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2008年04月02日

●うち2点差くらいは10番の差 (横浜Fマリノス×FC東京 テレビ観戦)

J1第4節は結局三ツ沢まで足を運べず、BS-iでテレビ観戦。横浜Fマリノス 3-0 FC東京。ここまでリーグ戦出入りの激しい内容ながら3戦負けなしと、ファン・サポーターの期待を大きく膨らませてきた新生FC東京。中2日でのアウェイという厳しい条件でどれだけやれるかが注目だったが、こちらも桑原監督の下で再生が進んでいるマリノスを相手に3失点であえなく撃沈。今季初の完敗を目にして、ちょっと笑顔に往復ビンタはられた気分(笑)。


東京は中盤に梶山が復帰。カボレ・大竹を控えに回し、平山・森村・川口・佐原を先発させるまたまた今季初の布陣。この手の「抜擢」にももうあまり驚かなくなってきた。6分、羽生とのパス交換で前に出た森村がミドルシュート、GK榎本横っ飛びで弾き出す。8分、大島目がけたアーリークロスで東京のCBが重なりかけ、ボックス内でフリーになった松田の足下にボールが落ちるが、シュートは宇宙開発。10分に山瀬が放ったミドルシュートは塩田がキャッチ。

今シーズンの横浜は初めて見たのだが、連戦を考慮したのかそれとも昨年の早野流とは違うということなのか、あまりきついプレスをかけてこない印象。まあ、東京の方も前目の寄せが弱く見えたし、選手起用を見ても消耗が気になったのは確かなのだろう。とにかくそのせいで、最初は東京が比較的つないで攻め、横浜が山瀬・ロペス・ロニーで逆襲、という形に。復調の今野が中盤の底を走り回ってピンチの芽を摘む。14分、羽生が早いリスタートで左からクロス、ファーに森村が飛び込むが惜しくも合わず。

しかし、今日の東京はいわゆるバイタルエリア付近でのアイデアと連携を欠いていた。「アタッキングサード」で攻めあぐんでいるうちに気がつけば20分を過ぎ、次第に横浜のパスワークが縦横に動き回る山瀬を中心として機能し始め、押される東京は後ろの選手とアタッカーとの距離があいて味のない縦のボールが増えていく。22分、ロペスのスルーパスで山瀬がボックス内に突入してゴールに向きかけた場面、猛然と戻った今野がかろうじてカット。

34分、縦方向のワンツーで抜け出した田中隼がボックス脇で倒されてFK。クロスはかろうじて塩田が弾き出したものの、そのプレーで肩を負傷した茂庭が外に出ている間に山瀬が強烈なミドルシュートを枠に飛ばし、塩田が横っ飛びで何とか防ぐ。38分には梶山のミスからボールを奪われ、カウンターからロペスにシュートを許す。東京はなかなか前に進めない中で梶山にボールが集まってしまい、しかもその梶山が冴えないプレーを連発。「これじゃ昨年に逆戻りではないか……」という感じ。


後半、東京は森村に代えて大竹を投入。森村は攻守にバランス良くやっていたように見えたが、パス攻撃の煮え切らなさに業を煮やした、というところか。ところが、その途端に横浜が先制。46分、中盤でパスを受けた山瀬が一気にボックス内まで突進、立ちふさがる茂庭をスパッとかわしてシュートを左隅に突き刺した。茂庭に怪我の影響があったのかどうかはわからないが、しかしその前にチェックに入るべき選手はどこに行っちゃったのよ、という失点だった。

これで勢いに乗ったマリノスはたたみかけにかかる。47分、山瀬とのパス交換からロニーがシュート、塩田キャッチ。5分にもロペスのクロスに合わせたロニーのシュートがポストわずか左に外れた。得点につながった山瀬の独走もそうだが、横浜のパスが中盤をスイスイと通っていく。東京は川口OUTカボレINで立て直しを図る。53分、長友のクロスを平山が落とし、大竹がつま先でボールを浮かせて寄せる松田をかわし、ボレーシュート!しかし、惜しくも榎本のビッグセーブに阻まれてしまった。

