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2007年02月23日

●「りっくんランド」へ行ってきたよ!!


先日、休みの日の朝にふと思い立って、陸上自衛隊広報センター(りっくんランド)に行ってみた。「青赤自転車でいこう。」のエントリーを読んでから気になっていたのである。池袋から東武東上線で十数分の和光市駅へ、そこからさらに20分ほど歩いたところの朝霞駐屯地内にその施設はあった。見学無料。自衛隊関係は15年くらい前に市ヶ谷駐屯地で三島の自決現場やら東京裁判法廷跡やら地下壕やらを見学して以来だ。

 

受付のきれいな女性の自衛官の方にパンフレットをもらって、まずは2階の「陸上自衛隊のあゆみ・遺産コーナー」へ。展示の中心は五輪等スポーツ大会への協力と、PKOなどの海外協力に関する記念品である。スポーツ関係では、三宅・宮原といった五輪金メダリストの功績と並んで、先日全日本レスリング選手権で自衛隊体育学校の選手が山本KIDを倒した時の記事が大きく飾られていた。わかるぞ、その気持ち(笑)。

僕的に興味深かったのは、壁際のボードに大きく描かれた線グラフ(右の写真)。陸自の保有する戦車・火砲・装甲車・作戦機の数を表しているのだが、80年代半ばから90年くらいをピークにその後は冷戦終結を受けて減少しているのがよくわかるだろう。そういや「1985年軍事危機説」なんてのもあったな。あれも今は昔の話か……。で、現在陸自は一千台余りの戦車を保有しているとのことだ。

 

次に、1階に降りると、ミリタリーオタク狂喜乱舞の兵器展示ゾーンである。最初にでーん!と構えているのが、現在主力となっている90式戦車。アメリカのM-1エイブラムスやドイツのレオパルド2と同等の性能を誇る、いわゆる「第三世代戦車」というヤツである。右の写真は120mm主砲用の徹甲弾。こんなのが超音速で飛んでくるのだから、10cmやそこらの鉄板でもひとたまりもなかろう。


左の写真は、対戦車ヘリコプターAH-1S“コブラ”。これと90式戦車が本当にくっつきそうな至近距離に並べてあるのが何とも不思議な配置というか。右の写真は、機関銃やバズーカといった歩兵の武器や空挺部隊の装備。でかい背嚢。重そうだな……。ちなみに、陸自唯一の空挺部隊としては習志野に第1空挺団というのがあって、ここはラグビーチームがけっこう強かったりもする(関東社会人リーグ所属)。


左の写真の爆弾は、埼玉県で掘り出された太平洋戦争中の不発弾だとか。2000ポンド爆弾。2000ポンドくらいの大きさになると大型の爆撃機じゃなきゃ積めないから、おそらくB29が落としていったのだろう。こんなのが炸裂したら、それこそ周りの人間などひとたまりもなかったはず。爆発せず埋まっていたっつーのも恐ろしい話だ。隣にあるのは偵察用オートバイ。

右の写真は「3Dシアター」だが、この日は調整中とのことでちょっと残念。以上紹介したほか、この展示ゾーンには射撃シミュレータやフライトシミュレータ、それから服装体験コーナーなんてのもあった(「あなたも陸上自衛隊になれる」とか何とか書いてあったような(笑))。各コーナーを案内してくれるのも、皆さん現役の自衛官の方のようだ。ご苦労様です……。



さらに、屋外に出てみると、広場にズラリと陸自の装備車両が展示されていた。左から、多目的ヘリUH-1H、75式自走式155mmりゅう弾砲、94式水際地雷敷設装置、87式自走高射機関砲“スカイシューター”、89式装甲戦闘車“ライトタイガー”、96式装輪装甲車“クーガー”、74式戦車、74式自走105mmりゅう弾砲。「水際地雷敷設装置」ってのは初めて見たな。半分船のような形をしていた。


74式戦車。当時の西ドイツ駐在武官堀栄三氏(太平洋戦争時、情報参謀として「敵軍戦法早わかり」という有名な冊子を作った人)が持ち帰った技術を基に作られた、純国産傑作戦車。僕が1974年生まれというのもあるし、小さい頃これのラジコンを持っていたこともあり、何となく馴染み深い機種である。起伏に富む日本の地形に対応するために油気圧式のアクティブ・サスペンションを採用していたそうな。

