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2007年12月18日

●日曜日、濃密な4試合

日曜日は、午前中からでかけてサクッと用事をすまし、あとはひたすら家でラグビー観戦・サッカー観戦に没頭。味スタ詣でにいそしむ(今年はあまりいそしまなかったが)シーズン中とは違った形ながら、シーズンオフ(いや、まだオフじゃないか(笑))もまた忙しいのである。たまにはテレビ観戦のレビューなど。
 
 
神戸製鋼 14-31 サントリー (ラグビートップリーグ@JSPORTS)

リーグ戦も折り返しの第7節、首位への挑戦権をかけた2位と4位の対戦。序盤から神鋼が徹底したパント攻撃を繰り出し、サントリーがもたついて前半半ばまではスコアレスの展開。慣れない屋根付きスタジアムに加えて神鋼の厳しいプレスも効いたのか、サントリーはSO野村やFB有賀にミスが目立つ。まあ、ここら辺はやるな平尾、という感じ。

しかし、それでもサントリーは「強くて速い」CTBを核にパスをつないでリズムを整え、20分以降は着実にトライを重ねていく。圧巻だったのは後半早々、ニコラスから近場を弾丸のようなスピードで追い越す平へのオフロードパスが決まって、独走トライ。これは鮮やかだった。神鋼もNO8伊藤の力強いラン等で反撃するも、劣勢は否めず。17点差でサントリーの勝利。

終わってみれば順当な結果、というところか。神鋼は戦い方に工夫はあるけれど、いかんせん地力不足という印象。現状は後藤や今村、ホラらの個人技頼みの部分が多く、まだ時間はかかりそう(とか言ってて、いつまでたっても完成しなさそうな気もするが)。サントリーは監督が内容に不満の様子だけど、ご自身の油断が怖いんでしょうよ(笑)。次は天王山だし。
 
 
東芝 0-41 三洋電機 (ラグビートップリーグ@JSPORTS)

これは信じがたい結果。ビックリ、である。三洋激強。東芝から41点奪ったのも驚いたが、東芝の0点というのは……あり得んよな。まあ、確かに今季の三洋は意欲的にパス攻撃を磨いてきたし、この試合の内容も圧倒していたのだから、偶然ではないのだろうけども。東芝はホルテンとマクラウドが「楔」になりきれていないような気がするのだが。個人の不調か、それとも。

いずれにせよ、次節の三洋×サントリーは優勝争いという意味でも、「魅力的なラグビー日本一決定戦」という意味でも、非常に重要な一戦となった。……なのに、開催が群馬って、あーた。トップリーグの地方分散開催を一概に否定するものではないけれど、どうもなあ。まあ、味スタでこれまた優勝争いサバイバルな東芝×神鋼があるから、そちらに行くけれどさ。
 
 
ACミラン 4-2 ボカ・ジュニアーズ ('07クラブワールドカップ@日本テレビ)

前半は双方にいい時間帯があり、ほぼ互角の攻防だったように思う。カカーの「らしい」ドリブル突破とインザーギの「らしい」位置取り&シュートでミランが先制した時はどうなるかと思ったが、その直後の気の抜けぶりがまたミランらしい(笑)。ショートコーナーからあっさりパラシオに叩き込まれて同点。どうも、イタリアのチームにしちゃ脇の甘いところがあるんだよな。

ただ、今回は幸いなことに、後半早々セットプレーのこぼれ球をネスタが蹴りこんでリードすることができた。当然ボカには焦りが出てくるわけで、ミランの側には個人技で翻弄する余地が生まれてくる。61分にカカがドリブル勝負からゲット、さらに71分にはセードルフ→カカ→インザーギで勝負あり。4点目が決まった瞬間、立ちつくしたボカDFの姿が印象的だった。

ボカとしちゃあ、やっぱりリケルメが欲しかったところなんだろう。中央でガットゥーゾやアンブロジーニを慌てさせるような崩しができなかったために、結局サイドからの単調なクロスが多くなってしまった。ミラン相手にそれでは苦しい。逆にミランとしては、戦力の充実度からしても、準備の入念さからしても決して負けられない戦いだったのだろう。おめでとうございますー。

つーか、ありきたりな言い方だけど、やっぱり世界の強豪は強いよな。
 
 
リヴァプール 0-1 マンチェスター・ユナイテッド (プレミアリーグ@JSPORTS)

熱い試合だった。とにかく両チームの気合いの入りようが半端じゃなくて、開始から15分くらいなんて「よく怪我人が出なかったな」と思うくらいの激しい戦いに。特にホームのリヴァプールは目の色を変えて攻撃、攻撃、また攻撃……と前がかりになっていたら、ショートコーナーからルーニー→テヴェスに一発でやられてやんの。ユナイテッド好きとしては爽快な展開。

