●UCI世界自転車選手権2006
JSPORTSの録画で、UCI世界自転車選手権2006男子ロード。サイクル・ロード・レースの世界王者を決する戦いは、265kmの長丁場。序盤の逃げから中頃でのプロトン加速→合流、終盤のアタックの連続と、さすがに目まぐるしい攻防が繰り広げられた。勝ったのはパオロ・ベッティーニ。ここ数年「失敗」続きだったイタリアが、待望のアルカンシェル獲得である。
ベッティーニの優勝自体に驚きはない。2度のキツい上りを含んだ周回コース、頻発するアタック、そして少人数でのゴール・スプリント。まるで彼に「勝ってください」と言わんばかりの展開だったのだ。ビックリしたのは、ゴールした後のベッティーニとチームの喜び方。泣いて叫んで抱き合って……ツール優勝より嬉しそうなくらいじゃないか!「これです。これが世界選手権なんです」との栗村さんのコメント通り。なるほど特別なレースなのね、と納得。
加えてこのレース、表彰台のメンツにまた味があった。2位がツァベルで3位がバルベルデ。2人ともさぞかし悔しかったろうに、ゴール直後も、表彰台でも、笑顔でベッティーニを讃える様はなんとも爽やかな光景だった。あれが本当のナイスガイ、というヤツだな。個人的には、おそらく最後のチャンスであっただろうツァベルに勝たせてやりたかったけれど……自分の銀メダルをチラッと見るツァベルの表情にはちょっと哀愁が漂っていた。
それにしても最後のゴール前、スペインのバルベルデ-ゴンザレスのラインが集団から抜け出した時、あとの2人はよくぞ反応したものである。もちろんベッティーニやツァベルはコース的にも向いていて、脚も残っていたのだろうけども。さすがに32歳と36歳のベテラン、だてに歳はくっていない。経験と、それに加えて大いなる勇気もあった、ということになるだろうか。
ブエルタに引き続いて、興奮させられる展開と素晴らしい技術・体力・精神力、そしてビッグネームによる紙一重の勝負。いや、実に面白かった!!ツール前後のドーピング・スキャンダルを見た時には、「これで(僕にとっての)サイクル・ロード・レースは終わりかな」くらいに思ったものだけれど、なんのなんの、やっぱり自転車は面白い。来年は、日本選手(やはり別府君になるのかな?)がもう少し上位に来てくれるともっと楽しいかな。
あ、それ以前に、JSPORTSさんは、来年もまたぜひ生中継をヨロシク(笑)。
コメント
毎度のコメントで大変失礼ですが…
いい選手っていっぱいいるなぁ、
ってのが今年の感想です。
あれだけエース級がいなくなったにも関わらず、
これだけ盛り上げれるってのは、
自転車界の層の厚いんでしょうねぇ。
そんな私も、今週末は草レース…
人のレース見て云々言ってる場合じゃあなくなってきました…
で、自転車はいつ購入(ry
Posted by: けんぴ | 2006年09月27日 20:26
確かに。去年のツールの表彰台3人が姿を消しているというのに。
ツールの最初頃はまだ「ランス、ランス」って騒いでたような気もしますが、今や中心はバルベルデですものね。
欧州でいかに人気と伝統のあるスポーツか、ということなんでしょう。
>そんな私も、今週末は草レース…
ご健闘をお祈りしております。ママチャリのサドルの上から(笑)。
Posted by: murata | 2006年09月29日 00:54
>来年は、日本選手(やはり別府君になるのかな?)がもう少し上位に来てくれるともっと楽しいかな。
それでも、10年前に比べたら日本人も結構レベルアップしてますよ。だって、残り2周までメイン集団にいたんだもん。それと、ダイジェストであったU-23の方でも日本人が14位にはいるなんてびっくりである。
あと、最後の1周の平均時速はなんなんですかねえ。その前に240㎞走っておいて(しかも、アタックの応酬を繰り返して)時速49㎞って超人と言うより宇宙人ですよ。
Posted by: 玄さん | 2006年10月01日 15:39
>U-23の方でも日本人が14位
新城選手、でしたっけ。確かにエリートのあのレベルと層の厚さを見たら、年代限定とはいえ14位はすごい快挙なんでしょうね。
>超人と言うより宇宙人
いや、だから、ド(以下略(笑))。
Posted by: murata | 2006年10月01日 18:32