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2008年06月07日

●ホントに抽選になったら…(笑)

さて、いよいよ明後日はナビスコ杯グループリーグの最終節ヴェルディ戦、今季3度目の「東京ダービー」である。現在首位清水に続く2位につけている我らがFC東京だが、今回のナビスコはACL出場の鹿島とガンバがシードされているため、グループ2位の4チーム中2番目の成績を収めないと決勝ラウンドには勝ち上がれない。

仮に東京も含めて各組の1・2位チームが全て勝つとすると、グループA2位の神戸は勝点13、グループBの東京は12、グループCは1位2位対決だが、仮に2位の川崎が勝ったとしても勝点9、グループDの大分は勝点12となる。つまり、東京としてはヴェルディには当然勝たなければならないとして(引き分けでも可能性がなくはないけど)、九石ドームで大宮と戦う大分の成績にも決勝ラウンド進出の可否が左右される、ということだ。

面白いのは、東京と大分が現在勝点8、得点8失点5と全くの同成績であること。しかも、ともに既に決勝ラウンド進出の望みが絶たれている相手との対戦だ。Jリーグ公式サイトによると(つーか「FC東京■景気動向指数」が教えてくれたところによると)、2位同士が同勝点の際の順位決定方法は(1)得失点差(2)総得点数(3)抽選なのだそうだ……え、抽選(笑)?

昔はどうだったか知らないが、少なくとも今どきのサッカーで勝ち抜けが抽選で決まるというのはとても珍しい。組合せなら、暖かいボールとか冷たいボールとかジョゼさんのチェルシーは必ずバルサと(以下略)とか、まあ色々あるけどね。これが決勝ラウンドなら(ホーム&アウェイのイコールコンディションは崩れるにせよ)延長戦をやればいいのだが……考えてみれば、確かに異なるグループ間での順位付けってのは難しいよな。


参考までに書いておくと、フットボールとしてのルーツは共通ながら異なる文化的発展を遂げたラグビーの場合、「抽選」は珍しいものではない。最近でこそ国際大会等では延長戦も行われるようになったものの、昔はトーナメントでも「80分間で同点の場合は抽選」というのが普通のことだった。試合は事前に決められた時間の中で決着をつけるべく全力を尽くすもので、そこで優劣がつかなければそれこそ「ノーサイド」という(消耗も激しいし)。

僕の観戦歴の中で最も印象的だったのは、1986年のラグビー大学選手権決勝。雪まじりの雨が吹きつける中、上田監督率いる慶応と北島監督率いる明治が死闘を繰り広げた一戦。悪天候でオープン攻撃が封じられた慶応に対して明治が優勢に試合を進め、スクラムでトライを奪い、なおもゴール前で攻め続ける展開。しかし慶応は魂のタックルで耐え抜き、PGで追いすがってついに12-12の同点で試合終了。

今ならトライ数の差で明治優勝となるところだろうが、当時は両校優勝。で、抽選で日本選手権(これも現在とは異なり一発勝負だった)進出が決まるルール。本当なら試合後すぐに抽選が行われるところ、「せめてその日だけは両チームに優勝の喜びを味合わせてやりたい」という上田監督の提案で翌日にくじ引きが行われることに。くじを実際に引くのは、これもラグビーらしく両校のキャプテンとなっていた。

どうしてそうなっていたのかはわかれないけど、そのくじ引きがまた複雑で、確か「ジャンケンで予備抽選を引く順番を決め、予備抽選の封筒(右か左か)を選ぶ。そしてその封筒内に書かれている先後の順番で本抽選の封筒を選ぶ」とかいう仕組みになってたんだよね。

生島淳さんの『慶応ラグビー 百年の歓喜』によれば、慶応の面々は決勝の晩に酒盛りをしながら中野キャプテンを囲んで「作戦会議」をしたんだとか(笑)。「グー、チョキ、チョキ、右、右」だったかな。確かそんなところまで決めていたそうな。まあ、いくらくじ引きとはいえ、いやくじ引きだからこそ、意味があるかどうかはともかくそうでもしないと引く人はたまらなかったんだろうね。ここら辺、サッカーで言えばやはりPK戦に通じるものがあるかな。

で、結局当たりくじを引いたのは慶応。明治の南主将は帰り道、車の中で大泣きに泣いたらしい。そりゃそうだ。しかも最大の窮地を「幸運」でしのいだ慶応は日本選手権でトヨタ自動車を見事撃破(ちなみにトヨタの社員だった上田監督はこれがもとで退社)し、今ではほとんどあり得ない「大学生の日本チャンピオン」に輝いたのだった。明治が日本選手権に出ていたらどうなったかはわからないにせよ、紙一重の世界だったのは事実だろう。

今でも、国内大会はトライ数まで同じとかだと抽選で勝ち抜けを決めるのが普通じゃなかろうか(ここら辺は最近のルールに疎くなっているので、間違ってたら教えてくんろ)。僕は既にサッカーに半分足を突っ込んだ男(笑)なので、同点だと普通に「延長戦やれよ!」と言いたくもなるのだけど、選手たちの消耗を考えればそれは実はかなり無理な注文だし、まあ同じ蹴球でもちょっと異なる世界もあるよ、ということで。


ともあれ、今回一番良いのは、抽選にならないようヴェルディに大差勝ちすることだ。それには誰も異存はないだろう。ただ、そうはいっても思い通りに行かないこともあるわけで。ウチのカミさんなんかは「監督が男前の方が勝ち抜ければいいのよ!」などとムチャクチャ言ってるんだけど、大分もシャムさんだからなあ。タイプは違うけど、城福さんに負けないくらい男前でないかい?そういう意味では西野さんも強敵だが……って、何の話だっけ。

しかし、抽選ったって、どういう方法でやるんだろうな。自分の応援するチームの事でなければ、1回くらいその様子を見てみたいような気もするんだよね。公開ってのは難しかろうが……当日やるのか後日やるのかによってもやり方は違ってきそうだ。Jリーグの事務局が勝手にやっちゃうってことはないよね?まさかジャンケンってこともないだろうな(ブラジルにジャンケンってあるのか)。くじ引きなら、城福監督か、あと藤山とか妙に強そう(笑)。
 

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コメント

「監督が男前の方が勝ち抜ければいいのよ!」

わはは!朝から大笑いさせて頂きました

>「監督が男前の方が勝ち抜ければいいのよ!」

準々決勝は本当にシャムさんトリニータとの対決になり、さらに大笑いでした(笑)。

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