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2006年11月05日

●これぞ怒濤の大勝!! (FC東京×バンディオンセ神戸)


昼間、味スタで天皇杯4回戦。FC東京 7-0 バンディオンセ神戸。どうもJ1昇格以降苦戦続きの感がある天皇杯初戦だが、今年は地域リーグの雄バンディオンセが相手。ベスト、とまでは行かずとも十分に良いメンバーを組めた東京の攻撃力が爆発し、なんと7得点を奪う大勝となった。こういう「実力通り、貫禄の勝利」は案外貴重なものである。


キックオフ後しばらくは神戸の意気込みの前にやや押され気味、増嶋と伊野波の若いCBコンビの走り回る姿が目に付くが、東京側も次第にパスがつながり始め、憂太の左足ミドルがバーを叩いたあたりから攻撃が加速する。17分、左CKで憂太が大きくドロップする弾道のキック、ファーサイドで増嶋が頭で叩きつけてゴール右隅に決まる。意外とあっけない先制点。あれこれ言われがちな増嶋が入れたのは、いいことだ。

こうなると東京が波に乗る。東京は今野と憂太が絶好調。今野は前に出る守備で相手の攻撃をつぶしまくり、憂太はルー・川口・吉朗、そして追い越す今野とターゲットにも恵まれて、鋭いパスで次々にチャンスメークする。しかし、その好機をアタッカーがなかなか決められない。川口が巧みなステップでDFをかわした場面はシュートをGKに当ててしまい、吉朗もどフリーのシュートをキックミスしてしまう。

そうしているうちに神戸も息を吹き返し始め、サイド攻撃から何度かいい形も。和多田のロングスローやシュートにスタンドがどよめく。和多田はさすが異能の元Jリーガー、気迫むき出しのプレーで堂々とチームを牽引していた。東京の追加点はようやく33分になってから。今野の出足良いパスカットから阿部が中央をドリブルで持ち上がり、DFを引きつけたところでルーカスへラストパス。きっちり決めて2-0。ホッとひと息。

これで落ち着いた東京は、余裕の試合運びを開始。前に出られない神戸に対し、焦らずパスを回して穴を探り続ける。全く無理をする必要のない相手であり、試合展開であったのだから、これは当然のこと。ただ、梶山のパスミスもあり、スタンドからは不満の声も。ファンは貪欲というか何というか……。43分、吉朗の仕掛けからこぼれてきたボールを、憂太が「これで文句ないだろ」とでも言いたげにゴール右上へ突き刺して3点目。


後半に入っても依然として東京ペース。50分、後方からの浮き球でDFライン裏に抜け出した憂太が力強いドリブルでボックス内へ突入、冷静にGKの脇を抜いてゲット。よーし!その後の憂太はやや省エネちっくなプレーもあったものの、66分に池上と代わるまで攻撃のコンダクターとして活躍し続けた。交代前にはミドルシュートをまたバーに当てる場面があり、あれが決まっていればハットトリックだったが……惜しかった。

60分、川口OUT、規郎IN。規郎は先日のガンバ戦で自信をつけたのか、積極的なプレーぶりが目立つ。62分、右からのクロスでゴール前混戦になったところ、左サイドからきっちり詰めて蹴り込みゲット。5-0。さらに70分には、強引なドリブルでボックス前まで持ち上がり、素早く左足を一閃!低く鋭い弾道にGKの横っ跳びも届かず、左隅に決まった。なんか、彼の左足はかなり「実戦仕様」になってきたようである。

憂太→池上の交代以降、吉朗・ルーカス・規郎の3トップを後ろから池上・宮沢・今野が支えるような形で東京の攻勢が続く。東京アタッカーの突進力に神戸DFのカバーリングが追いつかず、裏をとりまくりである。そんな中、決めそうで決められなかったのが吉朗。胸トラップでDFをかわして撃ったボレーはバーを越え、他にもシュートできそうでしきれず、というのが何回か。積極的にゴールへ向かってはいるのだが……。

終盤は「規郎のハットトリックなるか」に注目して観ることに。ひとつ、「これは行ったか?」という絶好のシュートチャンスがあったが……ふかしてしまった。キミねー、なかなかないのよ、公式戦でハットの機会なんてー(笑)。で、頭を抱えていると、85分に今度はルーカスが2点目のゴールを決めた。なんと7-0。7得点も、3人の選手が2得点も、FC東京の公式戦では初めて見たかも。結局、上機嫌のまま試合終了。7-0だよ、7-0!!



相手が地域リーグのチームで力の差はあったとはいえ、危なげない大勝は素直に喜びたい。何しろ、スッキリしない試合が続く最近の東京だから……。攻守ともに大きなミスはなく、点差がつき始めててから相手をいなすようなパス回しが見られたのも良かったと思う。この試合で得た「感触」を、今後の戦いにつなげてもらいたい。課題は、DFラインの連携を上げることと、攻撃で有効な楔のボールを増やすことだろうか。

個々の選手では、今野は相変わらずの大黒柱ぶりで、塩田や伊野波、藤山、ルーあたりも普段どおりの力を出せていた。増嶋と徳永は裏をとられがちなのが気がかり。梶山は、ちょっと彼の日じゃなかったかな。川口はシュート以外はいい出来。宮沢はプレッシャーが弱い中だとパス能力が生きるな、と。池上はもうちょっと見てみたい。心配なのは阿部吉朗で、どうもゴールゲッターとしての勘が錆びついてしまっているようだ。

そして、個人的なひいき目もあるにせよ、憂太と規郎は壮快だった!!規郎の2点目は、時間もスペースもない中でいいコースに鋭いシュートを飛ばしたもので、「一皮剥けたな!」と思えるプレー。憂太は、今日はやや省エネモードだったが(笑)、きっちり仕事をしてみせるのはさすが。頼れる男である。ただ、一つ苦言を呈するなら、前半の警告はまったく余計なもので、今後を考えても反省材料だと思う。倉又監督、そこんとこヨロシク。

しかし、今日の試合なんか観てると、石川や赤嶺や茂庭はともかく、このチームのどこに平山が入ればいいのか、ちょっとイメージがわかないのが困ったものだ……。

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コメント

残念ながら味スタ観戦は出来なかったのですが、サイトで確認して、そりゃあもうびっくりしました…!今回の憂太は省エネモード(巧い!)だったんですね、しかし…2点も決めるとは、大宮戦で魅せた成長ぶりを再確認出来たことと思いマス。規郎も復帰後、いい調子を保っているし、やっぱりルーカスが決めてくれるとほんとに嬉しい♪もちろん増嶋の先制点も♪
ああ、行きたかったです…とほほ。

それは残念でしたね。滅多にないお祭りだったのに(笑)。みんなノビノビとやってくれていて、見ていて気持ちが良かったですよ。

憂太は、まあ省エネモードというか、途中からは勝敗の方が特に問題になるレベルじゃなかったので気持ちが攻撃の方ばかりに行っていた、と言った方が正確かも(笑)。

規郎とルーカスはノリノリでした。増嶋もなんだかんだで先制点ゲット&完封だったし。あとは吉朗&川口さんが決めてれば……って、それこそ2桁行っちゃうか。

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