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2007年09月11日

●極私的「ファンタジスタ」愛好論

馬場憂太選手の検査結果について(09/10) (FC東京公式)
 
 
馬場憂太がまた怪我をした。

先月18日のレイソル戦における負傷は当初全治4~6週間と伝えられていたのだが、予想外に重かったのか(あるいは根本的な不安除去のために?)、明日手術を行うそうである。「関節鏡視下検査」とのことで大きな切開をするわけではないようだが、あるいは今年中の復帰は無理なのかもしれない。非常に残念なことである。

このブログの読者ならもうご存じかと思うけど、僕は大の憂太びいきだ。理由は簡単で、彼のあのツンツンとマイペースな振る舞いがツンデレ好きとしてはたまらない……という冗談はさておき(笑)、彼が、少なくともFC東京においては稀に見る「ファンタジスタ」だからだ。あ、そこの人、笑わないように。こちとらかなり本気ですぜ。

 
「ファンタジスタ」なる言葉からどのような意味を読み取るかは人それぞれだろうが、僕個人の定義としては「プレーから閃き(フレア)が感じられ」「攻撃の最終局面で決定的な仕事ができる」「根っからのアタッカー」だ。必要条件としては視野の広さ(「前が見える」こと)、発想の豊かさ、技術の高さ、そして得点と勝利への意欲、だろうか。

まあ思いっきり期待(ひいき目)が勝っているかもしれないし異論も多々あるだろうけど、僕にとって馬場憂太という選手は、そういった諸々の条件を備えた(あるいは近い将来備えうる)選手なのである。言い換えれば、今のFC東京には「ファンタジスタ」(候補も含めて)と呼びたくなる選手は他にいない、ということだ。

ルーカスは……テクニックはチーム1。でも、フレアは感じられない。梶山は……決定的な仕事はできる選手だが、意外と前が見えないし、配置もやや後ろ目。栗澤は……献身的で周りをよく見て動ける選手だけど、決定力についてはもう一つ。もちろん、これはタイプの違いに過ぎず、彼らは彼らで独自の長所があるのだが(梶山の「得体の知れなさ」とか(笑))。


そんな「ファンタジスタ」がチームにもたらす効用は、大きく分けて2つあると思う。一つは、相手の守備を突き崩す上での決定的な武器になること。もう一つは、ゲームにある種の「華」をもたらしてくれることである。決して不可欠な存在ではない。でも、使いようによっては勝率を上げ、試合を面白くしてくれる選手。それが「ファンタジスタ」だ。

05年後半、それまで低迷していた東京がダイナミックな攻撃を取り戻して無敗街道を走ったのは、憂太の負傷からの復活と無関係ではないだろう。そして、あの時期のサッカーは、当時の戦術的な行き詰まりとは不釣り合いなくらいに熱く面白かったように記憶している。もっと遡れば、「ケリー」の存在に行き着くのは言うまでもない。

今年(昨年も)、どうも東京にしまらない(つまらない)試合が多いのも、チーム作りの問題に加えて、憂太のような選手が怪我等で欠場したり、不十分な体調で出場して本来の実力を発揮できていない(そして代わりになる選手がいない)ことに原因の一端があるのだと僕は思っている(いや、ここら辺はホントひいき目なので、笑って見過ごしてくれ(笑))。

だから、来年へ向けてのチームのベース作りを期待したいこれからの10試合余り、憂太が離脱してしまうのだとすれば、それは本当に残念なことだと思うのである。


「若手有望株」扱いだった馬場憂太選手も、来年はもう6年目のシーズンを迎えることになる。これまで活躍しては怪我、の繰り返しで、その潜在能力を発揮しきれないままズルズルと来てしまったというのがファンとしての率直な感想だ。本当はもっとやれるはずなのに……彼の才能はこんなものじゃないはずなのに……。

