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2007年10月22日

●グランパスくん、動揺? (名古屋グランパス×FC東京)


昨日の午後は、豊田スタジアムでJ1第29節。名古屋グランパス 0-1 FC東京。「ミドル天王山」などと揶揄まじりの表現で呼ばれたりもしている、中位(よりちょい下)に沈む両チームの対戦。別の言い方をするならば「中位力決戦」といったところか。ホームの名古屋が多くの時間帯でボールを支配しながら攻めきれず、東京が一発の鮮やかなサイド攻撃で1点を奪うお得意の形で勝利し、見事「中位チャンプ」の座についた。


試合展開については、あえて省略。手抜きともいう(笑)。

名古屋はヨンセンへの放り込みと丁寧なビルドアップの組合せ、東京はサイド主体のシンプルな逆襲狙い、と双方自分なりのサッカーで戦った90分だった。それぞれにいい時間帯と悪い時間帯があり、福西の負傷退場後に名古屋が押し込む場面はあったが得点までは至らず、まあ全般な形勢はどっちもどっちな感じ。ただ、あえて勝敗を分けた要因を探すとするなら、選手のコンディション、特に精神的なものかもしれない。

名古屋は序盤こそオランダスタイルにありがちな「ボールは回れど、進まず」状態だったのが、ヨンセンの足下にボールが収まった前半途中からは比較的いい流れに。しかし、後半になるとなぜかチームのテンションが落ち、失点以降は攻守ともに意志の疎通と集中力を欠いたプレーを連発。藤田投入で立て直しを図るもバラバラ感は最後まで拭えず、やはりフェルホーセン監督退任表明の影響はあるように見えた。

一方の東京は相変わらず巧緻性には欠ける「ファイトボール」ながら、最近の好結果から選手は自信を持っている様子。前目からのチェイス、シンプルなフィード、ウイングの勝負、そして守りの粘りと集中。出来自体は良くないし相手を圧倒する強さはないんだけれども、「できることをやる」という軸のブレなさがある。夏場までの苦しい時期にこれができていればまた結果も違ったのに、とつい思ってしまうのだけれど、まあ……。

要するに、ゴタゴタ進行中のチームと一時のゴタゴタが収まりつつあるチームとでは、選手たちの「確信レベル」に差があるということか。スポーツってのは心を持った人間がやるものだから、メンタル面が大事なのは言うまでもない。とはいえ、プロだから、ちょっと、ね。

57分の決勝点は実に見事だった。今野から左サイドの規郎→金沢とつないで、その外を今野が大きく弧を描いてオーバーラップ、DF増川が戸惑ったところで金沢が絶妙のスルーパスを通し、ゴールライン際までえぐった今野が上げたクロスにルーカスが飛び込んでゲット!!あそこだけ別のチームになったんじゃないかと思うような、美しい流れのゴールだった。こういうのがずっと見たかったんだよ……ようやく見られた(笑)。

個々の選手では、まず塩田の活躍か。ヨンセンの強烈なヘッダーを弾き出したプレーは、考えようによっちゃルーカスのゴールよりも重要だったかもしれない。他にも好セーブがいくつかあり、どフリーの決定機にMF金が腰砕けになる幸運もあったにせよ完封は立派なものだ。あと、終盤出てきた平山がけっこう足で勝負しようとして、角度のないところからポスト直撃のシュートを撃ったのにはワクワクした。藤山はちょっといっぱいいっぱいかな。



しかし、名古屋は毎度のことながら監督交代でしくじってしまうのね。今季はもう半ば捨てているのかもしれないいが、あれだけいいスタジアムがあって良い選手も呼んできて、「本当にこれでええんかいな」と思ってしまう。超余計なお世話かもしれんけれども。次の監督はストイコビッチ?名古屋在住フットボール賢人の森末さんとも話したのだが、どう考えても「サッカー的発想」から生まれた人事ではなさそうなのが何とも。

で、他人様の事ばっかり言ってる場合じゃなくて、東京も来年の監督はどうするんだろうか。フェルホーセンに引き続いて横浜の早野さんも退任なんて報道も出てるのだが……。名古屋の例を見てもわかるように、早めに表に出る事は微妙なんだけど、しかしファンとしては気になるよなあ。ここ数試合の好成績で監督交代をやりづらくなったのは確かだが、これまでの経緯を考えれば個人的には「もう勘弁してくれ」である。うーん……。

などど思っていたら、スポーツ紙にはこんな記事が。ほう。
 

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