●現代美術館に『明日の神話』キタ
昨日、東京都現代美術館に先週末から展示されている『明日の神話』を観に行ってきた。60年代後半に岡本太郎がメキシコで作成し、03年まで行方不明になっていた巨大絵画。偶然発見された残骸から「太郎の船団」なる文化人グループが中心となって復元し、昨年は汐留の日テレ前で公開されていたのだが、この4月から現代美術館で展示されることになったのだ。
ひと目見ての感想は……「なんじゃこのデカさは!!」(笑)。何しろ縦5.5m横30mである。それが室内展示ってどういうことやねん。絵もでかいが、展示室のデカさも相当だな、こりゃ。まるでこの絵のために部屋を作ったかのようにピッタリとはまっているのも面白い。現美ができたのは10年ちょい前だから、これも単なる偶然なんだけど。
絵の内容は、正直パッと見ではよくわからんのだけれど、聞くところによるとモチーフは原爆炸裂の瞬間で、その悲惨な体験から再生する人々のたくましさを描いたのだそうな。なるほど、言われてみれば確かにそう見えるかも。見方によっては、かなり陰惨というか凶悪な絵ということにもなるね。「原爆炸裂」とは、広島や長崎のことなのか、それとも来るべき核戦争なのか。タイトルからすると後者になりそうだが……。
まあ、とにかくパワフルで、色々な意味でスケールのでかい作品であることは間違いない。
常設展示室には、他にも新規収蔵の面白い作品がいくつか。入ってすぐのスペースに置かれた、二本の筒の間に頭を入れる体験型のインスタレーションは、聴覚だけ別の空間に連れて行かれるような不思議な感覚を楽しめる。加藤美佳や奈良美智の絵、あと高木義勝の映像作品には、人を選ばず素直に「かわいさ」「きれいさ」と楽しめる良さがあるね。
個人的に大ウケしたのは会田誠の作品群だ。『たまゆら』『美しい旗』もいいが、最後の展示室にある一組の作品(あえて作品名は伏す)はあまりの素晴らしさに腰が抜ける。まさか公立の美術館で巨大な○○○の絵を観る事ができるとは(笑)。とんでもないモノを描いているのに、絵として非常に巧く描けているのがまた凶悪だなあ、というか。
ここの常設展示室は、正直なところ2~3年前まではありきたりの展示(年代順にウォーホルとかが並べてあるだけ)で退屈極まりなかったのだが、最近は四半期ごとにテーマを変えて工夫した展示をするようになり、僕みたいな「素人」でも結構見られるようにはなった、と思う。現代美術みたいなものは思いっきり人の好みによるだろうから、あまり自信はないけれども。
企画展示室では「マルレーネ・デュマス ―ブロークン・ホワイト」と「タイ王国・現代美術展 Show Me Thai みてみ☆タイ」展が行われていた。
「デュマス」展は、南ア生まれの女性現代画家の個展。淡く滲んでいるような独特の画風で、題材は裸の男女だったり首つり死体だったり宇宙人(笑)だったりと、なかなかに刺激的。エロスとタナトスの香り漂う、という表現はちょっと安易かな。展示室の壁も床も白っぽい色で統一されていて、独特の雰囲気が味わえる。展覧会のタイトルにもなっている『ブロークン・ホワイト』という作品は……元になったアラーキーの写真の方がいいな、エロくて。
「みてみ☆タイ」の方は、日本とタイの修好120周年を記念した、タイ現代アートの歴史を俯瞰する展覧会。様々な形式の作品が並んでいて面白いものもつまらないものもあったけど、描かれている人物の人種的特徴なんかを除けば、日本の戦後のいわゆる「現代美術」とそう変わらないのではないかという印象。それくらい、ポップカルチャーなんかでも日本との関係が深いということなんだろう。ウィスット・ポンニミットは犬の絵の方がいいなあ。
そういや、「デュマス」展にしろ「みてみ☆タイ」にしろ常設展にしろ、『明日の神話』を観に来たのか家族連れがけっこういて、子供たちが裸や死体や○○○の絵の前を通ったりするとちょっとドキッとさせられた。別に大丈夫っちゃ大丈夫なんだろうけどね……いや、かえってトラウマになって芸術的感性が目覚めたりして(笑)。
コメント
さっかりんを見ていてこんな貴重な情報が得られとは!!
