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2007年09月05日

●『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』

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昨晩は、新宿ミラノ座で『エヴァンゲリヲン新劇場版:序』を観る。説明不要、かつて大ブームを巻き起こしたあの『エヴァ』のリメイク(ということなんだろうな)である。最初は「空いた頃にのんびり行くか!」なんて思っていたのだが、「公開初日には大行列ができたそうだ」「何だかすごい出来らしい」という噂話を聞くにつけ、いてもたってもいられずに劇場に駆けつけてしまった。


壮大にぶち上げた物語をまとめきれず、メタなオチに走ったTV版。広げた風呂敷をやはりまとめきれず、結局物語も登場人物も(笑)崩壊してしまった映画版。それらのコワレっぷっりはそれはそれで良かったのだが、観る側にとってスッキリしない部分があったのも事実。だから、この「三度目の正直」は歓迎したいのだけれど、だからといってクオリティが保証されるわけでもない。観る前は期待半分、怖さ半分といったところだった。

観てみた感想は……「とりあえず、期待していたものは観ることができた」といったところか。

あらすじ的には、TV版とさほど変わらない(小さな変更はたくさんある)。極力説明を省いて最初の「使徒」登場からシンジのエヴァ搭乗までを一気に見せる冒頭。第2第3の「使徒」の襲来。シンジと、ミサトや同級生たち、碇指令との葛藤。そしてクライマックス「ヤシマ作戦」。全体的に展開が速すぎるようにも思えるが、TV版のファンにとっては中だるみがなくていいかも。それにしても「ヤシマ作戦」のエピソードは燃える(そして萌える)な。

リニューアルされた映像はとても美しく、戦闘シーンなどは大画面で観たせいもあって文句なしの迫力。単にキャラやメカの動きだけで見せるのではなくて、地上を走る目線や逆にダイナミックな俯瞰の視点でエヴァや「使徒」を捉えたりと、アングルや構図にとても凝っているのが素晴らしい。そこら辺は、実写特撮もこなす樋口真嗣さんの功績が大きいのだろうか。この人は人間は動かせないけど、絵や怪獣を動かすのは本当に上手い。

あと、個人的には一番重要視していた(?)「綾波萌えシーン」もまずまず。いや、30過ぎた男が書くのも我ながらキモいのだが、綾波レイ好きなんよ、俺(笑)。キャラ設定はTV版とほとんど変更はなく、「あなたは死なないわ」のセリフもちゃんとあるし、「ヤシマ作戦」出撃直前の月を背景にした立ち姿は大画面で観ると息をのむ美しさであった。ただ残念なことに、例の「笑えばいいと思うよ」のシーンはイマイチな出来だったかな。


まあ、物語・絵・キャラの3つについてTV版と旧劇場版のベースラインを踏襲しつつ技術的な改善がなされている本作は、ファンにしてみれば「良い出来で当たり前」とも言えるわけで、問題はストーリーやキャラクター、さらには結末の大幅な変更が予想される次回(「破」)以降である。今回も、旧作では終盤になるまで登場しなかった○○○君や×××が出てきたし、最後に流れた予告編では新キャラや新エヴァの姿もあったような。

不安なのは、パンフレットに「次回2008年公開予定 スタッフ募集中」と書いてあったり、公式HPに「いまだその結末は決定していない完結編」という記載がなされていることか。「二度あることは三度ある」と言うからな……(笑)。完成・公開が延び延びになる(完結は2010年くらいか?)のはいいとして、またしても広げた風呂敷をまとめきらないのだけは御免こうむりたい。今度こそ、物語として完成させるべくして作られたリメイクであってほしい。

頼みますよ、庵野カントク。

 

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