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2006年07月20日

●アビスパ福岡×FC東京


昨日の夕方、博多の森競技場でJ1第13節。アビスパ福岡 0-0 FC東京。約2ヶ月に渡るW杯中断明けの初戦。監督交代を行った福岡は目に見える結果(降格圏からの脱出)を、春の戦いぶりにファンから不服の声も上がった東京は目に見える内容の向上を、それぞれ期して戦いに臨んだはずだが…ともに得られず痛み分け、というところか?


あいにくの雨の中、キックオフ。東京は石川・憂太の2トップで3-5-2という新布陣。期待3割不安7割というところだったが…開始早々増嶋のうかつな横パスをカットされてシュートまで持ち込まれ(土肥キャッチ)、いきなり不安が9割を超えた(笑)。序盤は落ち着かない攻め合い。4分、憂太から右へ展開、徳永のクロスからのこぼれ球をルーカスがコースを狙ったシュート、GK水谷が横っ飛びでキャッチ。6分、カウンターから古賀がシュートを撃つがゴール右に外れる。9分には憂太がロングシュートを放つも威力なく水谷キャッチ。

時間がたつにつれ、福岡の優勢が明らかになっていく。高い位置からの組織的なプレスでボールを奪い、ワンタッチ・ツータッチのパス回しで素早く攻める。ソリッドな「いいサッカー」。対する東京は今野1人ではバイタルエリアを埋めきれず、慌てて徳永やCBが寄せてサイドにスペースが生まれ、アタッカーに走りこまれてピンチ、が続く。14分、カウンターでCB陣が釣り出されたところ、左サイドフリーの古賀にパスが通るも、ジャーン必死のカバーでシュートブロック。

15分、左サイド規郎がDFをかわしてボックス付近まで持ち上がるが、クロスはDFがブロック。次のスローインからルーカスが切れ込んでシュートを撃つも、水谷が正面でセーブ。個人技はさほどなくとも理詰めで崩せる福岡に対し、東京は個人技を駆使しないとパスもつなげない。苦しい戦いである。20分、福岡の右CK、ゴールへ向かって曲がるボールに土肥がかぶり気味になり、バーの上へパンチするも当たりが悪くあわやオウンゴール。その後も福岡の攻勢が続き、東京はほとんどの選手が自陣に戻って耐える。前では石川が奮闘するも、1人では…。

24分、右からのFKをファーでバロンが落とし、古賀がDFに走り勝ってヘディングするが土肥がキャッチ。東京の攻撃は依然沈黙。流動性を持たせるための新布陣なのだろうが、コンビネーションが全然合っておらず、規郎のムリヤリドリブルが一番効果的なくらいである。31分にはFKのクリアボールからそのまま福岡のカウンターになり、残っていた梶山も古賀に振り切られ、どフリーのアタッカーにラストパスが通りかけたあわやの場面、徳永が炎の戻りでカット。

34分、福岡のダイレクトパスの連続に東京DFがついて行けず、古賀がDF裏に出てやられたかと思われたが、オフサイドの笛に救われる。38分、右サイドへの大きな展開から折り返しを梶山がミドルシュートするも水谷の正面。42分には自陣でボールを奪われ、古賀からの好クロスにジャーンも土肥も届かず大ピンチとなるが、薮田が枠を外してしまいまたまた助かる。ロスタイムにはゴール裏から「(早く)終われ!」コールが起こる有様。何とかしのいでハーフタイムまで逃げた、という感じ。



後半になると、前半終了間際から叩きつけるように強まった雨の影響でピッチコンディションが悪化し、選手たちはボールコントロールに苦労。特にメインスタンド側は水溜りになっており、ドリブルしてもボールが止まってしまう。福岡はそちらの側がストロングサイド(古賀、アレックス)だったので、これは東京にとっては都合がよかったかもしれない(ただし、石川のスピードも殺されてしまったが)。ハーフタイムの修正も効いたのか、ようやく東京が持ち直し始める。

3分、左FKのクロスにファーでバロンが合わせ、土肥ちゃん伸び上がって弾き出す。4分、憂太と梶山のパス交換から石川がDF裏に抜けるもオフサイドの笛。6分には、ピッチ状態を考慮した福岡の空中でのパス交換に東京のタックルミスも重なり、DFライン裏へ抜けた古賀めがけてスルーパスが出たが、飛び出した土肥が間一髪クリア。8分には徳永が頑張ってボックス横でFKを獲得、梶山が出したボールを規郎が左足で叩くが、DFに当たって決まらず。

