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2007年02月03日

●気の毒なケース

ラグビー日本選手権1回戦をJSPORTSで録画観戦。九州電力 36-33 早稲田大学。九州社会人の雄・九電とワセダとの対決は、両者怪我人続出でベストメンバーを組めない状況ながら見応えのある接戦に。結果は九電の貫禄勝ちで、早稲田2年連続の社会人食いはならず。


実はこの試合、事前にニュースで結果を知ってしまったのだが、スコアを見た瞬間に抱いたのは「意外だな」という感想だった。昨年ほどの強さはなく大学選手権優勝も逃した早稲田だけれど、トップリーグの上位ならともかくその下のカテゴリーのチーム(来季昇格が決まっているとはいえ)には勝てるだろうと思いこんでいたのだ。

中竹監督には同情を禁じえない。

結果敗れたとはいえ、ほぼ互角の内容だった。スコア的にもわずか3点差。3年ほど前まで大学チームが社会人に全く歯が立たなかったことを考えれば、満足とは行かずともそこそこ納得のいく結果のはずである。でも、昨年トヨタに勝って東芝に健闘したことでファンの期待値は上がっているはず。僕と同じく「あ~あ」と思った人は多そうだ。

また、中竹監督の「キャラ」が前任の清宮氏とは正反対なのがまたなんとも……。苦労人(キャプテン時代、どうしても明治に勝てなかった)らしく、真摯な顔つきに悲壮感も漂う中竹さんに対し、清宮さんは常に自信満々で余裕の表情を浮かべていた。もちろん知名度や一般受けという面からすれば、圧倒的に後者が上である。

つまり、中竹監督のチームは絶対値としては決して悪くない成績なのに、どうしても「清宮ワセダ」の実績と比べられてしまうがゆえに、実体よりも低い評価を受けてしまう恐れがある、ということ。実際秩父宮のスタンドなどで耳にするファンの声は中竹さんに対して非常に厳しい。「弱くなったのは中竹のせい」と断言している人もいた。

へそ曲がりとしては、今日の結果を意外に思った自分の事は棚に上げ、中竹監督を庇いたくなってしまう。そりゃ確かに去年よりは弱いのかもしれないが、学生ゆえの選手の入れ替わりもあるのだし、まして監督一年目、ここで駄目出しをしてしまうのはちょっと早いというか、アンフェアな気さえしてしまうのである。守備の脆さ云々も、今年いきなり始まった問題でもなかろうよ。

ごめんね、中竹さんと早稲田の選手たち。


まあ、こうした「輝かしい前の時代」(それが本当に輝かしかったかどうかはともかく)と比較されることで現在の人間が不当に低い評価を受ける、という現象は、早稲田やラグビー、いやスポーツの世界に限らずまま見られることではある。ある程度は仕方のないことなのかもしれない。でも、やっぱり気の毒だと僕は思ってしまう。

去年のFC東京の監督とかもそうだが。

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コメント

途中まで読んでガーロ監督のことを思い浮かべていたら、やっぱりそのオチですか。(笑)

中竹監督にしても、東条主将にしても勝運が無いっぽいですよね。

そこを百戦錬磨の老将にしてやられた感がありましたね。

まだ、今年はスターバックスがいましたが、その大半が抜け、よりいっそうスケールが小さくなったチームをどう立て直すか中竹監督の真価はそこでこそ問われるべきでしょうね。

>やっぱりそのオチですか。(笑)
わしゃけっこうしつこいよ(笑)。

エルゴラの東京系コラムとかではネガティブキャンペーンがまだ続いてるみたいだし。

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