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2007年03月01日

●ひたすらに、寒かった…… (U22日本×香港)


昨日の夜、国立競技場でサッカー北京五輪アジア2次予選。日本 3-0 香港。寒かった……なにせ2月のナイトゲーム。風がビュービュー吹きつける国立のスタンドでの観戦は、たとえ体のあちこちに使い捨てカイロを貼ったとしても「辛い」の一言。加えて、5万の客席に1万余の観客数も、そして何より試合内容が……寒かった。


立ち上がりの落ち着かない時間帯は日本アタッカーが個人技で香港DFを圧倒。本田や水野のつなぎパスから、平山やカレンが積極的に仕掛けてチャンスを作る。まず5分、平山がボックス内でDFとGKをまとめてかわし、角度のないところからのシュート。これが「カン!」と思いっきりポストに当たって外れ、客席大爆笑。よく考えたら何が可笑しいのか不思議だが、みんな「ちょうど外し頃だな」とか思ってのだろう(笑)。

しかし11分、カレンからのスルーパスで平山がDFラインの裏に出て一対一、冷静に浮かせてGKを抜き、カバーに入るDFより一歩早く自ら押し込んだ。1-0。これはよくぞ詰めたと褒めるべきだろう。続いて13分にもスルーパスで抜け出したカレンのシュートがポストを直撃するなど、両チームの力量差が大きいのは明らか。この時点では「少なくとも5点、一旦火が着いたら7~8点は行けるかな」という雰囲気だった。

ところが、ここから試合は膠着。次第に慣れてきたのか香港DFが個人突破を簡単には許さないようになり、逆に日本は中盤で回そうとしては行き詰まって淡泊な放り込みに逃げてしまう。オーバーラップもなく、FWと中盤、両サイドは意思統一を欠いてバラバラ。技術的にはお粗末ながら、「守って逆襲狙い」の香港の方がいいサッカーかも、と思ったくらいだ。梶山あたり、ミドルシュートで流れを変えてほしかったのだが。1点差でハーフタイムへ。帰ろうかな……。


後半開始から、ボールチェイス役の李忠成に代わって家長投入。家長はドリブルで仕掛けるだけではなく中盤や時には右サイドにも顔を出し、それまで欠けていた流動性をチームにもたらした。沈黙していた梶山もこれで動きやすくなり、前に後ろに顔を出してパスをさばくことで両サイドを動かすように。序盤こそGK松井の不用意なプレーなどもあって香港側にチャンスが生まれるが、15分を過ぎてからは再び日本ペース。

21分、右サイドのボール争奪戦を制した水野が粘り強くゴールライン際をえぐり、ボックスへ突入してからマイナスのラストパス。これを梶山がきっちりゴール左へ叩き込んでようやく追加点。これはまあいい形だった。2-0。日本はその直後にカレンOUT増田INの交代。ここからは日本が完全にボールを支配しながら攻めの形を作れるようになり、前半に比べればかなりマシになった印象。吹き付ける風の冷たさを忘れるほどではなかったが(笑)。

38分、平山のシュートのこぼれ球を拾った家長がゴール前へ突入し、GKを引きつけてから脇にいた増田へパス、増田が落ち着いてゴールへ流し込んで3点目。やれやれ、という感じである。終了間際には波状攻撃から増田が決定的なシュートを放ってゴールライン上でクリアされる場面もあったが、これはまあ、向こうのGKも果敢な飛び出して頑張っていたし、仕方ないか。結局3-0で試合終了となった。


反町監督は試合後「収穫は勝った事だけで、勝ったのにガッカリしているという気持ち」とコメントしたとか。そりゃそうだろう。特に前半の内容はひどかった。多くの人が思ったろうが、あれは選手の出来というよりシステムの問題。はっきり言って、ウインガータイプのFWがいないのに3トップをやろうというのが無茶なのである。「1トップ2シャドー」の呪縛(あるいは信仰)がまだ生きてるということなのだろうか?

そもそも、山本さんや大熊さんにせよ、最近の年代別代表の指導者はトップ下なしで両サイドに1人ずつ置いて、しかも比較的ポジションを固定する傾向がある。どうもそれは間違いなのではないかと思う。強みになるべき中盤の人数を減らしてしまうことでMFの技術を生かせず、結局パスがつながらなくなって放り込み、になっているような。ダイレクトプレーも大事かもしれないけれど、もう少し懐の深いサッカーを目指してもいいのではないか。

まあ、「ムービングフットボール」(人もボールもよく動くサッカー)を標榜し、オシム監督を礼賛する反町さんのことだからこの日の前半と後半の出来の差を見たら考えを改めてくれるのではないかと思うのだけれども……。普通に3-5-2とか4-4-2でいいじゃない。


ちなみに、代表戦の観客数減少問題(?)について。「チケットが売れてないと聞くと逆に行きたくなるというのも天の邪鬼なもんだ」と書いている人もいるようだが、実は僕も全く同様のへそ曲がりである。応援する人が少ないと「俺が応援しなきゃ」と思ってしまうのだ。それに、上には「寒い光景」みたいなことを書いてしまったけれど、チケットは取りやすいしビールは買いやすいし、何より「サッカーが好きじゃなくて騒ぐのが好き」みたいな人が減るのはありがたい。

まあ、この試合みたいな「寒い」ゲームが続いたら、さすがに行く気が失せるかもしれないが。

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