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2007年03月29日

●平山は平山である (U22日本×シリア)


夜、国立競技場でサッカー北京五輪アジア2次予選。U22日本代表 3-0 U22シリア代表。香港戦の「寒い試合」とマレーシア戦の苦戦により、どうも評判のあまりよくない反町ジャパン。別に「3度目の正直」というわけでもなかっただろうが……2次予選折り返しとなるホームゲームで見事快勝。スコア的には香港戦と同じだが、内容的には進歩の見える試合であった。



日本はアタッカーとして平山・李のほか、MF調の家長が先発する布陣(2トップ的?)。香港戦に比べてもつないでいく意識が高いことは開始直後から明らかだった。ただし、攻撃へ転じた際に「開く」ことばかり急くせいかどうも選手間の距離が遠く、なかなかボックス近辺まではつなげない。序盤はむしろ、シリアがソリッドなサイド攻撃で多くチャンスを作っていた。水本が転んでかわされ、際どいクロスにヒヤッとする場面も。

16分、左サイドで展開パスを受けた家長が中へ切り込み、DFの寄せが甘いのを見て右足を一閃。糸を引くように真っ直ぐ伸びたボールがゴール右上に突き刺さった。僕の座っていたホーム側コーナー付近だと丁度このシュートを真後ろから見る形になり、豪快さが際だって感じられて「うおおおおお!」と思わず絶叫。流れを変える意味でも全くもって素晴らしい個人技だった。さすがはA代表、というべきか。

続く24分、右サイドのFKから水野が速いクロス、なぜかフリーで飛び込む平山が振り向きざまのヘッダーをきれいに決めた。つーか、スローで見たら頭でなく肩に当たってたけど(笑)。2-0。これでシリアは気落ちしたか、完全に日本ペースとなり、左サイドを中心にクルクルとパスを回してゴールに迫る。33分には平山の曲がって落ちるミドルシュートがバーを叩く。もっとも、予選だけに日本も無理はせず、前がかりになりきらないまま前半終了。



後半の立ち上がり、褌を締め直したシリア(シリアに褌はないだろうが(笑))が攻勢に出る。何度か危険なクロスがボックス内へ。ここは西川や伊野波の落ち着いたプレーでしのぐ。60分くらいから、再び日本の流れに。水野が、家長が、カレンが、次々とDFを切り裂いた。しかし、フィニッシュ前の精度がイマイチで逸機が続く。16分にはクロスに対して走り込んだ家長がGKを抜くもカバーのDFがクリア、こぼれ球を狙った平山のシュートはポストに弾かれる。

71分、オフサイド崩れを突いた平山が右サイドのスペースに抜け出し、DFに追いつかれる寸前にシュート、GKの脇を抜いてゲットした。これはお見事!その後も日本の攻勢が続き、74分にはボックス内外の目まぐるしいパス交換から家長が決定的なクロス、ゴール正面でフリーの平山が狙うもなぜか外れ(笑)。82分にはスルーパスで抜け出た枝村がこれまた絶妙のクロスを平山に合わせるもシュートはGK正面。うーむ、これでハットトリックできんか……。

終盤はシリアが集中力を欠いてしまい、日本が半分練習(お遊び?)みたいにボックス近辺でパスを回し続けるシーンも。スタンドからは「早く狙えよ!」と苛つく声も飛んだ。ちょっと怖かったのはここでシリアにラフプレーが増えてきたことで、特に88分に本田圭が狙われたスライディングは冷や汗ものだった。完勝の試合、特にアジア相手だとこういうリスクもあるのだと改めて認識。幸いにも怪我人などは出ず、そのまま3点差で試合終了となった。



繰り返すが、スコア的には1ヶ月前の香港戦と同じ3-0。でも、スタンドから見た限り、楽しさは全然こちらの方が上。特に日本ペースの時間帯は、ボールの動きやチーム全体としての統一性が格段に改善されていた。左右自由に動き回る家長を入れた布陣がうまく機能したのと、あとJリーグが開幕して1ヶ月で選手のコンディションが上がってきたせいもあるのかもしれない。反町監督はそれなりの手応えを得たことだろう。

ただし、プレーの精度という点では物足りない部分があるのも事実。何度か中盤での不用意なパスから逆襲を受け、もう少しレベルの高い相手だったら1点や2点は奪われていたかもしれない。もちろん、クロスやシュートといったフィニッシュも同様。何度も何度もサイドから崩して23本ものシュートを撃ったのだから、もう1~2点は欲しいところだった。欲を言えばきりがないが、このメンツならばもっと良いサッカーができるはずだ。

フィニッシュといえば、平山は2得点の大活躍だった。特に2点目はGKとDFが急接近する中でニアをきれいに抜いたもの。「いよいよ得点感覚が蘇ってきたか」と嬉しくなった。もっとも、チャンスの数を考えればあと1点は決めてほしかったし、ラストパスを出さなかった本田圭に怒ったかと思えば、一方で「お前走ってろよ!」という場面も何度か。良くも悪くも相変わらず枠に収まらないというか、つかみどころがないというか。「平山は平山なんだなあ」という。



試合後は、東京ファン数人と合流して新宿西口の「吉本」なる居酒屋で祝杯。この店は某組長がネットで見つけて名前にひかれた(笑)とか。刺身がとても美味しいお店だった。お酒も南信州ビールの「ゴールデンエール」という香り爽やかな銘柄があって、「うまいうまい」と3杯ほどいただく。席上の話題としては……とりあえず土曜の柏戦はアウェイだから引き分けくらいいけるんじゃないか、とか(笑)。


帰り道、川のほとりに桜が咲いていた。いよいよ春の盛りですか。

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コメント

い、い、いつの間に…気がつきませんでした(笑)。

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