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2007年09月13日

●「弟」もやったぜ!! (北京五輪最終予選 日本×カタール)


昨晩は、国立競技場で北京五輪最終予選。U22日本 1-0 U22カタール。前節サウジでのアウェイゲームを引き分けで乗り切った(?)若き日本代表。今度は初戦でそのサウジ相手に勝利を挙げているカタールをホームに迎えた。今後の日程を考えれば是非とも勝点3が欲しい「勝負の日」だったが……苦戦しつつも、望み通り勝利することに成功。サッカーの内容はともかく、彼らが戦える集団であることを確認できた試合だった。


前半開始直後、いきなり水野のミドルシュートがポストわずか左を抜ける。続いて6分、右サイドのFKを水野が高い弾道でゴール前へ。中途半端に飛び出したGKの目前で梶山がDFに競り勝ち、ボールはGKの脇を抜けてゴールイン。梶山らしい、身体の強靱さをいかんなく発揮したプレーだった。まだ両チームともに落ち着かない時間帯、日本にしてみれば望外の先制点だったことだろう。

その後も前半は、概ね日本がペースを握る。日本は水本・青山直・伊野波と強くて速い選手をDFラインに並べ、カタールのドリブルやクロスを着実にはね返した。ボックス外から撃たれたミドルシュートもGK山本が堅実にストップ。シュート数こそ両チームに差はなかったものの、「危ない!」と思えるシーンはあまりなかったと言っても良いだろう。

リードの余裕もあり、日本はボールを奪っても焦らず後方でじっくり回してから森島へ当て、あるいはMFのパスワークで突破を図る。梶山の判断の遅さが足を引っ張ってるきらいはあったが、それなりにパスは回ってチャンスも作った。34分、左サイド家長のクロスにファーで森島が飛び込んだ場面は決定的だったが、GKが片手一本でビッグセーブ。結局1-0のまま、日本優勢でハーフタイムへ。


後半に入っても日本ペースは変わらない。水野の、伊野波の、森島のシュートがゴールを脅かすも、枠外や当り損ねなどでゲットならず。終盤を楽にするために、ここら辺までで1点奪いたいところであったが……。一方カタールもクロスやシュートまでは持ち込むのだが、崩しきった形でないだけに大半はDFがブロックするか山本がキャッチ。56分の梶山負傷退場も、大勢に影響はないように思えた(下に追記あり)。

形勢が変わったのは68分、本田拓が2度目の警告で退場になってから。数的不利の日本は攻撃の核である水野を下げて小林祐三を入れたのだが、遠目には5-3-1にも見えるような引いた布陣となり、これがマークの混乱とカタールの波状攻撃を招いたように見えた。69分、FKのシュートが壁に当たってコースが変わり、ポストをかすめてヒヤリ。

79分にはボックス内でパスをつながれ日本DFが混乱、メザト・アルマハドと山本が一対一に。思わず目を覆いたくなるような大ピンチだったが、ここはシュートに対して片足を残した山本がビッグセーブ。山本はその直後にも、ハイボールの競り合いでアタッカーに衝突されながらもきっちりボールを確保。結果的にこの時間帯の彼の奮闘がチームを救うことになった。

日本の若者たちは根性を見せる。スピードに乗って攻め寄せるカタールの攻撃に身体を張るDF陣。ピンチを脱して蹴り出されたボールを歯を食いしばって追いかけ、キープする攻撃陣。特に森島はもの凄い頑張りで……本当なら代えてやるべきなんだけど、梶山の負傷で交代枠が1つしか残っていなかった。スタンドからも「耐えろ!」「追え!」「キープしろ!」の声が飛ぶ。

結局、終盤カタールの攻めが雑になったのにも助けられ、日本は1点差を守りきることができた。終了の笛が鳴った瞬間にカタールの選手たちが崩れ落ちたのが、この1点の重みを表していたように思う。



この試合の日本も、内容的にさほど良化したわけでもなく、良い流れの時間が長かった割に1点しか奪えなかったのは事実。でも、「勝たなければならない」試合で結果を出すことができたのは何よりだと思う。とにかくこの試合は勝点3を獲ることがほとんど唯一のミッションだったのだから、それを達成したチームは讃えられてしかるべきである。とりあえずは良かった。

本田拓が退場してこちらが10人になった瞬間、相手が10人になりながら勝点3を獲れなかったサウジ戦の事が頭に浮かんだ人間が、いったい日本中に何人いただろうか(笑)。まあ、そこで「じゃあ日本も守りきってやるぜ!」と思えるか「あ~、やっぱり前節もっと攻めてれば……」と後悔するかは人それぞれだろうけれども。僕は、もちろん後者だったのである(笑)。

でも、そこで日本の選手たちは、期待以上の落ち着きと根性を見せてくれた。これは嬉しかった。クリアは確実にスペースへ蹴り出して、味方の息を整えさせる。アタッカーは苦しくともボールを全力で追いかけ、足下に収められたらサイドへ流れてキープする。当たり前といえば当たり前だが、これまで派手な個人技が取り上げられがちだった年代だけに、こういう戦いもこなせる事が確認できたのは大きい。

これで日本はグループCの首位に浮上した……といっても、まだ最終予選は折り返し地点。後半戦はアウェイが多くなるだけに、まだ気を緩める余裕など全くない、というところだろう。次はアウェイで再びカタールと当たることになる。今度は「負けない」事がミッションになるはずだが、若者たちはどんな戦いぶりを見せてくれるのだろうか。楽しみでもあり、ちょっぴり怖くもある今日この頃である。頑張れ!!


[追記]
上に、梶山の負傷退場は「試合の大勢に影響がないように見えた」なんて書いたけど、全治3~4ヶ月の重傷とのこと。FC東京の今後には影響があるよなこりゃ……。よりによって、殊勲の決勝点をあげた試合でシーズンの残りを棒に振ってしまうとは。気の毒に。
 

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コメント

こんばんは、
梶山もユータも残念ですね…orz
難しい試合でしたが良く耐えたと思います。
軽いプレイ勘弁なとか決めれる時に決めないと…とか何処かのチームを思い出しましたw
ただなりと平山、悔しさはリーグで晴らせ!とかイノハ乙とか

平山、次はリーグでも代表でも「チームを救う一撃」「試合を決める一発」を頼むぜ!!ですね。

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