本当に、今度こそはじっくりと怪我を治して身体を作り直して、来季は万全の状態で東京の、いやJ屈指の「ファンタジスタ」として君臨してもらいたいと思う。彼が、赤嶺や栗澤や梶山とともに無敵の攻撃陣を作り上げてくれることが、東京の黄金時代へ向けた最短の道であると僕は信じている。つーか、少なくとも来年はチームにいてくれよな(笑)。


……と、気恥ずかしい憂太ラブラブな記事を書いてしまったところで、面白いエントリー↓があるのを思い出した。また兄貴のブログで恐縮ですが。

夢見るチカラ (世界のcanchaから)

満面の笑みでFC東京のユニフォームを着ているジャンフランコ・ゾラ(笑)。いや~、確かにゾラって「ファンタジスタ」の典型みたいな、本当にいい選手だったからね。チェルシーのサッカーも、アブラモビッチ買収前のゾラがエースだった時代の方が、少なくとも面白さや楽しさについては上だと思うから。人柄的にも文句なしだし。

えーっと、ゾラは今40歳くらいだっけ?冗談抜きで、今シーズンの残りだけでも現役復帰して東京へ来てくれんかなあ……とか夢想したりするのだが、どう考えても無理か(笑)。というより、来たとしても使いこなせないか、今のチームじゃ。
 

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コメント

>本当はもっとやれるはずなのに……彼の才能はこんなものじゃないはずなのに……。

激しく同意。ユウタがエースとして1年間働いてくれればなぁ~といつも思いますね。

でも、この通年怪我とお友達状態の現状では怖くてユウタ中心のチーム作りはできないでしょうね。

ゆえにジョーカーとしてポイントポイントで流れを変える役割に落ち着くんでしょうね。

う~む持てる才能に比べてつかい方のもったいない選手だ。

今まで東京の10番を背負うのはユウタか梶山か迷うところでしたが、今回の怪我で僕の中で決着はつきました。

まったく同感です。
>まあ思いっきり期待(ひいき目)が勝っているかもしれない
という部分も含めて。

こんばんは。
私も馬場に期待するところは大きいです。
他にはない雰囲気を持った選手ですし、チームとしての構成を考えると、彼がいるいないの差は大きいですよね。
誰もがそのポテンシャルを認めるからこそ、どうしても周囲の目も厳しくなってしまいますが、いつかシーズンを通して彼が東京の攻撃を牽引したら、それがどのように形作られていくのかを見てみたいものです。
やはりチームが少しばかり急ぎ過ぎてしまった部分もあったんでしょうか。

ツンデレ比率はどれ位ですかね(笑)

何にせよ噛み合った時は無敵級とも思える気はしますね。
前に置いた方がタメが出来て機能する場合多いっすよね。
焦らずしっかり直す様にして欲しいです。
個人的には14番はクライフな番号なのでそのままが希望です。

自己レス

梶山まで怪我をしてしまうとはOrz

>う~む持てる才能に比べてつかい方のもったいない選手だ。
才能対効果が悪い、とでも言うのかねえ。

>いつかシーズンを通して彼が東京の攻撃を牽引したら、それがどのように形作られていくの
>かを見てみたいものです。
完全同意です。すごいことになりますよ、きっと。初優勝は憂太とともに、が私の夢。

>個人的には14番はクライフな番号なのでそのままが希望です。
まー、個人的には10番背負ってほしいんですけどね。おっしゃるとおり、14番もいい番号ですから、それはそれでいいかなと私も思います。

文丈路線で行くとすれば、10番は栗澤あたりかな。

>文丈路線で行くとすれば、10番は栗澤あたりかな。
どもです、何故か東京では10番は鬼門なんじゃないかと…埼スタの芝が恨めしい。
クリ10番は有りなんじゃないかと思います。
ユータが14番背負ってから意外と長いってのも有るんですが。
10番と言えば「卒業」たまに読みたくなりますね。http://www5e.biglobe.ne.jp/~yuki-t/index.html

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