後半はもう一方的なリヴァプールの大攻勢。ユナイテッドはほとんど自陣に釘付けで、ファン・デル・サールは不安定だし、もう「いつやられるか、いつやられるか」とハラハラしっぱなし。リーセやジェラードのクロスをヴィディッチやリオがはね返し、バベルやマスチェラーノの中央突破をハーグリーヴスとアンデルソンが食い止め、の繰り返し。こんなにボコられる姿も珍しい。

しかし、ついに最後までユナイテッドの集中力は途切れず、1点差のままタイムアップ。ある意味「らしからぬ」守備の勝利である。堅守速攻の徹底ぶりはちと極端すぎるような気もしたのだが、相手の勢いに押されたのか、それとも意図的なスタイルだったか。愛読している「0-0」から拝借させてもらって、カテナチオならぬ「だっぺナチオ」(笑)とでも呼びたい戦いぶりだった。

ともあれ、リヴァプールの攻撃といい、ユナイテッドの守備といい、アンフィールドの雰囲気といい、勝利への執着心に溢れた、実に見応えのある試合だった。さすがは伝統の一戦。いつかは「多摩川クラシコ」もこれぐらいも盛り上がってほしいものだ……というのはいささか飛躍しすぎのような気もするが、やっぱりシーズンの中に特別な試合があるってのはいいもんだよね。


いや、なんか、やたら濃密な4試合だった……。

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コメント

トップリーグは今年からちらちら見始めてるんですが、三洋は強かったですねー・・・
東芝-神戸製鋼戦はこっそり行く予定です。

ラグビーはサッカーほど考えずに(今のところは)見られてるので、いいですねぇ。
考え出したらこれも深いんでしょうが。

アーセナルvsチェルシーも面白いと思いました!

>三洋は強かったですねー・・・
三洋は、かつて7連覇時代の神鋼に何度も強敵として立ちはだかった実績もあるのですが、ここ数年はどちらかと言えば地味めなチームでしたからねー。今の激強ぶりにはビックリです。

>考え出したらこれも深いんでしょうが。
深いですよー。はまりますよー(笑)。

>アーセナルvsチェルシーも面白いと思いました!
確かに。そっちは途中経過をちらほら観ただけで、まだ全部通しては観てないのですが、リヴァプ×マンU戦に負けないテンションの高さは伝わってきました。

個人的には、アーセナルはどこかで息切れするだろう(つーか、してほしい(笑))と思っているので、アーセナル勝ちの結果は「まずまず」ですね。

>いずれにせよ、次節の三洋×サントリーは優勝争いという意味でも、「魅力的なラグビー日本一決定戦」という意味でも、非常に重要な一戦となった。……なのに、開催が群馬って、あーた。トップリーグの地方分散開催を一概に否定するものではないけれど、どうもなあ。

特に意識してないと思いますが、これは失礼な発言ですよ。群馬県太田市での開催は地方開催ではなく、ただの三洋ホームの試合でしょう。どちらのチームにとっても特別な縁がないところでの試合ならば(例えば、先日のトヨタ*三洋@甲府など)地方開催と言えるけれども。東京以外は全て「地方」と認識しているかのような東京在住者の傲慢さを感じます。地域密着度合いが少ないトップリーグの中でも、磐田と太田はホームスタジアムの雰囲気を持っている数少ない存在と聞いています。よい機会だから、少し足を伸ばして太田まで遠征してみたらどうですか?結構近いと思うよ。

>潤さん
どうも失礼しました。完全に栃木や甲府での開催と同レベルでとらえてましたね……というより、正直なところ、甲府こそ三洋のホーム的な位置づけなのかと思ってました。

ただ、一つだけ言わせてもらうと、今のトップリーグが「ホーム」という概念をどのように制度の中に位置づけているかがわからないのと、あと動員の面からしたらホームだろうがなんだろうが秩父宮で開催した方が見込めるんじゃないの、という発想があります。特に次はサントリー戦なんだし(そりゃヤマハだったら磐田なんでしょうが)。

極端な話、Jリーグの関東近辺のチームがある時期やたら霞ヶ丘で試合をしていたのと同じで、とにかく動員を伸ばすべき現状(ここの認識も人によって違うでしょうが)を鑑みれば、大都市以外での開催は限定的なものにとどめるべきなんじゃないの?という。これも東京在住者の傲慢さと言われたらそうなのかもしれませんが。

ともあれ、私が書きたかったのは、太田でやることが×なのではなく、非大都市での開催が多すぎるんじゃないの?ということです。書き方が誤解を招いたのであれば、申し訳ない。

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