15分、左サイドのつなぎからルーカスが中央のスペースを持ち上がり、上がる味方を囮に使って意表を突くロングシュート、水谷何とかCKに逃れる。さらにショートコーナーから石川がシュートするがDFに当たってしまう。その直後には前がガバッと開いた状態で左サイドの古賀にボールが渡るも、水溜りで停止(笑)。そこから右に展開されるがDFの戻りが何とか間に合った。その後はしばらく、中盤での激しいボール争奪戦が続く。

先に動いたのは東京。石川・規郎を下げてリチェーリと伊野波を投入。うーむ、このピッチ状態でリチェか…っつってももう1人の控えFWもスピード系の川口だったが。25分、徳永が足をとられたところアレックスがかわして突破も、クロスはわずかに合わず。そこからのカウンターでリチェーリがCKを獲得し、やや期待を抱かせる。28分、左FKから古賀のアーリークロスがゴール前に入り、福岡のアタッカーが2人ほどフリーで飛び込んでヒヤリとするが、ボールはゴール左を抜けていった。

しかし。試合は再び一方的な福岡ペースに戻っていく。確かにリチェは走力で福岡DFを上回ってはいるのだが、そこに有効なボールが出ないのである。この時の東京は中盤以降に「前の見える」選手がおらず、唯一「前の見える」憂太はFWの位置でなかなか前を向かせてもらえない。これでは攻撃は機能しない。32分、ゴールライン際から戻すボールをアレックスがクロス、土肥もDFも触れなかったがフリーの薮田も反応できず命拾い。その後もハーフコートマッチ状態が続き、ジャーン懸命の守備が胸を打つ。34分、憂太OUT、栗澤IN。うーむ…。

38分、ロングボールにリチェーリが競り勝ってCK獲得、梶山のクロスがニアのルーカスにどんピシャで合った!…のだが、ヘッダーは枠を外れてしまった。頭を抱えるルーカス。39分には薮田→飯尾。すっげー嫌な交代しやがるな川勝(笑)、という感じだが、ちと遅かったかもしれない。40分、梶山がDFラインうらに浮き球を入れ、リチェがもの凄いスピードでCBの間を割ってボックス内で倒されたように見えたが…ノーファールの判定。ロスタイム、古賀のクロスがDFに当たって土肥の頭を越えてバーにはねるが、そのボールに福岡FWが反応できず逸機。結局、0-0のまま試合が終了した。



内容的には、完敗の試合だった。特に前半は、選手が互いにいい距離・いい角度を保ってテンポ良いサッカーの福岡に対して、東京は全体的に間延びしてしまい、攻めては呼吸の合わぬ足下パスに終始、守っては中盤で全く止められない状態。優劣は明らかだった。3-5-2の新布陣も機能せず。ガーロこの2ヶ月何やってたのよ、というか、色々試すのもいいけど一度オーソドックスなのも試してくれんかな、と思う(要は去年の秋の大宮戦の4-4-2、だ)。憂太は前にターゲットを置いた方が生きると思うぞ。金沢がいない苦しさは理解できるが…。

逆に福岡の方は、今後にかなり期待を抱かせる内容だったのではあるまいか。中断前から決して内容は悪くなかったようだけれど、さすがは川勝鍛え上げてきたな、という感じで実力が確実に上がっているように思えた。あとはフィニッシュさえ決まれば…って、どこのチームもそこが問題なんだけどね(笑)。バロンはまだちょっとフィットしきってないだろうか。古賀は実にいい選手になった。僕がマリノスを応援していた頃は全然芽が出ないで心配な選手だったのにね。

それにしても、この試合、とにかく雨の強さは大変なものだった。僕はメインスタンドの後段に座っていたのだけど、「バチバチバチ!」と雨がピッチに叩きつける音がはっきり聞こえてきた。上にも書いたがメイン側ではドリブルしてもボールには急ブレーキがかかり、特に古賀と石川はいくら蹴っても進まない、という感じで気の毒、つーか申し訳ないが思わずちょっと笑ってしまった。ゴール裏からは「屋根つけろ!」コール。びしょ濡れどころの騒ぎじゃなかったね。選手も、サポーターも、お疲れさんでした。

まあ、無理矢理ポジティブに考えるとすれば、苦しい戦いながら勝点1をゲットできた、ということになるだろうか。普通じゃないピッチ状況もあったし、ここは我慢しておいて、ホームに戻った時が勝負だ!……と言いたいところだが、次は松本開催なんだよね。なんか、昨年同様、中断が明けてかえって流れが悪くなってきたような気がするな。やっぱり、ホームゲームはホームの地域でやらにゃいかんよ、ねえ。

とにかく、まだ1試合。でも、心配。

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