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2008年07月17日

●播戸がいなくて助かった (FC東京×ガンバ大阪)


昨日の晩は、国立競技場でJ1第17節。FC東京 1-1 ガンバ大阪。早くもリーグ戦の折り返し地点は、東京にとって昨季3強(浦和、鹿島、ガンバ)との連戦の最終戦。中断明け以降どうにも乗り切れない試合が続いていることもあり、ここは是非とも白星がほしいところであった。結果は、序盤に先制点を許しながら機転の効いた同点弾を機に主導権を握ったものの、あと一押しが足りず、終盤は再び劣勢の中で冷や汗ものの引き分け。


この日の東京は右に長友、左に徳永を配して佐原と今野がCBで組み、中盤の底を浅利で固めてエメの代わりに石川が先発。対するガンバは前節と同じスターティングメンバー。立ち上がりはガンバが圧倒的なポゼッションで攻めたてる。3分の右CK、逆サイドのこぼれ球をバレーが拾ってクロス、山崎のヘディングシュートはワンバウンドで、右ポストを直撃してヒヤリ。東京はほとんどパスをつなげず押し込まれ、一方的な展開であった。

6分、左サイドの攻防で安田が切り返しで石川をかわしてクロス、ファーに流れたボールをルーカスが豪快に蹴り込んだ。東京としては避けたい形だったが……。0-1。ところが、ここで一気にたたみかけるかと思いきや、ガンバはいきなりお休みモードに入ってしまう。8分、梶山のボックス内への浮き球に羽生が走り込んで惜しい場面を作り、11分には石川が右サイドを突破、クロスを平山がラインギリギリで折り返し、カボレがプッシュを藤ヶ谷セーブ。

その後もガンバは出足が鈍ったままで、東京が攻勢に出る。16分、左サイド深く入った徳永からつないで梶山がミドルシュート(枠外)。しかし17分には一発の縦パスでバレーが左サイドを突進し、ループシュートがポスト右を抜けて冷や汗。プレーは粗くともやはりこの男は怖い。そして19分、相手陣中央の早いリスタートから徳永がミドルシュート、藤ヶ谷の横っ跳びも届かず見事ゴール右に決まった。相手の虚を突くクレバーな展開で1-1。

こうなると東京は押せ押せである。22分、キレている石川がまた右サイドを突破してグラウンダーのクロス、カボレが中澤の前に入ったがシュートをわずかに合わせきれず。23分、徳永が左→右へ見事なサイドチェンジ、ボックス内での平山のポストプレーから石川のシュートを藤ヶ谷がはじくが、こぼれ球に詰めたカボレがキックミス。25分にはボックス手前でのルーカス・バレーのパス交換から加地がミドルシュートを撃つもバーの上。

ガンバは体力温存というより早くも足が止まってしまった印象。選手間の距離が開いてしまい、ユルいつなぎは浅利や羽生の好餌に。次第にバレーや山崎を狙った縦のボールが増えていくが、大半は今野と佐原がはね返す。サイドでは安田の攻撃参加を長友が粘り強く封じ込めるようになっていた。「さあ勝ち越し点はいつだ」とさえ思える雰囲気である。30分、左に流れた平山からスルーパス、カボレが抜けてシュートするも藤ヶ谷セーブ。

しかし、あと一崩しが足りないのが最近の東京。この日も例外ではなかった。33分と35分には深く攻め込んで平山・石川がミドルシュートを撃つがいずれもバーの上。36分には平山が長駆ドリブルで持ち上がってボックス内で倒れるも、これはシミュレーションの判定。その後もフラフラのガンバ相手にスイスイと広く回しながら決定機をつかめず、ロスタイムのFKも徳永が狙って大はずれ。結局、同点のままハーフタイムへ突入してしまう。


後半になるとガンバは山崎に替えて「異能のクロッサー」佐々木を投入。全体の運動量自体は上がらないものの、、彼の存在がアクセントになって左右のパス回しは復活し、前半の後半に比べれば互角に近い攻防に。47分、橋本の浮き球でルーカスが右サイドを抜け、グラウンダーのクロスが走り込むバレーに一歩合わず。54分にはスローインから石川が右を突破、えぐってカボレを狙うクロスはDFとGKが折り重なるように防ぐ。

ここで、弱いながらも雨が降り始めた。7月のナイトゲームを戦う両チームには慈雨だったかもしれない(メインスタンド以外のお客さんは困ったろうけど)。東京は石川に替えてエメルソン投入。58分、ワンツーから佐々木が徳永を振り切ってクロス、塩田が横っ跳びではじき出す。佐々木はここまでにも何本か鋭いクロスを入れていて、その能力の一端は見せていたのだが、しかしこのプレー以後は警戒した東京のダブルカバーにあって消えていく。

64分、ガンバがボックス右でFKを獲得、二川のクロスにルーカスが合わせるが今野が競りかけてしのぐ。この時間になるとどちらも体力的にキツかったのだろう、攻撃を作ろうとはするのだが前線での動き出しが全く足りず、出しあぐねる場面が俄然増えた。68分には中盤でパスコースを失った平山が横パスをカットされ、バレーのドリブルシュートがポスト左上を越える。そして時が経つにつれますますフリーランニングが減って膠着状態に。

