うまねんblog

一方のリヴァプールは見事な戦いっぷりだった。前半は自陣に分厚い守備網を敷いてチェルシーの力ずくの攻めを確実に止め、ボールを奪うやカイトとベラミーを走らせて鋭い逆襲速攻。これにジェラードのフォローとワンタッチのコンビパスも加わって次々に好機が生まれる。カイトのバー直撃シュートは惜しすぎ。

ところが、先制点を奪ったのはチェルシー。４１分、ボックス手前でＤＦを背負ったドログバがロングボールを胸トラップ→反転ボレー、ゴール左に突き刺さった。スローで見ると、ドログバはトラップ後にゴールと反対方向に進んでから背中方向に（！）シュートしており、これはＤＦもＧＫもどうしようもない。つーか、チェルシーのＦＷは化け物か？

それでも、後半になってからもリヴァプール優勢の流れは変わらず。おまけに５１分にバラックが相手を踏んづけて一発退場。これもまた「うまく行っていない」感が強く漂う光景であった。で、そこからは１０人になったチェルシーが引きこもり、リヴァプールがかさにかかって攻めたてる。ところが、ここからチェルシーが粘る粘る。

リヴァプールはベラミーに代えてクラウチを投入。スペースがなくなったのでスピード系から電柱へ切り替える、ベニテス監督らしい理に適った采配である。実際、この策は効いた。相手にしてみれば「わかっていても止められない」のがクラウチ大作戦の怖さであって、クラウチがＤＦを引き寄せながらゴール前に落とし、決定的な形が何度か。

しかし、そこで立ちふさがったのが「最後の砦」ＧＫチェフ。至近距離の決定的なやつを２本止めたのもさすがだが、ハイボールの対応もお見事の一言であった。勇気ある飛び出しと鋭いパンチング、そして手にとりもちでもくっついているのではないかというくらいの確実なキャッチング。まったくもって素晴らしいプレーぶりだった。

結局、チェルシーが逃げ切りに成功。これはある意味、理不尽な結果ではある。どう考えても、「内容」で勝っていたのはレッズだったのに……。勝ち慣れている者とそうでない者との差ということなんだろうか。チェルシーにしてみれば、怪我人復帰とコンビネーション確立待ちの状態でこの勝利は笑いが止まらないよな。

ちなみに、解説は原博実さんだったのだが、この人も復帰して半年、そろそろ解説者としての本領が発揮されてきた様子。今までは独特のキャラや話芸（笑）ばかりが出がちだったけど、この試合については両チームの戦術や問題点、プレーや交代の意図についても的確に説明。娯楽性と実用性（？）のバランスがとれてきた感じである。

得点シーンの「こういうボールだけではいくらドログバが強いといったって……あれ……決めちゃった……そう言ったら決めちゃった……だからこれなんだよな～ドログバは～」には大笑い。ここら辺はまさにヒロミテイストだが、確かにあれ決めるとは思わんよなー。視聴者以上に素直に驚いちゃうことで、逆にプレーの凄さを見事表現（笑）。

また、録画を見終わった後にそのままスカパー！をつけていたら、セリエＡインテル×サンプドリアの試合も原さんが解説をしていた。さらに、その後で始まったスカパー！のサッカー情報番組のゲストもまた原さんだった。番組の中でもツッコまれてたけど、いつ寝てるんだ、この人。そして、我が家は１日中ヒロミボイスがＢＧＭに（笑）。