボリューム。パスタの上に甘辛いソース、ソーセージの切り身、そして豚肉の黄金焼がどっちゃりと。おまけにパスタは油で炒めてあるようで、まさにB級満腹グルメ感に溢れた一品である。お味の方は、「普通に美味しい」レベルか。ただ、量が多いのでやや飽きが来るかもしれない。まあ、小皿のサラダも付くし、お店のおばちゃんたちの感じも良かったし、いっか。また来よう。
と、ここで、本当は「ノリタケの森」など回りたいところはあといくつかあったのだが、やはり暑さもこたえたのか、2人ともスタミナ切れ。仕方なくスタバでダラダラと冷たい飲み物を飲んだり、サンシャインサカエの観覧車に乗ったり(けっこう怖い……)、名古屋駅隣接のJRセントラルタワーで展望台に上ろうとしたら(高いところばっかだな)展望台がなかったりと、あれこれやっているうちに帰りの「のぞみ」の時間になった。お土産にきしめんパイを買って、帰宅。
ともあれ、来年は、もう少し気候のいい時期、豊田スタジアム(昼)を希望したいのう。
コメント
楽しそうな名古屋観光レポート、ごちそうさまでございます。
グランパス君の服は浴衣だったのですね! 私はてっきりプロレスラーが着るようなガウンだと思ってました。TVで見ていて「さすがにグランパス君も気合いが入ってるな」とか思ったのですが(笑)。しかしどう見ても浴衣には見えない……。
Posted by: つぴぃ | 2008年08月14日 13:55
わざわざ暑い時期のご来訪でお疲れさまでした。
佐山一郎氏のコラムで、サッカー狂の夫と興味なし妻の組み合わせで離婚に至ってしまった「サッカー離婚」を取り上げていたのがあって、結婚するに際して探してみたのですがどの本のどのページであったか発見できず。知っている人いたら教えてください。
実際のところ、まあいろいろ大変です(笑)
動物園の奥には、同じくらいの敷地の植物園もあって大人的にはそっちがお薦めです。温室がいいですよ。まあ一日で全部は回り切れませんけどね。
次はジャパンが瑞穂ラに来る11月にも来てください。
Posted by: 潤 | 2008年08月14日 17:35
>つぴぃさん
コメントありがとうございます。くそ長い観戦記ばかりでいい加減飽きられてるような気もしますので、たまにはこういうコンテンツも書くべえ、みたいな。
土曜日は、グランパス君だけじゃなくて「浴衣デー」だったようですね。
http://www.so-net.ne.jp/grampus/home_game/080809/index.html
とはいっても私もその場ではあの着衣が何なのか全くわからず、試合後にひとから聞かされて事の次第を知ったのでした。確かに、浴衣というよりプロレスラーかボクサーのガウンですよね。キンキラキン、ボンバイエ(笑)。
>潤さん
こちらこそお忙しい中、おつき合いいただきましてどうもありがとうございました。
>「サッカー離婚」
恐ろしい話ですね。うちの場合は「サッカー観の違い」とかで夫婦仲がピンチに陥ることはあるかもしれませんが……。まあ、色々と大変でしょうが、奥様とお互いがんばってください(笑)。
>植物園もあって大人的にはそっちがお薦めです。
あの暑さの中、動物園だけでもいっぱいいっぱいでした。爬虫類・ワニも見られなかったくらい。つーか、この季節に温室はさすがにヤバイのでは(笑)。
>次はジャパンが瑞穂ラに来る11月にも来てください。
今よりは観戦に良い季節ではありそうですが……また近くなったら考えまっす。
Posted by: murata | 2008年08月15日 00:00
自分はマツケンサンバを思い出しました(笑)>浴衣
東山動物園のほか、名古屋港水族館にもたくさんペンギンがいるようですね。次回行きたいなぁ。
あと、名古屋に勝てたのはこの↓おかげかも!?と思いました。
http://www.nagoyaaqua.jp/aqua/topi/20080812/index.html
ヨコイでは普通サイズで正解かも。名古屋ではほかにもいろいろ食べたいですもんね。
Posted by: fct fan | 2008年08月15日 20:18
お疲れ様でした。
まさか駅のホームで遭遇するとは…
ジュニアは原則ウチが勝利した後にしか登場しません。
可愛いグララちゃんは箱入り娘のせいなのか? 登場は時々です。
勝ち点3のみなず食い倒しもしてお帰りになって癪に障ります(笑)。
でも私も広島でお好み焼き食い倒してきたから同じか(爆)。
11月のジャパンもですが、是非ともトヨタの試合でも瑞穂にお越しください。 秩父宮でも花園でもない摩訶不思議な空間を創り出していますので(笑)。
>潤さん
佐山先生の「サッカー離婚」が書かれた書物はこれです。
こんなサッカーのコラムばかり雑誌に書いていた。 (双葉社刊)
Posted by: クロゴマ | 2008年08月16日 09:39
>fct-fanさん
以前グランパスくんがマツケンサンバネタをやったことがあり、その時の衣装を流用したという説もありました(笑)。
そうか、水族館もあったんだ……私は昔から動物園より水族館の方が好きなので、これは次回外せないですね。市内の主な美術館(と豊田美術館)は前回だいたい制覇しましたし。
>クロゴマさん
どうもです。偶然というのはなかなか凄いものだなと思いました。
そうですか。ジュニアは勝った後にしか登場しないんですね。じゃあ、やっぱり今季はホームとアウェイの勝敗が入れ替わった方が良かったかな(笑)。グララちゃんは会場で配られていた情報誌で見目麗しいお姿を拝見いたしました。
名古屋グルメ、堪能しましたよ。さすがにあの暑さで味噌カツは食う気になりませんでしたが……。あと、きしめんも食い損なったな。
>摩訶不思議な空間
確かに、瑞穂のラグビー場の方も、一度のぞいてみたいと思ってますので、その節はよろしくー。08-09シーズンは最終節が瑞穂でトヨタ×サントリーなんですね……。
Posted by: murata | 2008年08月16日 10:57