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2006年07月26日

●セレッソ大阪×FC東京 (テレビ観戦)

夜、BS-iの録画放送でJ1第15節。セレッソ大阪 1-5 FC東京。リーグ再開後引き分け→負けと来て、黒星先行の苦しい状況で迎えたアウェイ戦。先制された時はどうなるかと思ったが、ルーカスのゴールを皮切りに攻撃陣が大爆発……というよりセレッソのユルい防御に助けられてイケイケドンドン。20本のシュートを浴びせて大笑いの圧勝。つーか、5点でもまだまだ物足りないくらいだ(笑)。


立ち上がりはセレッソが前がかりになり、しかし東京も着実な防御で防ぐ展開。11分、CKのこぼれ球をキッカーの古橋が拾ってボックス外の角度のないところから思い切ったシュート。ニアに飛んだボールを逆を突かれた(?)土肥ちゃんが止めそこない、セレッソ先制。あの弾道は古橋の狙い通りだったのだろうか(だとしたら恐ろしい男だ)?それまではやや攻め込まれながらも決定機を許していなかっただけに、唐突な失点はちょっとショッキングだった。

しかし、今日の東京は落ち着いていた。ピッチの幅一杯のパス回しからリズムをつかみ、徐々に攻撃の形を作っていく。26分、梶山がオーバーラップする今野に右足アウトの難しいパスを通し、GK吉田の前を横切るクロスをルーカスがDFと競りながら決めた。1-1。その後は完全に東京ペース。時には茂庭やジャーンさえもゴール前に上がる流動性ある動きを見せ、セレッソの粗い防御網を次々かいくぐる。散発的なピンチも、さすがに2度ミスはしない土肥ちゃんががっちりセーブ。

40分を過ぎ、古橋が気の毒なダイビングの判定で警告を受けた(文丈の方がイエロー2枚目で退場になってもおかしくなかった)あたりから、セレッソに集中力を欠いたプレーが増えていく。42分、憂太がDFのタックル寸前で左サイド上がる伊野波にスルーパスを通し、伊野波は中をよく見てマイナスのクロス、ゴール正面へ走り込む梶山がきっちり決めて逆転。2-1。前節とはうってかわって、最高の形で前半を終えることができたのだった。

後半早々、判定に苛ついていた古橋が石川の足下に悪質なタックル、2度目の警告で退場。だが、相手が10人になったことを経験的に喜べないのが東京ファン。実際、攻撃の流れはかえって滞り気味にも見えた。文丈の「帳尻合わせ退場」の可能性も考慮したか、ベンチは宮沢の準備。しかしそこで、ルーカスのタメから今野がオーバーラップで抜け出し、狭い角度からのシュートを逆サイドネットに突き刺した。3-1。これで勝負あり。

その後はセレッソの守備がまったりと崩壊(笑)してしまい、東京が得点を積み重ねていく。65分、右サイドボックス内に走り込む梶山にスローインが直接渡り、折り返しをフリーで走り込む憂太が右足で叩いてゲット。4-1。梶山にも憂太にもマークが付いてないって、ありえんだろ。69分には伊野波の平行クロスを吉田が足に当てながらそらしてしまい、逆サイドの石川がシュート、あっさりゴール。5-1。石川のゴールは嬉しい(ジャーンとルーが胴上げ!)けど、なんだかな~。

終盤は、連戦の疲れに暑さもあってか、まったり度さらに3倍増という感じ。スカスカのセレッソ防御を東京のアタッカー陣が次々破るも、阿部や宮沢がシュートを決めきれず。終了間際の至近シュート連発→全てGK直撃は、あれはコントか何かだったのだろうか(笑)。梶山が不運な接触で負傷退場したり、伊野波が超余計なファウルで通算4枚目のイエローをもらったりで、東京にしてみれば「めでたし」では終わらなかったとも言えるが、ともかく4点差は動かず試合終了。中断明け初勝利である。


東京にしてみれば、特に中断が明けてから憂太のトップ起用・3DF採用で顕著になっている流動性重視路線の、目に見える結果が初めて出たということになるだろうか。目立っていたのは今野やDFのオーバーラップであり、頻繁なポジションチェンジであり、それらにより可能となる縦や斜め方向も交えたパスの「出し入れ」である。つなぐだけの「ポゼッション」にとどまらず、積極的な動きが加わって「ムービング」になった状態。結果として生まれた5人の得点者。いつもこうなら文句なく楽しいんだけどね。

ただまあ、この試合に関してはかなり割り引いてみなければならない、とは思う。それほどセレッソの出来はひどかった。西澤を欠き古橋も己を見失った状態では攻撃が機能するはずもなく、守備は組織力と集中力と粘り強さの全てを欠いていた。東京は5点どころじゃなく7~8点はとれた(とらなきゃいけなかった)とさえ思う。なんか、特に守備の惨状を見るにつけ、小林監督の交代は早まった決断だったんじゃないかとも思ってしまうのだが。他人事ながら心配。

東京の選手を個別に見ると、まず今野の活躍は文句のないところ。思い切った「左中間」のオーバーラップが復活し、「それでこそ今野」という感じである。伊野波は、運動量でもオーバーラップのタイミングでも規郎より上かもしれない(最後の警告だけは馬鹿な振る舞いだったけど)。石川は動きの軽快さを取り戻していて、しかも去年ほど空回りになっていないのがいい。ルーカスはもはや不動のエースか。憂太と茂庭はもっとやれるはずだと思う。

さて、これでホッとひと息……つく間もなく、中2日ですぐに広島戦がやってきてしまう。しかもルーカスと伊野波が出場停止で、梶山も怪我の具合によっては難しいかもしれない。実は、チーム的にはかなりのピンチ状態である。梶山はもしもの時は栗澤や宮沢がいるとして、ルーコンとイノハは今現在容易には代えの利かない選手だろう。左は藤山か、それとも今野か。ストライカーは……吉朗?阿部吉朗か!?

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