●サッカー選手ははかない……のか?
欧州サッカーのシーズンも終わりということで、e2byスカパー!のセットを変更し、新たに「Jリーグセレクション」と契約してみた。これ、いいね。J1・J2の全試合を主に生中継で放送、しかも2試合程度はハイビジョン放送。スカパー!自前の中継映像ではインタビューやデータの提供が実に充実しており、実況アナも倉敷・八塚・西岡の各氏をはじめ実力派揃い。
そんな環境が整ったせいで、先週末はすっかりサッカー中継漬けになってしまった。スコアレスに憮然とするノブリン。どう見ても風貌がヤクザな平本&山田の奮闘。ジュニーニョの逆襲速攻と鄭のバック転。93分に高橋大輔がサポーターの目の前で決めた、魂のミドルシュート。甲府の守備を翻弄する前田遼一の技巧。そして東京ファン狂喜の規郎・憂太大活躍。惜しくも勝ちを逃したなでしこの日韓戦もあったな。ホント、盛りだくさんだった。
しかし、2日間色々目にした中で最も印象に残ったのは、実は試合中のシーンではなくて、土曜日のJリーグプレビューショー「F.A.」で流れた鹿島アントラーズFW田代有三のインタビューだった。特に、彼が故郷の福岡について嬉しそうに語った部分(出身中学校に後援会ができて、とか)の最後の一言。なんか、ちょっとこれが切ないというか。
「サッカーが終わったら、絶対福岡には帰りたいと思ってますけどね……。」
何の変哲もない言葉なんだけど、「サッカーが終わったら」というフレーズが妙に心に引っかかったのだ。「サッカーが終わったら」かあ。「終わったら」ねえ……彼はまだ若いのに、そう遠くないうちに「終わる」事を前提にしている物言いに聞こえたんだよね。なんつーか、普通のサッカー選手にとっては、その仕事はあくまで期限付きの、いわば卒業すべきものなんだなあ、というか。ちょっと考え込んでしまった。
まあ、当たり前の話ではある。一般的にスポーツ選手が活躍できる期間というのはあまり長くはない。その中でもサッカー選手というのは、陸上や水泳の短距離ほどではないにせよ、その競技特性ゆえに野球やゴルフ、競馬なんかに比べると短い印象がある。大雑把な感覚で言うと、FWだと30を過ぎれば、DFやMFでも32、3になれば「そろそろ」という感じだろうか。そして、引退後も「サッカーで食っていける」人間は圧倒的少数派だ。
高卒の選手でも15年足らず、大卒の選手になると10年程度か。もちろん競争や怪我等の理由でそれ以前に辞めざるを得ない選手は数限りないわけだ。これはやっぱり短い。会社だったら、団塊の世代が抜ければ変わるのかもしれないけど、まだ「30代でも若手」って感じの所はけっこうありそうだ。つーか、僕の今の仕事場がまさにそうだったりする。
となると、普通のサラリーマンに比べりゃ高いけど、実は大したことない給料で働いているJリーガーに対して、僕なんかがあーでもないこーでもないと偉そうに言うのは何だか申し訳ないような気もしてしまう。まあ、んなこと言ったって、試合観てたらまたどうせ色々言っちゃうんだけどさ(笑)。でも、少なくとも、長くもない選手人生を賭けて日々厳しい場所で戦っている彼らに対して、もう少し敬意を持ってもいいのかな、と。
そんなことを考えた時、改めてベテラン、特にカズやゴンちゃん、あと山口素弘のような大ベテランの偉大さも思い知らされる。カズは40歳だっけ?中山隊長は39で山口は38か。うーむ。やはり40まで現役を続けたアマラオも含めて、そこまで頑張った人たちはまさしく「別格」という感じである。野球でも40過ぎてやれる人はほんの一握りの選手だけだからね。先日復帰したヤンキースのロジャー・クレメンスは44だけど……。
あと、そうした観点から僕が今一番注目しているのは、FC東京の浅利悟選手がいくつまで現役を続けられるかということ。前にも書いたかもしれないけど、実は彼は生年月日が僕と同じで、6月10日で33歳になった。いや、ホント個人的な話で申し訳ないけど、最近ちょっと体を動かすと翌日キツくてキツくて(笑)。浅利は未だにバリバリやってて本当に偉いよな。
