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2007年04月22日

●勝っちゃったよ(笑) (FC東京×横浜FC)


昨日の午後、味の素スタジアムでJ1第7節。FC東京 1-0 横浜FC。下位に低迷する首都圏チーム同士の対戦。人はこれを「J1最弱決定戦」あるいは「エフシーダービー」と呼ぶ(笑)。「なるほど、16位と18位の対戦だわい」という低調な内容の試合は、セットプレーからの虎の子の1点を守りきって「元祖エフシー」がものにした。……我ながらイヤミな書き方だ。でも、ホームゲーム4連敗はシャレにならんからねえ。とりあえず良かった。


前半。立ち上がりは横浜がコンパクトな守備でペースをつかみ、細かいパスワークから東京の守備網をかいくぐって何度かよい形に。ボックス内カズがフリーでパスを受けた場面は決定的だったが、幸いシュートは決まらず。15分を過ぎる頃から東京もマークズレを減らして攻勢に転じるものの、低い位置からの攻撃は厚みがなく散漫。サイド攻撃からのシュートチャンスも石川やルーカスがふかしてしまう。膠着状態のままハーフタイムへ。

後半開始早々、東京が先制。セットプレーのこぼれ球を横浜がクリアしきれず、右から中へ持ち込んで浅利が左へフィード。ワンチョペが外へ流れて頭で落とし、ニアに走り込む今野がDFを振り切りながらシュート、GK菅野の股間を抜けてゴールイン。さすがは今野、セットプレーで見せる強靱さはピカイチである。これでスタンドは盛り上がり、試合の形勢も東京へ傾いた。ルーカスやワンチョペがボールを持つだけでスタンドには期待感が。

そこからはもう安心。横浜はただでさえ攻め手が少ないのに加えて次第に運動量も落ちていき、まさに「手も足も出ない」状態。カズのFKだけはちょっと冷や汗ものだったが。チョペさんのチェイシングに喜ぶ東京ファン。東京はチョペに代えて憂太、石川に代えて規郎とフレッシュな選手を投入して優勢維持を図る。徳永がライン際を疾走してDFを弾き飛ばしたり、福西が見事な回転ダイブ(笑)でFKを奪ったりと、ポイントで見所はあった。

しかし、東京もそれなりにパスは回るようになったものの、追加点が奪えない。ルーカスはシュートに持ち込むところまではいいのに、残念ながら最後の精度が低い。規郎の突破などで得た決定機も菅野の好セーブで得点ならず。終了間際、中央から右に流れたルーカスへ展開、その外を追い越した憂太がDFをヒラリとかわして入れたクロスに福西が飛び込む!これは非常にいい形だったが、福西わずかに届かず。結局、1-0のまま試合終了。



率直な印象として、横浜FCは弱かった。このチーム普通に考えてJ2落ちだろこれ、という。久保を欠いて奥もコンディション不良、という事情はあるにせよ、いくらなんでも有効な攻撃の武器が少なすぎる。序盤の丁寧なパス攻撃は悪くなかったが、そこで得た少ないチャンスをものにできないのでは仕方ない。もっと展開なり運動量なり強力な外国人選手なりで攻撃に色を付けないと、こぢんまりしたまま終わってしまいそう。


一方、FC東京のサッカーも決して褒められたものではなかった……というより、内容的には進歩がないなあ、というのが正直な感想である。選手個々のコンディションは決して悪くない。藤山や浅利はまたも持ち味を生かして完封勝利に貢献したし、規郎や徳永の馬力は大したもの。ルーの動きは切れており、チョペさんも少し馴染んできた様子。だけど、チーム全体の組織的な動きや攻撃ユニットのコンビネーションが相変わらず足りないのだ。

総じて東京はスペースを作る動き(の組合せ)が少なく、カウンターなどでたまたまできたスペースや数的優位も生かせない。スタンド上部から観ていると、パスをつなぐうちに選手たちが狭い方へ狭い方へと寄ってしまうのがよくわかる。それが意識的なものでないのは、サイドチェンジによる展開の少なさからも明らかだろう。別にウイイレじゃないから必ずしも観客の予期通りに動く必要はないのだが、しかし強いチームは普通にできること。

元々「前が見える」選手が少ない上に複数同士の局面においてパスワークで崩すノウハウを持っていない。だから、結局「正面から押して一対一で勝ちきる」サッカーになっちゃってるんだよね。それで安定的に力を出せるというのなら、別にかまわんのかもしれんけどさ……。メンツが代わった(個々の能力がベースアップした)だけで、チーム全体としては2005年から何も進歩がないように見えてしまっているのだ。少なくとも今のところは。

いつも同じ感想になってしまうな(笑)。次は切り口を変えないと。


一つ気になったシーン。後半の半ば過ぎだったか、横浜ボールに切り替わったところで相手と接触した栗澤がセンターサークル付近に倒れ込み、最初はそのまま攻撃を続けようとした横浜だが、立ち上がらない栗澤を見たカズ(?)が外に蹴りだした。あそこは主審が止めるまでプレーをやめる必要など無い、という原則論はさておき、ボールが外に出た瞬間に栗澤が立ち上がったのには失望した。それではまるで鹿島ではないか、と。

