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2007年01月03日

●ワセダ強し、はいいのだけれど

昨日のラグビー大学選手権準決勝、第1試合の関東学院 34-3 大体大は思いっきり見逃し、第2試合の早稲田 55-12 京産大はカミさんの実家でテレビ観戦となった。結果は関東学院と早稲田がともに快勝し、これで決勝は6年連続同じカードとなったのだけれど、少なくとも第2試合は見た目のスコアよりも締まったゲームだったように思う。


大畑組以来9年ぶりに準決勝に進出した京産大は、とにかく自分たちの長所(重量FW!)を前面に出そうとしていた。スクラムでのプレッシャー、ラインアウトからのモール攻撃、そしてしつこい近場の突進。それに思い切りよく面でぶつかるDFが加わって、序盤は優位に試合を進め、インターセプトから見事なトライも奪って見せた。ひたむきさもあり、好感の持てる戦いぶり。前半半ばまでは「あるいは」とも思えるような出来だった。

だが、やはり早稲田は一枚上手だった。立ち上がりこそ受けに回って反則を連発したものの、京産大のキック処理ミスにつけ込んで次第にペースを握る。突進を確実に止めては巧みにボールを絡め取り、敵陣では逆にドライビングモールを多用してFWの足を止める。そして逆転して以降は、中竹監督の指示通りテンポよくボールを動かし続けてついに京産DFを崩壊せしめた。終わってみれば大差の圧勝。うーん、強い!


早稲田の長所を挙げればきりがない。才能溢れるハーフ団をはじめくまなく配置されたタレント、パス攻撃と密集戦のバランスの良さ、そしておそらく日本の全チームの中で一・二を争うであろう、ボールを細かく速く動かす能力。加えて、この試合で実証されたように相手の長所を消し込む対応力もある。まったく学生らしからぬ「大人のチーム」である。清宮前監督が築き上げ、昨季のトヨタ戦勝利に結実した土台は健在のようだ。

もっとも、僕としては、その早稲田の「圧倒的強さ」が何となく気に入らなかったりするのだから、我ながらあまのじゃくというか何というか……(笑)。今の強さは早稲田っぽくないというのかな、チームの各要素を万遍なく強化したら今のチームになりました、みたいな感じである。例えば、昔は「メイジの強力FWにワセダの展開ラグビーがどう対抗するか」という見方が確かに存在したんだけど、今の早稲田FWは明治にも決してひけをとらないだろう。

もちろん、ここ数年の早稲田の強化方針というのは王道とも言えるもので、決して間違ってはいない。ただ、おそらく僕自身に平尾ジャパンあたりの「総合的な力を上げる」方針に対するトラウマがあって、「限られた特殊な武器で立ち向かう」昔の早稲田のイメージをジャパンの「あるべき姿」に重ねて感情に期待するところがあるんだよね。早稲田もFWが強い時代があったんだし、早稲田ファンにとってみれば言いがかりでしかないだろうけど。

まあ、あえて言うならば、いつまでも「早稲田×関東学院」が続いてちゃいかんだろう、という思いもあるのだが、これも実際その両校が強くて勝ち進んでいるのだから仕方がないわな(笑)。法政や慶応や明治にはもっと頑張ってもらわないといけない、ということかな。結論は。全ての要素で早稲田が互角以上の横綱相撲になっては「特殊な武器」とか「早稲田っぽい展開ラグビー」とかが表に出てくるわけないもんね。

だから、来るべき日本選手権においては、トップリーグのチームは2年続けて金星を献上するのは許されないという強い気持ちで早稲田との戦いに臨んでほしいと思う(実際に勝敗がどうなるかは別として)。そもそも「いくら何でも学生に負けてはいけない」と思うし、また、「自分よりも強い」相手との戦いでないと、今の早稲田のポテンシャルをもって「早稲田らしい」ラグビーは見ることはできないのではないかと思うから。


……とかいって、こんな風にさんざん「早稲田強し」を煽って、大学選手権の決勝でコロッと関東学院に負けたらどうしよう(笑)。まあ、普通にやれば勝つでしょう。五郎丸あたりのハイタックルやヘタレタックルの悪癖が出なければ。

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コメント

年明け早々ドログバのアップで笑わせてもらいました。

>>コロッと関東学院に負けたらどうしよう(笑)。

今年は分からんよ。去年のような反則的な強さはないから。

>>五郎丸あたりのハイタックルやヘタレタックル

1対1でのディフェンスに難ありだよね。確かにキックの処理は安定しているのだけど。
前から思っているのだが、CTBで使ったらどうだろう?
そしたら、敵のDFを引きずりながら突破する彼の長所がもっと出るような気がするんだけど。

>早稲田の「圧倒的強さ」が何となく気に入らなかったりするのだから、我ながらあまのじゃくというか何というか……(笑)。

早稲田ファンの俺でもそう思うよ。
ちょっと前までは、体格、素質に劣るプレイヤーが創意工夫で立ち向かうというロジックがあり、なによりその先にジャパンの幻影も見えたしね。

>ここ数年の早稲田の強化方針というのは王道とも言えるもので

○芝生のグラウンドに代表される練習環境の充実

○クラブが欲しい人材のスカウト

○フルタイム監督の的確な指導

まさに天地人を抑えてるよね。でも、恵まれすぎだと、恵まれない日常を過ごしている我々下々に取っては感情移入ができにくいという弊害を持ってますね。

まぁ、チームにとってはそんな感情移入は迷惑なんだろうけど。(笑)

>来るべき日本選手権においては、トップリーグのチームは2年続けて金星を献上するのは許されない

っていうか、今の早稲田はトップリーグでも中位に入る実力があるのだから、金星でもないような気がw
ま、社会人がそれじゃダメなんだけどね。

>「自分よりも強い」相手との戦いでないと、今の早稲田のポテンシャルをもって「早稲田らしい」ラグビーは見ることはできないのではないかと思うから。

全面的に同意。っていうか、現状だと社会人相手じゃないといまいち感情移入できないんだよね。

>ドログバのアップ
あれは秘蔵の写真よ(笑)。

そうなんだよな。五郎丸は一対一、もしくは「点でしとめる」タックルがイマイチなんだよね。CTBか……なるほど、アウトサイドだと面白いかもね。

ただ、あの突進力を考えると、せっかくだからスピードに乗ったところでDFラインとぶつけたい、という考えもある。あと、キック処理が比較的安定しているというのは日本のBKでは貴重だから、そうなるとやっぱFBかな。

いや、いっそオープンサイドフランカーとかどうだ(笑)。走力が足りんか。

>現状だと社会人相手じゃないといまいち感情移入できない
現監督の中竹氏がキャプテンの頃は、考え得るあらゆる努力を講じても、明治とどっこいどっこいか惜敗がいいところだったのにね(笑)。

まあ、関東学院に勝つにせよ負けるにせよ、「社会人相手にどれだけやれるか」が問題のチームであることは間違いない(その結果はともかく)。これはすごいことだ。

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