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2007年03月07日

●菅沼実に注目すべし!!

日曜日に日立台で行われたJ1リーグ柏レイソル×ジュビロ磐田戦は、ホーム柏が昇格の勢いそのままに磐田を圧倒、あっと驚く4-0での勝利を収めたのだった。この試合、もちろん柏のチームとしての見事な意思統一ぶりや試合後の選手・ファン一体となった喜びよう(あのゴール裏の花輪は何だ(笑))も素晴らしかったが、個人で目を引いたのは21歳の新鋭ストライカー・菅沼実だった。


以下、彼が絡んだ3得点の経過。

57分。右サイドで味方がボールを奪った瞬間、菅沼は自陣左サイドの低い位置から鋭くスタート。全速力で敵味方かまわず追い越していき、中央でフランサが緩いスルーパスを送り出すと一気に磐田DFを置き去りにしてペナルティボックスへ突入。そしてGK佐藤が前へ出ようとした途端、右足のインステップでゴール右隅へきれいに流し込んだ。およそ50mの間、全くスピードを緩めることなし。鮮やかなチーム2点目。

続いて63分、右サイドから磐田ゴールへ迫った攻撃がはね返された場面。ボックス外でボールを拾った菅沼は、迷わずほぼノーステップで右足を振り抜く。ややカーブのかかったシュートがゴール右へ飛び、横っ跳びの佐藤がはじいたボールをフランサが悠々と押し込んで3-0。ややラッキーだった先制点と同様にきっちり詰めていたフランサが偉かったのだが、菅沼の狙いすましたミドルシュートも非常に効果的だった。

圧巻だったのは73分。前線で縦パスをやや戻りながら受け、右足のつま先でボールを浮かせてファブリシオのタックルをひらりとかわす。横に流れてDFの二の矢を避けながらボールを置き直し、右足を一閃!ボールはあっという間にゴール右上に突き刺さった。ブラインドにもなったのか、佐藤は一歩も動けず。とどめのチーム4点目は、この小柄な体のどこにそれだけのパワーが秘められているのか、と呆れるほどの強烈な一撃。


ここぞという場面での思い切り、鈴木秀人に走り勝つスピード、ボックス外からでもビシッと枠に飛ばすシュートの正確性と威力、ボールコントロールの巧みさ、そして常にゴールを狙う積極性、どれもお見事。自分なりの得意な角度を持ってそうなのも良し。いや、正直なところ、こんなにいい選手がいるのかと驚かされた。ゴールゲッターとしてのインパクト、という意味ではデビュー時の阿部吉朗に匹敵するものがあるかもしれない。

聞くところによると、ユース出身の彼は17歳で柏のトップへ昇格するも当初はほとんど出場機会に恵まれず、ブラジルへの留学を経て愛媛にレンタル移籍して才能が開花したとのこと。J2では45試合11得点の活躍。「J2武者修行」の成功例ということになるだろうか。やはり試合に出て経験を積むのが大事ということなのかな……。愛媛ではMFで使われたのを逆手にとって、プレーの幅を広げてゴールゲットに生かしているとか。

もちろん、1985年生まれ(若っ!)と聞けば、思い浮かぶのは北京五輪を目指すU22代表の事である。カタールU23国際大会のメンバーには入っていたようだが……ヘンなマスコミみたいに「五輪代表入りへ向け猛アピール!」などとしょーもない騒ぎ方をする気はないけれど(Jは代表のためだけにあるわけではない)、でもこの活躍を見たら期待してしまうよなあ。平山の後ろで拾って仕掛けるセカンドストライカーとして適任そうだし。

まあ、とにかく、僕が彼をしっかり見たのはこの磐田戦が初めてなので、柏ファンや愛媛ファンには「今さら騒ぐな、アホ!」と言われるかもしれないし、逆に今回が出来すぎの可能性もある。でも、今後Jリーグ(つーか柏の試合)を観る楽しみを増やしてくれる、鮮烈な活躍であったのは確かだ。うーん、本当に楽しみ。

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