いちファンの身勝手な思いとしては、あと3年、いや5年は頑張ってほしい(もちろん伊野波らも好きだけどさ)。先日の清水戦(誕生日!)では惜しいダイビングヘッド(!)もあったけど、40歳近くまで引っ張ってからJ初ゴールってのも、なんつーか、かなり格好良いのではないかと。その頃にはきっと僕は彼よりずっとオッサンっぽくなっちゃってるだろうけど(笑)。
なんか、また話の収拾がつかなくなってきたな。ともかく、田代君も長~~く活躍して、本当に福岡に帰るのはオッサンになってからになるよう頑張ってくださいなー、と、わけのわからない無責任なエールを送っておこう(笑)。彼、ナイスガイっぽいし。アントラーズの選手でも、たまには「いいな」と思うのである。
コメント
「サッカーが終わったら」という考えは、セカンドキャリア教育が行き届いてきたって事なんでしょうね。本人にとっちゃあ大事なことですからね。反面、バカが減っちゃうのは寂しい気がします。
ついでに、「サッカーの最後は地元で」ってのが、僕の考える理想です。
Posted by: 勝鬨橋 | 2007年06月13日 08:33
結局、そういうことなんでしょうね。Jリーグも色々やってますから。
もちろん基本的には良いことだと思いますが、変に早く見切りをつけてしまう選手が出てくるのではないかとちと心配です。某旅人とか(笑)。今はまだそういう傾向もないみたいですけど。
>ついでに、「サッカーの最後は地元で」ってのが、僕の考える理想です。
まったく同感。そのためにも、全国の都道府県(レベルでしょうね、まずは)全てにJクラブ(かそれに類する存在)を作らないといけない。
「世界の旅の終着駅は甲府でした」とか、そんな夢みたいなキャリアはあり得ませんかね(笑)。
Posted by: murata | 2007年06月13日 12:40
>「世界の旅の終着駅は甲府でした」
つぼに入りました(笑)
欧州もこの時期は、引退する選手のコメントが紙面をにぎわしますが、やはり日本は恵まれているのかな?と思うところもあります。「サッカーの最後は地元で」というのは、とても素敵なことですが、それ以上に、地元に帰っても生活が出来る、これはすばらしいことですよね。
お誕生日おめでとうございます。(いいそびれてましたw)
Posted by: mipolin | 2007年06月13日 22:34
>http://www.zakzak.co.jp/spo/2007_06/s2007061304.html
われわれの学年のトップランナーの松井さんも老け込むうんぬんの話になってしまうんですなぁ~
記事中に「脂の乗った働き盛り」ってあるけど、自分も違う意味で脂が載ってきましたな。(苦笑)
とにかく浅利には本当にがんばってもらいたいよね。
>「世界の旅の終着駅は甲府でした」
降格の危機に瀕したチームを救うってなったら神だよね。
Posted by: ぶらっくばす | 2007年06月13日 23:58
>それ以上に、地元に帰っても生活が出来る
確かにそうですね。で、さらに大きな表現をするならば、「帰るところがある」事自体がとても幸せなことなんだなあ、と最近つくづく思うようになりましたよ。
>お誕生日おめでとうございます。(いいそびれてましたw)
ありがとうございます!
あ、あと、浅利選手とアンヌ隊員にもちゃんと言いました(笑)?
>自分も違う意味で脂が載ってきましたな。(苦笑)
脂がのるというか落ちなくなるというか溜め込まれるというか(笑)。
>降格の危機に瀕したチームを救うってなったら神だよね。
つーか、それをやらない限りは僕の中でカズ>中田の序列は動かない。
まあ、残留云々には間に合わないかもしれないから、J2に落ちたチームを再び上げるってのはどうだ(笑)。
Posted by: murata | 2007年06月14日 01:42
ハッピーバースデー、浅利選手とアンヌ隊員には浦和戦で言おうと思います。あ、浅利選手は遠くから。
murataさん、もしよろしかったら浦和戦後お店にいらっしゃいませんか?
Posted by: mipolin | 2007年06月14日 02:13