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2007年04月05日

●「最低限の戦い」 ('07ナビスコ杯第3節 テレビ観戦)

昨夜、MXテレビでナビスコカップ予選第3節。大分トリニータ 0-1 FC東京。平日のアウェイ戦。公式戦4試合続けて勝ちのなかった東京が、「自分の元いた立ち位置」へ踏み戻るようなサッカーで勝点3をゲット。ゲーム内容自体はさほど良くないように見えたものの、勝ちは勝ち、ということにはなるのだろう。良かったねー、と、半ば棒読みで喜んでみる(笑)。


東京ベンチはわかりやすい立て直し策を採ってきた。布陣的には、ウイングが川口と規郎でトップにルーカスが張る4-5-1。途中からは信男・ルーの2トップ気味になったようだが、いずれにせよフォアチェックからのプレスで相手のパス回しを潰す、原監督的な「原点」への回帰が見られた。このやり方と、期するものがあったであろう選手たちの気合が相まって、少なくとも守備に関してはかなりマシになったような。

一方の大分は散々の出来。アタッカーの連携は悪いわ、パスはブレまくるわ、自陣でミスしてボールを渡してくれるわ、一体どうしたのか。少ないタッチで丁寧につなごうとするのは相変わらずだし、前半のカウンターには見事なものもあったが、全体的な精度があまりに低すぎた。後半高松の投入で攻撃に活を入れてもほとんど焼け石に水。アウグストの不在、10代~20歳そこそこの若い選手の多さ……台所事情、かな。

てな感じで、試合の大半は東京ペース。勘の良いポジショニングを見せる栗澤と福西欠場で自由を得た今野が中盤を支え、アタッカー陣と梶山、そしてしばしば攻撃参加する徳永や両SBが勝負を挑む。ロングパス一発で裏をとられた決定機は松橋兄がポストに当てて外してくれ、逆に前半40分、金沢のクロスに対してマーカーの三木がスリップ(?)したところをルーカスが逃さずヘディングシュートを決め、東京先制。

後半は、大分が選手交代から前がかりになったことで受け身に回る時間帯もあったが、ワンチョペと憂太を投入して対抗。カウンターから何度かつかんだ決定機(特にワンチョペの超絶ダイレクトパスで栗澤が抜けた場面!)はGK西川の好守とFWの連携不足で逃したものの、押し込まれた終盤は全員守備でしのぎ、虎の子の1点を守りきることに成功した。「やっと勝った」というか、「勝てる時はこんなもの」というか……。


この勝利が次につながる類のものかどうかはよくわからない。選手たちがいつにも増して懸命だったのは確かだし、東京らしさの片鱗は見えた。1つの勝ちが「きっかけ」になる可能性はもちろんあるだろう。しかし一方で、攻撃の個人能力頼みと連携不足は相変わらずで、相手の不出来(と個々の能力不足)に助けられたようにも見えた。内容はミニマム結果は上出来、といったところだろうか。つーか「これが最低限」になってほしい。

まあ、繰り返しになるけれど、東京の選手たちが燃えていたことは間違いない。一つ一つの判定に対していつになく執着し、しばしば不満の表情を見せていたのもその表れなのだろう。小平で自発的ミーティング、なんて話もあったしね。ここ2~3年のチームの低迷への不満はさておき、そうした状況の中で彼らが目の色を変えて一皮むけてくれるとすれば、それはそれで一つの成果なのだが……長続きしないんだよな、少なくともこれまでは。


せっかく勝ったのに諸手を挙げて喜ぶことができず、選手たちの頑張りに胸を熱くしながらもどこか斜に構えて見てしまう。僕には「サポーター」と名乗る資格はないようである(笑)。

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コメント

グダグダの大分に、これまでの東京の姿を見ました。
僕も「サポーター」と名乗る資格はないようであるw

なお現地で配付されたMDPの表紙は宮沢で、中にインタビューもありました。
味スタの試合でコールを受けて感激したそうです。

現地応援お疲れ様でした。テレビを通しても、コールやチャントがはっきり聞こえてきましたよ。

>味スタの試合でコールを受けて感激したそうです。
その人の良さぶりが……「もうちょっとエゴイストでもいいのでは」と思うと同時に、「なんていいヤツなんだろう」とちょっと嬉しい。

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