「そういや、この手の車両の後ろ側ってあんまり見たことがないな」と思い、回り込んで撮ったのが右の写真。96式装輪装甲車の後方、日の丸の下に「JAPAN」の文字とともに何やらアラビア文字らしきものが書かれていたのは、おそらくイラクのサマワに派遣されていた車両ということなんだろう。いや、装甲車もお疲れさんでした、といったところか。


最後、なぜか建物の脇に地下指揮所のレプリカが造ってあったのでもぐってみた。いきなり迷彩服を着たマネキンが立っていたので、ちょっとビビった(笑)。アイテムとしてノートパソコンが真ん中においてあるのが現代風味だが、まあ要するに地下壕というヤツだな。僕は狭い所が苦手だから、こういうのもちょっと駄目だな。硫黄島の話なんて聞くとゾッとするよ。



当たり前だが、朝霞駐屯地は第1師団が日夜訓練や教育に励んでいる基地であり、広報センターの外にはトラック等がズラリと並んでいた。もっとも、もう夕方に近かったせいか、あちこちで隊員たちがまばらにジョギングしたり、どこかからラッパの音とかが聞こえたり、何となくのどかな雰囲気も。まあ、こういう場所が殺気立っているような状況はどう考えても良くはないのだから、これは「これで良し」。お疲れさんです。

帰り、入口近くの土産物コーナーをのぞいてみた。なんか、ビックリするくらいに「陸上自衛隊オリジナルグッズ」が並んでいた(詳しくはこちらで)。特にお菓子の類はネーミング的にも中身的にも魅力的で、「自衛隊ケーキ班バナナ隊員」なるものには思わず手が伸びかけたのだが、カミさんの呆れた表情が頭に浮かんでやめてしまった(笑)。

ちなみに(こればっか)、この広報センターのマスコットキャラは「りっくん」と「あさかちゃん」。ミもフタもない名前だな、と思わないでもないのだけれど、こういう直球勝負はけっこう好きである(笑)。そういえば防衛省・自衛隊のイメージキャラクター(?)で「ピクルス王子」「パセリちゃん」というのがあったはずだが、彼らの姿は全く見かけなかったなあ。まさか、旧軍の「陸海軍反目」みたいなことが起きているのではあるまいな。


とにかく興味深い施設だった。防衛庁も防衛省になったことだし、賛否両論あれど、ちょっと自衛隊を色々と見てみたいな、という気になっていたから。また市ヶ谷の見学を申し込むか……広報センターでもらったチラシには「戦車試乗ツアー」なんてのも書いてあったな……いや、いっそ富士総合火力演習か……って、それじゃただのミーハーじゃねえか(笑)。

なお、僕はあくまで平和を愛する戦車愛好者なので、くれぐれも誤解なきよう。

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コメント

ご紹介ありがとうございます。大変光栄でございます~。

「りっくんランド」、なかなかおもしろいですよね~。私が最初からスルーしてしまった資料展示コーナーもちゃんとご覧になっているのはさすがです。「総合火力演習」もまた見に行ってみたい……(ただのミーハーです)。

で、まもなく開幕ですね。今年は昨年よりいい年になりますように!

>つぴぃさん
こんにちは。サイトはいつも拝見させていただいております・

この広報センター、いいですよね。気軽に見れるところが。自衛隊についてはその存在意義やら規模装備あり方やらについて色々と議論や意見はあると思いますが、とにかく今の日本に存在して役割を果たしているものですから、まずは知ることからはじめないと。

……なんつって、ホントは本文にも書いたように、ミーハーに戦車見たかっただけなんですけどね(笑)。

>今年は昨年よりいい年になりますように!
まったくです!

自衛隊も軍隊も戦車も戦闘機も大好きなwけんぴです。

習志野のエリート精鋭によるラグビーチームがあったのですね。
下部組織(?)である防衛大学のアメフト部も、結構骨太なチームでした。手堅いしハンパ無く硬いし。

朝霞は仕事中によく通るので、今度行ってみます。
…仕事中にw

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