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2007年09月22日

●完敗 ('07ラグビーW杯 日本×ウェールズ)

昨日は、朝の4時前に超早起きしてJSPORTSでラグビーW杯グループB。日本 18-72 ウェールズ。必勝を期して臨んだフィジー戦に惜敗し、後のなくなったカーワンジャパン。3試合目は敵地カーディフに乗り込んでアップセットを狙ったが……ウェールズの「本気以上モード」にあえなく返り討ち。高速パス交換に翻弄され、実に11トライを奪われる大敗となってしまった。仕方がない、これが今のジャパンの実力である。


立ち上がりは日本の前に出るタックルがよく決まり、ウェールズがノックオンを連発。4分に大西のPGで先制、11分にタッチキックのミスからトライを奪われるものの、密集でもターンオーバーを奪うなどジャパンの健闘が続く。19分には相手ラックから大野が出足良くボールを奪ってカウンター、ロビンス→大西→今村とパスがつながり、最後は遠藤がタックルを受けながら飛び込んだ。理想的な攻撃による素晴らしいトライ。ここまでは最高の展開である。

ところが24分、左タッチ際で今村がパスフェイクに引っかかって独走トライを許してしまい、ここからウェールズが勢いに乗る。不成績に批判が高まっているというウェールズは汚名返上を狙ってか、過剰なまでに冒険的なパス回しでジャパンを翻弄。特に、豪州戦でもそうだったが日本の防御はキャリアーと交差するように方向を変えてくるアタッカーに弱く、しばしば内側を一気に突破されて苦況に陥った。2トライを追加されて11-29でハーフタイムへ。

後半になると一方的なウェールズペースに。日本は守り続けの状況で消耗が相手よりも速く、しかもCTBを交代させた後でもう1人の先発CTB(大西)が負傷する不運も重なった。対するウェールズは交代選手の士気も高く、攻撃の手をゆるめない。速いパス回しでDFラインを破るシーンが延々繰り返された。日本もキック多用からパス攻撃に切り替えて反撃を図るが、選手の動きは重く、SH吉田は相手FWに狙われて潰されるシーンばかりが目立つ。

日本側で唯一光ったのは、小野澤の走りだ。57分、自陣でのインターセプトから次々寄せてくるDFを巧みなコース取りでかわして独走、60m以上を走りきってポスト下にトライ。その他にも幾度か得点の可能性を感じさせるランを見せてくれた。ただ、これはあくまで個人技の表れに過ぎず、チーム全体の劣勢を覆すには至らない。結局、後半のトライ数は日本の1に対してウェールズは実に7つ。最終的には54点差まで開いてしまった。


オーストラリア戦やフィジー戦に比べても、この試合は現状でのベストチームを送り出しての完敗だけに、のしかかってくる重みはまた格別というか。要するに世界の強豪と比べると日本の実力はこんなもん、ということなのだろう。もちろんアウェイであったし(なぜ「フランスW杯」なのに会場がカーディフなのだ)、「こう戦えれば」という部分が多々あるのも確かなのだが、それにしても実力差は明らかだった。選手個人も、組織としても、力が足りない。

結局、トップリーグのレベルをもっと上げて、激しい戦いに慣れる中で代表の底上げをしていかないといけないということなんだろう。あとは日本代表も、背伸びしてでも実力上位の相手との試合を組んでいくことか。言い換えれば、吉田のパスアウトにせよ、SOのゲームメイクにせよ、CTB陣のタックルにせよ、今の国内チームやアジア相手ならば通用するものがW杯になると全然通用しないということ。毎回同じ結論になってしまうのが残念だが……。

希望はある、と思う。例えばFW。オライリー欠場の影響は大きく、この試合ではフィジー戦のようにFW全体として互角以上とまでは行かなかったものの、大野とトンプソンのLOコンビ(個人的には史上最強ではないかとも思う)は素晴らしい働きだった。BKでも、小野澤に加え、遠藤や今村の突進力もある程度は通用しているように思う。当たり前だけど、決して全てが駄目なわけではない。粘り強く強化を続けていくことが必要だ。


とにかく、このW杯はあと1試合。せめてカナダ戦で勝利という結果を残して、気分良く終わってほしいものだと思う。頑張れ!!

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