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2007年12月05日

●信男先生、ありがとう

来季契約非継続選手について (FC東京公式)
 
 
川口信男選手が今季限りで東京を離れることになったとのニュース。残念である。

いや、何となくわかってはいたのだ。今年に入ってからの出番激減。低調なパフォーマンスの多さ。ホーム最終戦後のセレモニーで、娘さん2人を連れていた時の何ともいえない表情。リーグ最終戦、突然の起用に応えてくれた奮迅の活躍。色々と予兆はあったから。でも、やっぱり残念だ。在籍期間は短いながら、「外部出身のベテラン」としてチームに様々なものをもたらしてくれた選手であり、頼りになるプレイヤーであったから。


昨シーズン前に獲得が決まった時は石川が長期離脱中で、単なる「代役」の印象は拭えなかった。しかし、いざ開幕してみると、負傷者の多さもあって出場機会は意外と多く、特に前半戦はチームが新しいサッカーへの挑戦でもがく中、大人のプレーで若い選手たちを牽引してくれた。等々力でGKとの一対一をきれいに決めたシーンや、逆転勝利を呼び込んだ小瀬での活躍は忘れられない。正直「こんな良い選手だったとは」と驚いたものだ。

ジュビロ入団時のようなビックリするようなスピードはもうなかった。でも、精力的なボールの引き出しと的確なプレー選択、そして経験に裏打ちされた状況判断には「さすがベテラン」と唸らされたものだ。文丈といい金沢といい福西といい、全盛期のジュビロに在籍した選手ってのは何か違うものを持ってるんだよね。辛口のウチのカミさんも、当時の信男さんについては「日本一格好いい七三分け」とか言って絶賛しとったな(笑)。


残念だったのは、ややテクニック的にイマイチな部分があった(だからチャンスに決められないことも多かった)のと、体力的にあまり強靱でないのか、コンスタントに出場しているうちにキレが鈍っていくような傾向があったこと。逆に、原監督になってからは石川が復活したこともあり、控えの中でも優先順位が低くなって、出場機会の減少→試合勘の衰え→出場するも活躍できず→さらに機会減少、という悪循環にはまったように見えた。

できれば、もっと2トップの一角として出場させてあげたかったかな。プレーぶりから鑑みるに、倉又-原流の「サイドに張り張りなウイング」よりも、ボールを引き出したり収めたりしながら前線を自由に動き回る方が合っていたのではないかと。右ウイングで石川の2番手というより、FWで赤嶺のライバル(ないし控え)という位置づけの方が正しかったのではないかと思ったりもする。そこら辺の見る目は、ガーロは結構あったと思うんだよね。


ともかく、少なくとも昨年の1年間と先日の甲府戦において、「チームのために戦う」あるいは「役に立つ選手」とは何か、ということについて彼は重要なヒントをくれたような気がするのだ。褒めすぎのような気もするけど、まあ去っていく選手を惜しむにはこれくらい言ってもいいだろう。白い襟付のシャツとジャージが似合いそうな体育教師風の風貌にも敬意を表して(笑)、ここでは「信男先生、ありがとう」と書いておきたい。


しかし、東京はこれで土肥、福西、川口と「生え抜き以外のベテラン」を軒並み放出したことになる。文丈も昨年引退してしまったし、30歳以上の選手は藤山と浅利、金沢くらいか。この冬は新たにベテランないし中堅の即戦力を獲りに行くのか、それとも完全に若手中心のメンバーへの切り替えを図るのか。さすがに年齢のバランスがどうなんだろうと思わないでもないけれど、「刷新」という意味では悪くないような気もしないでもない。

いずれにせよ、とにかく新監督の意向に沿った形で戦力の整備が行われていくことを願う。

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