うまねんblog

その後は攻めの人数を増やした全南に対し、川崎は守備の意識をさらに高めて封じ込めにかかる。Ｊ１再昇格以後どちらかと言えば得点力を強みとする川崎だが、この試合はむしろ「堅守速攻」のイメージ。危ない場面もなくはなかったものの、ＤＦの体を張った守備とＧＫ川島（良い選手だ！）の堅実なセービングでしのぐ。８１分にジュニーニョのドリブル突破から鄭が追加点。さらに終了間際にも鄭が１ゴールを追加して、終わってみれば３－０の完勝となった。

川崎フロンターレはいいチームだ、と思う。

強いだけではない。いや、韓国の有力チームに連勝したのだからもちろん強さも特筆すべきなんだけど、なんというか、とてもソリッドで均整がとれているのだ。堅いが攻撃的なサッカー、ビジョンと短期的結果への目配り、海外進出と地域密着、派手さはないが堅実な補強、豪華ではないが良質なメンバー、地味だが明晰な監督、そしてこぢんまりと一体感のある応援。ある意味今のＪにおける一つの模範かもしれない。００年に「急ぎすぎて」コケた教訓を生かしたか。

そして、その質実剛健な組織サッカーの中で中村憲剛が輝いている、という事実が面白い。先制点を演出したスルーパスの絶妙さをどう表現したら良いのだろう。ボールの置き方、身のこなし、味方の動きへの予期、キックの強さと速さ、全てが完璧。パス１本で相手をフリーズさせる「ファンタジスタ」のプレー。大げさに言えば、彼ほどのクオリティの選手が国内で見られるのは幸せなことだと思う。あっちの中村もスーパーなら、こっちの中村もスーパーだ。

いや、ホント凄いなフロンターレ。これでＡＣＬの決勝ラウンド進出ほぼ決まりだもんな。つい数年前は「川崎ウ○コターレ」とか言ってさかんに馬鹿にしていたのと同じチームとはとても思えん（笑）。ＡＣＬについては、今後も川崎を応援していくことにしよう。