75分、ガンバ陣中央でキープしたカボレが突如反転シュート、ポスト右を抜けた。中盤守備の圧力もすっかり落ちているので双方ともクロスや勝負パスまでは持ち込むシーンもあるのだが、飛び込むアタッカーに全く鋭さがない。じりじりとした時間が続き、ようやく両チームが動いたのは81分になってから。東京は羽生に替えて赤嶺、ガンバはすっかり消えていた安田と佐々木を外して倉田と下平を入れてきた。機能したのは……ガンバの方だった。

東京が3トップ気味にしたところで判断力と機動力に優れる倉田が入り、中盤はガンバ優勢に傾く。82分、ワンタッチのパス交換でルーカスが徳永の背後へ抜け、シュートはわずかに枠外。45分、倉田のラストパスで二川がボックスへ突入、シュートは塩田の正面。ロスタイムには、カウンターからボックス内へ走り込むバレーへパスが通るもシュートは当たりそこね、さらにバレーのポストプレーで倉田がDFライン裏へ抜けたがシュートを塩田がストップ。

絶体絶命の状況だったが、しかし東京にとっては幸いなことにここで試合終了の笛が鳴った。試合全体を振り返れば、勝点1を得たと言うべきか、勝点2を失ったと言うべきか。



前回の観戦記の最後に書いたように、案の定(といっては失礼だが)浦和・鹿島と比べればガンバには「脇の甘さ」があり、つけいる隙は大いにあったように思う。前半の中頃から終わりまでのガンバの選手たちのグダグダぶり、集中力の欠如を考えれば「あそこで1点とっていれば……」という感じだが、まあ試合の最初と最後にはチンチンにされたことを考えると、案外引き分けというのは妥当かという気もするし、負けなくて良かったという見方もあり得るだろう。

ここ4試合結果の出ていない中で、先発メンバーをいじってきたのは良かった。相手のSBのタイプに応じて長友を右に、徳永を左に置いたあたりは城福さんらしい柔軟な采配だし、今野のCBもクロス対策という意味では当たったように思う。先制点の場面はサイドからやられてしまって残念だったが、以後のサイドの攻防は(梶山の適確な配球もあって)全体的に東京の方が押し気味で、それがピッチ全体の優勢にもつながっていった。

ただ、残念だったのは、結果論からの感想になってしまうけど、やはり選手交代で立ち後れたかな、と。異能の選手・佐々木には決定的な仕事をさせなかったものの、終盤ガンバの倉田投入策=中央攻撃強化(これも遅いっちゃ遅いのだが)について行けなかった。暑い中での試合で交代枠を余らせてしまったのも疑問だし、個人的には後半のどこかで信男さんを入れて勝負してほしかったな、と思う。消耗しきる前に手を打ってほしかった。

個々の選手を見ると、塩田はキックは不安定ながらセービングは○。徳永はやはり左の方がいいかも。長友は6分くらいの出来か。佐原は上々。今野は相手に応じてCBとMFで使い分けていくべきだろう。浅利と羽生は前半の優勢に貢献。特に羽生は、ガンバのMFの3倍くらい走っとった。梶山も地味によく動いていた。石川はキレが戻ってきた様子。カボさんはスランプ。エメや赤嶺はバテる味方の中で孤立。平山は……やっぱりシュートのところがなあ。

まあ、カボレの不調と平山のストライカーとしての冬眠が得点力不足に結びついているとも言えるし、見方を変えればFWが点をとれなければ駄目、という状況はそれはそれで「ムービング」には遠いのかな、とも思ったり。次の相手は京都か。3日前にあれほど強さを痛感した鹿島が今節京都に負けてしまい、「なんじゃそりゃ?!」と正直困惑しているのだけど(そういや加藤九さんカシマスタジアムにいたな)、無茶苦茶強かったらどうしよう(笑)。
 
 
試合前には『東京ヤクルトスワローズタイアップ!!』ということで、つば九郎一家(?)とDDSというグループが来ていた。こうして見るとつば九郎って、けっこう可愛い。DDSのお姉さんたちの太ももと踊りも良かったっすね。応援メッセージくれたヤクルトの石川選手も感じよかったし、この手の企画はドンドンやってもらいたいもんである。そういや今年はまだ神宮球場に行ってないな。「ビヤパークチケット」という魅力的なものを見つけてしまったのだが……。

つば九郎が「つばみ」ちゃんという女の子(妹だそうな。ちなみにユニフォームを着ているのは燕太郎(えんたろう)ね)を連れてきてたんだけど、つばみちゃん、メインスタンドの前でスカートたくし上げたりしてたようにみえたが……あれええんかいな(笑)。大宮アルディージャのバカップル系マスコットに続いて、こちらはエロ系マスコットってか。担架に寝っ転がってふざけたつば九郎の頭を引っぱたいて、ツッコミ入れたのもナイス(笑)。

あと、忘れちゃいけないのは、この日の観客動員のこと。平日の夜で2万7千オーバー!19:30キックオフというのはヒットなんだろうし、国立開催だったのも良かったのだろう。都心で働いている身としては、このパターンだとまことに助かるのは間違いない。平日については「19:30から霞ヶ丘で」を基本にしてくんないかな。ダメ?
 

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