あと、試合後の、あの背中の痒くなるようなヒーローインタビュー。これからもあの場所(ゴール裏とバックスタンドの中間あたり)で毎回やるのだろうか。スタンドへの挨拶の「大名行列」ぶり(スタスタ先頭を歩いてさっさと済ませようとする福西は正しいよな)といい、FC東京はファンサービスというものについて大いなる勘違いをしているような気がしてならない。媚びる相手と媚び方と、もうちょっと考えた方がいいのではないかな。

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コメント

コタツねこです。

横浜FC戦、結果は良かったですが、内容はねぇ〜。

前半、相手のコンパクトな守備陣形に対して、意図を持った攻撃は皆無に思えました。


先制した後は、相手がリスクを負って攻めて来たので、選手個人の能力差で各局面で優位に立てましたが、この優れた能力がチームとして機能するのは、いつなんでしょうね。(苦笑)

こんばんは。>コタツねこさん

おっしゃるとおり、特に前半、東京の攻撃はバラバラでしたね。サイドを強引に破っても中に走り込んでないし、福西はパスを出す先がなくてウロウロしちゃうし、カウンターも……。

>この優れた能力がチームとして機能するのは、いつなんでしょうね。(苦笑)
少なくとも、当面は無理かもしれないですね(苦笑)。

こんばんは、こんにちは~。

MXさんが生中継してくれたので、ロンドンでもネット経由で観戦いたしました。さすがにこれだけ勝てなかったので、勝っただけで、ものすごくポジティブな気分になっちゃいました。

本当にあれだけの才能を並べておきながら、どうしてあれだけのアイディアしか出てこないんでしょうね?コンビネーションがすっかり欠落しているように思えました。

去年、一年かけて、その辺をしっかりやっておけば・・・。(いや、やるつもりだったけど、我慢できなくなっちゃったのか。)

テレビ中継用とは別の「ヒーローインタビュー」が始まったんですか?サポーターのリクエストがあったのかな?不思議な方向へ進んでいますね~。

初コメ失礼します。
僕もMX中継観てました。正直、勝ちは嬉しかったけど、その後のNHK、浦-川戦が面白かったのなんのって…。
なんか、こいつらとは住む世界が違うなー、と実感。

あ、でも、試合前の青赤染め、良かったよ!
これからもあーゆーのもっとやろうよ!

>bumbumさん
こんにちはー。

まあ、東京ももがいて苦しんで回り道して、というところなんでしょうか、今は。私たちもチームの人たちも、色々な意味で歴史や経験が足りないのかもしれないですね。

>テレビ中継用とは別の「ヒーローインタビュー」
なんかねー、長ったらしくて「シーズン終盤は優勝へ向けて連勝街道ですね?」(←うろ覚え)みたいな煽りもあって……ちょっと虫酸が(笑)。早く帰ればいいのかもしれないですけど。

>おさむさん
はじめまして。

>なんか、こいつらとは住む世界が違うなー、と実感。
東京がJ1に上がった2000年には浦和はJ2にいたし、その年同じくJ1に上がった川崎もわずか1年で2部落ちしたんですけどね。今の明暗を分けているのは一体何なんだろう、と。

>試合前の青赤染め、良かったよ!
きれいでしたねー。

昨年コメントさせていただいたものです。引き続き楽しみに拝見しております。

>今の明暗を分けているのは一体何なんだろう
って、
>媚びる相手と媚び方と、もうちょっと考えた方がいいのではないかな。
と通じている気がするんですが。

昨年の解任といい、経営サイドは「いいから黙って食え!」くらいの頑固おやじラーメン屋系の「折れない」姿勢もあってもいいのではないかという気もします。

「バントしない野球」でも下位独走になったらやっぱりスタジアムに足を運ぶ気はしないですものね。

こんばんは。>Bullさん

>頑固おやじラーメン屋系の「折れない」姿勢もあってもいいのではないかという気もします。
人の顔色をうかがってばっかりじゃあ、その店(チーム)の本来持っている良さも出ないですものね。頑固おやじ(FC東京)として、客(ファン)に「これが俺の味(ビジョン)だ!!」みたいなのを示してほしいところです。

あと、相手に媚びるのだって時には必要かもしれないけど、やりすぎるとかえってウンザリされるものだし。人間の男女関係とかと一緒で(笑)。

>「バントしない野球」でも下位独走になったらやっぱりスタジアムに足を運ぶ気はしない
なるほど、うまいこと言いますね。すげーわかりやすいたとえだ。

>ボールが外に出た瞬間に栗澤が立ち上がったのには失望した。

TV観戦でしたが、クリサワ、あっさり立ち上がりましたね。ファールもらいに行ったりしないで、ディフェンダーひきずってでも前に行く姿が見たいものです・・。

p.s.
いつの間にか美女アナの仲間入りをしていた我らがエリー(水原アナ@TV東京)が結婚するそうですね。ちょっとショック。
「バモバモー」なんて、二度と見られないのかな~。

>我らがエリー(水原アナ@TV東京)が結婚するそうですね。ちょっとショック。

ええええええー!!!!
そうなんだ。それはちょっとどころじゃなくて、かなりショック。

もうエンジ色(で胸の白い布にクラス・名前入り)のジャージを着て「バモバモー」とかやってくれないんでしょうね。

つーか、今もやってないですけど(笑)。

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