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2006年10月16日

●「大竹伸朗 全景」とか


一昨日は、久しぶりに木場の東京都現代美術館(通称:MOT)に行ってきた。


現在の企画展は「大竹伸朗 全景 1955-2006」。いや、さすが80~90年代の日本現代美術界を代表する作家の回顧展とあって、地下2階から3階まで難解……というより「こりゃナンダ」という奇天烈な作品がびっしり。最後まで見終わって会場を出る時には「いやあ、現代美術観ちゃったな」と妙な充実感が(笑)。

まあ、要するに、世間的にイメージされるところの「いかにも現代美術」なモノが並んでいる展覧会である。子供時代の落書きから最新作まで、それこそ多種多様な作品が並んでいるのだけれど、やっぱり単なるペインティングよりもインスタレーションとか立体絡みのものの方が「いかにも現代美術」的な「違和感」を味わえて良かった。

気に入った作品は、下に挙げる5つ。

『ギターを弾く血まみれのミスターピーナッツ』(だっけな?題名ややうろ覚え)
『ラビッシュ・メン』
『ぬりどき日本列島』シリーズ
『零景』
『宇和島駅』

特にウケたのが『宇和島駅』で、美術館の建物の上に「宇和島駅」というネオンサインが立っているだけのもの。危うく見落としそうになった(知らないまま帰る人も多いはず)けど、帰り際に気づいた時は思わず吹き出してしまった。「なんで駅(しかも宇和島)やねん?」と。マルセル・デュシャンじゃないけど、こういうのを見るとつくづく現代美術は「ネタ勝負」だなあ、と思う。

地下2階のアトリウムでは『ダブ平&ニューシャネル』という遠隔操作による巨大な自動演奏バンドステージ(と文字で書いても何がなんだかわからないが、これだ)の実演展示があったのだが、操作は大竹さんご本人がされていた。いかつさとシャープさの両方が感じられる風貌の方ですな。演奏はかなりの大音量でなされていて、監視員の方はけっこう大変そう(笑)。


続いて、常設展示室。前はただ年代順に並べるだけの味気ない展示という印象だったのだけれど、この春から「MOTコレクション」と題して特集展示など展示の仕方にテーマ性を持たせることで、けっこう改善された印象。ここも、あんまり難しく考えることなく「違和感」を味わえればそれでいいのだと思う。おそらくは、その感覚こそが現代美術の魅力の本質だから。

お気に入りの作品は、下記のとおり。

ナム=ジュン・パイク『TV時計』
荒木珠奈『Caos poetico(詩的な混沌)』
宮島達男『それは変化し続ける それはあらゆるものと関係を結ぶ それは永遠に続く』

『Caos poetico(詩的な混沌)』は「みんなのなかにいる私」という特集展示の中のインスタレーション。これが素晴らしかった。室内に張り巡らされた電線に無数の箱がぶら下がっており、それぞれの箱から様々な色の光が漏れている。作者のメキシコに滞在時、電柱から無断で電線を引き明かりを取る家々の光景からインスピレーションを受けたとか。人々の住む、この世界の美しさを再確認できる空間。感動した。



帰り道は、(いつもそうだが)大江戸線&半蔵門線の清澄白河駅まで10分余りの歩き。この道が、商店街になっているんだけど、深川江戸資料館があったり深川丼のお店があるくらいで、いかにもな下町っぽさなのよ(そしてやや寂れかけている)。「現代美術館」とは超ミスマッチングな(というよりこういう場所に現美作るなよ、という)癒しの空間。洒落た公衆便所もあり。

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