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2007年09月23日

●『Summer Time Blues ~沈黙の夏~』


金曜日の夜は、新宿のシアターアプルで『コンドルズ日本縦断大轟音ツアー2007 Summer Time Blues ~沈黙の夏~』(長いな(笑))。僕にとっては、コンドルズも珍しいキノコ舞踊団と同じく、一昨年の写美の展覧会『恋よりドキドキ』ではじめてその存在を知ったダンスカンパニーである。公演を観るのは初めて。


前売完売の大盛況。入場して会場のおそらく8割くらいが女性客で占められているのを見たときはどうしようかと思ったのだが(笑)、そんなことは関係なしの面白さだった。踊りだけでなく、コントあり、演奏あり、映像ありの内容。そして笑えて、驚かされて、おまけに感動もできて……完成されたエンターテイメントという感じ。

実は前にWOWOWで公演(おそらく『TOP OF THE WORLD』)を観た時、確かに楽しいことは楽しかったんだけど、言葉を使ったコントがあまりにも多かったのが気になっていたのだ。大げさに言うと、本来中心となるべき踊りの身体表現としての魅力が損なわれているというか。「これじゃコメディアンじゃん」みたいな。

でも、今回は「沈黙の夏」というタイトルだけに、冒頭のコントとクライマックスの一幕を除いては全く言葉を使わず、全て体の動きと小道具による表現。恐らくそれはプラスに作用していた。絶妙の構成と魅せる演出、キレの良い踊りとギャクにセンスの良い選曲。2時間の間、文字通り時間を忘れて楽しませてもらった。

特に良かったのは、小林さんのヨーヨー技(これはこれで凄い)をメンバーが肉体で再現する場面と、座禅を組んだ山本さんが宙に浮いて分裂する場面、あとは石渕さんのナルシシズムに満ちた三角形面積公式表現かな。って、文字にしても全然わからないな、こりゃ(笑)。ああ、あと、近藤良平さんのダンスはマジで凄かったわ。

しかしホントいい感じである、この人たちは。各々きちんとキャラが立っている(チビデブハゲに二枚目に怪人、全部揃ってる(笑))し、全員が学生服を着ているというのがまたいいじゃないか。ガクランとは、日本人の情感をくすぐるアイテムなのである。たとえ着ているのが30代~40代のオッサンたちだとしても。


まあ、前にも書いたけど、とにかくダンスの根元的な魅力なんてのは文字で伝えるのが困難極まるものであって、現物を観てもらうのが一番には違いない。とはいえ、あまりに面白かったのでこうしてブログに書かずにはいられないという(笑)。コンドルズおそるべし、である。次の公演は来年2月か……。また観に来よう。

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