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2006年10月24日

●勝ちに不思議の勝ちあり(笑) (FC東京×ガンバ大阪)


日曜日の午後、味スタでJ1第28節。FC東京 3-2 ガンバ大阪。もう半年近くも味スタで勝ち星のない東京。2位ガンバ相手に順当に(?)失点を重ね、完敗を覚悟せざるを得ない展開だったが……まさかの大どんでんがえし。残り15分で一気の3得点。3万6千の大観衆を前に、劇的としか言いようがない逆転勝利を収めたのだった。わっはっはーのはー、である。


前半キックオフ直後は、東京が前がかりに攻めたてた。この日はファン待望(?)平山・ルーカスの2トップでスタートである。7分、CKのはね返りを梶山が拾い、右サイドからDFをかわしつつゴールライン際をスルスルッと切れ込んで狙いすましたマイナスのクロス。平山がダイレクトのシュートをきっちり枠へ飛ばしたが、ガンバDFが横っ跳びのブロック。なんとも惜しい場面だったが、いい感じの立ち上がりではあった。

しかし11分、マグノ・アウベスのクロスに対してCB伊野波がかぶり気味になり、播戸が胸トラップから素早いモーションのボレー一閃、ゴールネットが揺れてガンバ先制。思わず言葉を失う圧倒的なシュートだった。続いて24分には二川のロビングに反応したマグノ・アウベスがDFの間を割ってボックスへ突入、巧みなシュートで土肥の脇を抜いて2点目。チンチンにやられたわけではなかったが、決定力を見せつけられる2失点だった。

その後もガンバペースで試合は続く。ガンバはさすがに優勝争いをしているチーム。中盤でしっかりボールを回して機会をうかがい、DFに穴が空くや播戸・二川・マグノの思い切った仕掛けで攻め寄せる。ただ、幸いだったのは、ラストパス前後の連携にやや雑な部分があり、いい形を作りながらもなかなか決定機に至らないこと。パスの精度がもう少し良ければ、FWの意図がもう少し合っていれば、という場面が幾度かあった。

もっとも、東京側はチャンスを作るのさえ一苦労の状態。連動性ある攻めもほぼ皆無。中盤で今野が、右サイドで石川が孤立しながら奮闘する姿が目立つ。平山にはボールが収まらず、ルーカスもよく動くがそこから攻撃が展開しない。赤嶺-ルーのコンビがハマっていたのに対して、この日の2トップがイマイチなのは……平山のせいというより動きの相性の問題か。こうしてみると、倉又監督が併用を避けていたのもわかるような。


後半もガンバ優位の流れは変わらない。ここで3点目が入れば試合は決まっただろうが、ガンバのフィニッシュの甘さ(とクロスバー)に助けられて何とか2点差を保つ。54分、平山に代えて憂太投入。とにかく攻撃を作る、という意味では妥当な采配。しかし、憂太は自前のテクニックを生かしてキープはするものの、味方が「笛吹けど踊らず」状態で出し所に困り、結局ロングシュートや淡泊なパスばかり。ルーの突破から石川を狙うクロスもわずかに合わず。

64分に戸田→規郎の交代が行われる頃になると、ガンバも攻めの人数を減らして守りに入ったように見えたが、かえってカウンターの脅威は増した印象。72分には温存なのか、盛大なブーイングを浴びながら播戸が交代。その直後に二川のラストパスでマグノ・アウベスがDF裏に抜け出す場面もあったが、これはマグノのトラップミスと土肥ちゃん懸命の飛び出しで何とか助かる。76分には、梶山に代えて宮沢投入。

77分、流れが変わり始める。藤山のGKとDFの間を狙った(のか(笑)?)ロングフィードで抜け出した今野がトラップでGKを外し、無人のゴールに蹴り込んで1点差に。これでスタンドは大いに盛り上がり、俄然イケイケムードに。ただし、ピッチ上では東京が圧倒、というわけにも行かず、まだガンバは落ち着いてパスをつないでいる。正直、この時点ではガンバの3点目と東京の2点目の確率は五分五分に思えた。

