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2007年03月08日

●OpenSky2.0


昼、初台まで歩いて、リニューアル後はじめてのICC。現在の企画展は「OpenSky2.0」

「OpenSky」とは、メディア・アーティスト八谷和彦さんによる「個人的に飛行装置を作ってみるプロジェクト」である。2003年に始まって、設計から模型機による実験、人が乗れる実機の試作と試験飛行を経て、間もなくジェットエンジンを搭載した実機による有人飛行(!)へ到達する予定だとか。まあ、平たく言っちゃうとあれだ、『風の谷のナウシカ』でナウシカが乗っていた「メーヴェ」を本当に作っちゃえ、ということだ。

展示会場には、制作や実験の模様を記録した写真とビデオ、実機、そしてフライト・シミュレータなどがあった。上の写真は、左がラジオ・コントロールのジェット機「メーヴェ1/2」、右がゴム索で引いて飛ばす有人飛行機「M-02J」。「メーヴェ1/2」の方はアニメに近い形とサイズだが、「M-02J」の方はかなりデカくてゴツい印象。まあ、やっぱり人乗せて飛ばすものだからねえ。「メーヴェ」で有人飛行するにはミノフスキー粒子が必要だな(笑)。


このプロジェクト、とにかく溢れんばかりの解放感が素晴らしい。「オープンスカイ」という名称、「ひらけ、そら!」との掛け声、飛行する「M-02J」の背景に広がる青い空、そして何より「誰に言われるでもなく、その気になったから手作りで飛行機を作っちゃえ!」という発想自体がなんとも解放的でキモチイイ。この展覧会も、流れる音楽や映像、係員の対応までがその快さを増すように作られていて、非常に気持ちの良い時間を過ごすことができた。

八谷和彦さんという人は「ポストペット」の開発者として有名だけど、「視聴覚交換マシン」等の特殊コミュニケーション・ツールみたいなのも作っていて、一昨年上野の森美術館にも巡回した「GUNDAM~来るべき未来のために」には独自の(?)サイコミュ・システムを出展していた。こういう「ホントに作っちゃう」系の発想は人によっては馬鹿馬鹿しいと思うかもしれないけれども、僕なんかは思わず「うんうん」と共感してしまうのである。

ちなみに、もしもの(事故の)時の事を考えて、ジブリに迷惑をかけないように現在「メーヴェ」の名称は使用しないことにしているそうだ。「M-02J」の試験飛行は高度20mくらいのところを飛んでいるらしい(操縦するご本人曰く「全然怖くない」らしいが)。このまま何事もなく、無事にジェットエンジン搭載の機体が青空を駆ける日が来てほしいものだと思う。


「OpenSky2.0」の後は無料で入れる常設展示スペースを回ってみた。インタラクティブに体験できる作品がこれでもかと並んでいて、ここもまた相当に楽しめる。特に、自分で描いた人工生物を飼育できる水槽(繁殖と弱肉強食あり)と、あと『風インターフェース』という仮想物体の触感を体験できる装置が面白い。今回は仕事の合間なので駆け足になってしまったけれど、しばらくしたらまた来たいと思わせる内容であった。けっこうお薦めかも。

ここは、とにかく、知名度さえ上がればもっと盛り上がる施設だと思うんだがなあ……。

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