大竹のラブリーなプレーをきっかけに、東京は前がかりに。だが、次の得点も横浜。56分、横浜が連続でCKを獲得、右からのショートコーナーで山瀬が左足のクロス、これがニアに走るロペスにピタリと合い、叩きつけたヘッダーが左隅に決まった。0-2。59分には今野からDFライン裏への浮き球にタイミング良く平山が飛び出し、榎本もかわしてゲット……と思ったところでハンドの判定。残念だが、スローで見たら確かに手でボールを押していた。

東京もめげずに攻めるのだが、動きの連携が不足した状態のままでは強力DF相手に苦しい。大竹や長友が仕掛けてははね返されるシーンが続き、そのうちカボレが下がってきて組み立てようとしたり。うーむ。65分、佐原のユルい守備から大島が突破してクロス、フリーのロニーがヘッダーを撃つもバーの上で命拾い。72分、徳永の高速クロスがこぼれたところ、走り込む梶山がシュートするもバーのはるか上。75分にはボックス前で平山→カボ→大竹とつないで今野がミドルシュートを撃つが、ポスト右を抜けた。

78分、東京は消えていた羽生に代えて浅利を入れ、今野を前に出そうとする。対する横浜はロニーOUT坂田IN。これが当たった。坂田は精力的にボールを引き出し、スピードでグイグイと東京DFを押し込んでいく。85分、ロングボールを平山が落とし、カボレがつま先で浮かせて撃った反転ボレーもわずか右に外れ。後の時間帯は横浜がチャンスを量産し、ゴール正面どフリーのシュートを坂田がふかして笑わせてくれたりもしたが、最後は山瀬のひっぱたくようなミドルシュートがゴール左隅に決まってジ・エンド。


しかし駄目駄目な試合だった。相手の強さを差し引いても、おそらく今季最低の内容だろう。

前半は横浜も慎重な戦いぶりで、少なくとも中盤ではけっこう「やらせてもらってる」感じがあったのに、「お付き合い」したわけでもあるまいがどうにも煮え切らないサッカーになってしまった。人もボールも全然動いておらず、「引き分けでも良し」か?と思ったくらい。梶山経由であろうがなかろうがボールが動けばそれでいいのだが、冴えない梶山にボールが集まるというのは最悪の状況である。それでリードされてから開き直って攻勢、って。2007年か(笑)。

個人の出来に目を向ければ、両チームの「10番」のプレークオリティの差が際だった試合だった。2ゴール1アシスト、キレキレの動きで好機を演出した山瀬の素晴らしさは書くまでもない。一方梶山は……パスのブレぶり、味方の意図の読めなさぶりまでは置いておくとしても、パスして動き直しをせず、目の前でボールを奪われて取り返しにいかない場面が続いたのには愕然。元々ニブい選手ではあるのだが、今日はまた一段とひどかった。体調不良なのか、それとも。

まあ、ガーロ監督の時もそうだったけれども、やっぱり基礎ができていないチームというのはどうしても浮き沈みが激しくなっちゃうものなんだろうな(06年、感動の甲府戦の後のグダグダ大宮戦や、大勝セレッソ戦の次の完敗広島戦を思い出す)。本当ならば慌てないでこの経験を生かせればそれでオッケー、なはずなんだけど、次はなにしろ札幌戦。勝点3がほしい「稼ぎどころ」、修正の難しい中2日でどういう策を用いるのか、城福采配が見物であったりもする。

赤嶺は出られるのかな?とにかく次だ、次。
 

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コメント

現地観戦組です。

ともかくチグハグでした。中盤から前にボールを運べず、肝心な梶山はタメどころか、判断が遅くて流れを止めてばかり。

川口も平山も長友も頑張っているのに、孤軍奮闘状態。
中盤に下がって組立に入るカボレに、ルーカスの姿がタブリました。

この内容だと次節札幌戦はキチンと勝たないと、ズルズル行きそうな雰囲気でした。

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