目と鼻の先に住んでいるのに。
灯台下暗しですね
早速行ってみます!
でも、3日、6日は当然行けないし
4日は野暮用で、5日は中日で完全休養日にしようと思っていたのに........................
2008年4月13日まで展示しているんだから!
と思っているうちに見られなくならないようにしない様にっと
これからも貴重な情報お願い致します。
有難う御座いました。
Posted by: 愛丸 | 2007年05月02日 23:16
こんばんは。>愛丸さん
ぜひぜひ足を運んでみてください。なかなかの迫力ですよ、『明日の神話』。描かれている内容についても、考えさせられます。
ご心配されているとおり、早めに行かれた方がよいと思われます。けっこう、「まだまだやってるぜ」とか余裕かましているうちにいつの間にか終わってるんですよね。展覧会とか映画って。
あと、奈良さんや加藤さん、何より会田誠さんの絵も、ぜひ(笑)。
Posted by: murata | 2007年05月03日 01:53
murata さんコメント有難う御座います。
murata さんのブログをゆっくり見直してみましたら、
現代美術館には何回か来られているみたいですね。
今度、現代美術館に観える際は深川グランドにも立ち寄ってみて下さい。
考えておられるよりはかなり近いです。
小平ほどではないですが、面白いですよ。
スタンドもありますし。
U-18まで去ってしまってかなり寂しくなりましたが..............................
以前は良かった!!(お前は年寄りか!)
東京フットボールクラブ株式会社はここなんだから、もっと地元の人にアピールして味スタを満員にしないと!!
今年に入ってから、都新宿線→飛田給のFC東京ライン
(私が勝手に言っているだけですが)のユニ、ブロコン等、グッズを持った人達が激減している様に思えてならない今日此の頃です。
ではまた、これからも拝見させていただきます。
Posted by: 愛丸 | 2007年05月03日 08:07
どうも。
深川には、昔何度か行ったことがありますよ~。由紀彦と喜名と小峯が居残り練習とかがんばってた頃だから……2000年か01年あたりかな。
そういえば、小平ができてからはご無沙汰です(つーか、小平自体ご無沙汰ですが)。
>都新宿線→飛田給のFC東京ライン
なるほど(笑)。でも、確かに、「東の地元」と「西の地元」を結ぶこのラインは青赤に染まってほしいものですよね。
Posted by: murata | 2007年05月03日 10:41
しつこいほどのコメントですみません。
だとすると、murata さんとどこかですれ違っていたかもしれませんね!
スタンド小さいですもんね!
今、鹿狩られから帰ってきました。
何と足取りの重かった事といったら............................
理由①は言うまでも無く、瓦斯サポ皆さんがおっしゃっている事
理由②はなんとチケットを忘れていってしまったんです。
バカですね~当日券を買う羽目に合ってしまいました。
6日は握り締めていくぞ!
チケット(5月1日20時)現在、20,000枚の入場券が既に販売されており、
今季一番の来場者が予想されているみたいです。
皆さんは私の様な愚かな目にあわない様に気をつけて下さい。
憲剛は出てくるのかな?
観てみたいんだけど出てきたら歯が立たなくなるどころの
騒ぎじゃないから、寝ていてくれと思ってしまう。
いやいや!そんな考えはダメだぞ!
正々堂々勝負しないと。
モニが完全復帰しているんだったらでてほしいな~
あと、真吾は絶対試してみるべきだよ!
Posted by: 愛丸 | 2007年05月04日 00:23