そこで飛び出したのが81分の同点弾。左サイドでパスを受けた規郎がゴールへ向けて突進、戸田とは異質の動きに戸惑ったのかDFの寄せが甘くなり、コースが開けたところで左足一閃。次の瞬間、横っ跳びのGK藤ヶ谷の指先を通過したボールはゴール右上隅に突き刺さっていた。文句なしのスーパーゴール!!迷いない動きに期待が高まってから糸を引くようなシュートが決まるまで、まさにスペクタクルの数秒間。

ここからはもうノリノリ。東京はボールを奪うやファンの大声援にも後押しされてサイドから次々に仕掛けていく。そして84分、左サイドでDFに挟まれた今野がボールを失わずつなぎ、規郎が縦方向のドリブルから狙いすましたグラウンダーのクロス。これをボックス内でDFの間に入っていた石川が巧みに足下へ収め、藤ヶ谷の脇を抜いてゲット。逆転!!跳び上がってガッツポーズする石川、次々と抱き付くチームメイトたち。胸が熱くなる光景だった。

負けられないガンバはDF宮本に代えてFW中山を入れる攻撃策に出るが、時既に遅しと言うべきか、無理めでぎこちないパス回しは逃げ切りを図る東京DFを崩しきれず、頼みのマグノ&両サイドも疲労が著しい。ロスタイム、東京ゴール裏の歌う「You'll Never Walk Alone」(素晴らしい雰囲気作りだったと思う)の流れる中、マグノ・アウベス渾身のFKも土肥が弾き出し、ついに終了のホイッスル。ひっさしぶりの味スタ勝利である。



ガンバ大阪にしてみれば、まさに痛恨の敗戦だろう。試合の大半を支配しながらも3点目が奪えず、終盤息切れ(播戸は怪我?)しての逆転負け。攻撃の詰めの甘さや攻勢時の押し上げの少なさは、やはり遠藤の欠場が影響していたのだろうか。これで浦和とは勝点差6の崖っぷち。昨年は終盤東京に痛い黒星を喫しながら、最終戦で東京がセレッソと分けて救われたが……さて、今年はどうなるか。ホーム最終の浦和戦が鍵になりそうでイヤな感じ(笑)。

FC東京の側にしてみれば、「思わず笑っちゃう」勝利だった。残り15分までは攻撃が不調、交代策も目に見えて効いた風でもなかったが……この「だーいどーんでーんがーえし!」(←ねるとんの貴さん風…って古いな僕も)である。「勝ちに不思議の勝ちあり」と言ったら言い過ぎになるだろうか。まあ、久々の3万超大観衆を喜ばせることができたのは良かったし、石川や今野の奮闘が最後になって報われたのも何よりだった。

勝利の殊勲者は規郎。あの、目を見張らせるミラクル弾丸シュート。難しい角度だったが、だからこそDFも意表を突かれたはずで、規郎らしい突撃精神がいい方向に出た例か。さらに特筆したいのは決勝点のクロスで、落ち着いて石川を狙いすましたのは「らしくない」好判断(笑)だったように思う。規郎好きとしては嬉しい限り。もちろん、規郎のクロスを落ち着いて決めた石川も、試合全体を通してどうにかチームを支えた今野も素晴らしかった。

皮肉っぽい見方をするならば、(届かなかった鹿島戦と同様に)最後の15分間だけで帳尻を合わせたとも言えるし、シーズンを通して見ても「年に数度の大爆発」ファンをコロッと騙す雰囲気的に帳尻を合わせてしまうお家芸(笑)はいかがなものかと思わないでもないけど、それはこの試合の勝ち負けとは別次元の課題なのだろう。これで残留争いからもようやく脱出することができそうだし、とりあえずは良かった。


これからは、来季に向けた戦いが始まることになるのだろうか。そうあってほしい、と思う。

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コメント

あの時間帯以外は内容グダグダでした。でもいいや。今回はw。

次はミヤの直接FKが見たいです。小林大に仕返しせにゃぁ!

>でもいいや。今回はw。
そうそう、今回は、ね。とりあえず残留へ向けた大きな一歩だったわけですから。

まあ、大宮戦は、去年の秋の駒場と同様、チームが調子を取り戻すきっかけになってほしいものです。

新しくホームページを立ち上げたので
リンクさせてください。
http://members.goo.ne.jp/home/taiko28

ガンバ戦は前売り完売だったのであきらめて
TV観戦しました。
がらすきの状態に口アンぐりです
まあそれでもホーム側はいっぱいだったもたいですね。

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