« 勝っちゃったよ(笑) (FC東京×横浜FC) | メイン | 日本に川崎フロンターレあり ('07ACL第4節) »

2007年04月23日

●幸先の良いスタート (ラグビー日韓定期戦)


日曜の午後、秩父宮ラグビー場でアジア三ヶ国対抗試合兼日韓定期戦。日本代表 82-0 韓国代表。大事な大事なW杯イヤーを迎えた「カーワンジャパン」。強風の中行われた緒戦は、新戦力のテストに主眼を置いた布陣ながら東アジアの宿敵・韓国を全く寄せつけず、過去最高得点差での勝利。もちろんまだまだ課題も多いチームではあるが、とにかく良いスタートを切ることができたのは幸いであった。


前半は風上の日本が終始圧倒。3分、韓国陣22m付近左サイドから大きく右へ展開、余ったWTBロアマヌが走りきってトライ。6分、ラックからDFの虚を突いたSH吉田がショートサイドを駆け抜け、独走してトライ。いずれもSOアレジが難しいコンバージョンを決めて14-0。いきなりの新戦力の活躍からも両チームの実力差は歴然としていた。その後も日本は鋭い出足でボール争奪戦を制し、パス攻撃でトライの山を築く。前半だけで7トライ、49-0。

後半も日本はフィジカル・技術ともに優位に立つ……のだが、向かい風のせいか前半飛ばしすぎたのか、ミスが続出。守備崩壊寸前の韓国相手に思うようにトライを奪えない。逆に、攻め込まれてゴール前で守勢となり、反則を犯して冷や汗の場面も。それでもアレジの攻撃的守備と立川のカウンターなどからチャンスを作り、小野澤の鋭いライン際突破やロアマヌの爆発的ランで加点。終盤には期待の新星・小野も登場。結局、82点差で試合終了となった。



この試合、ジャパン(特に前半の)は出足の良さが非常に目立った。FWが質・量ともに走り勝ったのはもちろん、キャリアーへのプレスやイーブンボールへの働きかけでも圧倒。昔と違い、韓国の荒い反則タックルに気押されることもなくなった。セットでも、精度はともかく機先を制しようという意図は明確。カーワン流の「早く、速く、低く、前へ」の方向性はしっかりと感じることができたと思う。第一印象は非常にポジティブなものだ。

もっとも、試合後のカーワンのコメントにもあったように、そして多くの観客が感じていたように、後半のハンドリングエラーの多さや全体的なアグレッシブさの低下は今後の課題。80分の中で波があるのは当然として、受け身の時間帯にどうコントロールするか。また、精度さえ狂わなければトライになる場面でいかにとりこぼさないか。まあ、韓国は(おそらく来週の香港も)実力差のある相手なので、本当の実力が見えるのはまだ先かな。

この日登場した新戦力はいずれも期待できそう。SOアレジはプレースキックのほか流れの中のプレーも正確で力強く、チームに一本芯を通してくれそうである。WTBロアマヌについては、バズーカ砲みたいな中央突破にタマゲた(笑)。ちょっと規格外かも。小野は、ミスもあるにはあったが、ピタリと合うキックパスや小野澤を彷彿とさせるランで才能の片鱗は見えた。SH吉田も緒戦にしては上出来だろう。CTB平は、好機のミスを反省しないとね。


秋のW杯まで、あと半年足らず。「緒戦だから」と大目に見ることなく厳しく無駄なくチームを仕上げて行かなければならない……というのは他ならぬカーワン監督こそが痛感しているはずで、試合中、そして試合後のインタビューで見せた険しい表情は今後厳しい闘いが続いていくことを示唆しているのだろう。楽しみでもあるし、一方でカーワンにそれだけの時間しか与えてあげられないことが申し訳なくもある。とにかく、応援していきたい。

トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://umanen.org/mt/mt-tb.cgi/2228

コメントする

(初めてのコメントの時は、コメントが表示されるためにこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまでコメントは表示されませんのでしばらくお待ちください)