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2006年07月08日

●NZ×オーストラリア ('06トライネーションズ)

夕方、JSPORTSでトライネーションズ(南半球3カ国対抗)第1戦。NZ 32-12 オーストラリア。復調著しいと言われていたワラビーズがアウェイでオールブラックス相手にどこまでできるか楽しみだったのだが…残念ながら一方的な展開になってしまった。地元NZが隙のないラグビーで完勝。


途中まではそれなりに拮抗した戦いだった。NZにボールを支配されながらも豪州がよく耐え、逆に先制トライを奪う。16分、FBレイサムがミニパントを自ら拾ってDFライン裏へ抜け、CTBロジャースのランからWTBトゥキリへの見事なリターンが決まった。鮮やかなトライ。その後も豪州リードの時間が続き、「これは行けるかも」と期待は膨らんだ。

しかし27分、NO8エルソムがペナルティの繰り返しでシンビン。これで流れが変わってしまった。そこから10分の間にWTBリコ・ギアのランを武器にNZが畳みかけ、豪州にラインアウト等のミスも出てFOメアラムが連続トライ。14-7。あっという間の逆転劇。高いレベルになればなるほど、安易な反則は致命的になる。しかもNZ相手だもんね。それは痛すぎ。

後半、今度は気合を入れ直した(?)豪州がボールを支配し攻勢に出る。だが、ここで際だったのがNZの防御の強さ。豪州はSHグレーガンが粘り強くボールを出し続けるのだが、何度繰り返してもボールキャリアーの前には黒い壁が立ちはだかっていた。もちろん個々の接点での強さは言うまでもなく、タックルミスもほとんどなし。豪州は次第に攻め疲れてしまい、1トライ返すのがやっとだった。

逆に、NZは押し込まれながらもしばしば鋭いカウンターを見せ、確実に加点していく。リコ・ギアやFBマクドナルド、WTBロコココのランは迫力満点。彼らを確実にフォローするFW陣の運動量も凄まじい。48分と77分にトライ、そしてカーターのPGが2つ。終わってみれば、点差は20点に開いていた。全くもってNZの完勝である。うーむ。


ワラビーズは、BKにあまり手をつけずFWを何人か入れ替えることで、昨年のどん底状態からチームを立て直そうとしているようだ。FWが粉砕されていた1年前の惨状と、豪華BKの能力を考えればそれは正しいやり方のようにも思えるのだが、しかし肝心の新FW陣はまだまだ力不足の感が否めない。とにかく、トゥキリやレイサムにいいボールを供給してあげないとどうにもならないというところか。

オールブラックスは…「強い」の一言に尽きる。以前はNZといえば、ハマった時の爆発力は凄いけれども、守備に穴があったり精神的な脆さを見せたりして安定感には欠ける印象があった。でも、今のチームはひと味違うかもしれない。おそらくグラハム・ヘンリーは、堅守で相手を消耗させておいて逆襲で仕留めるソリッドなやり方こそが、W杯優勝のために必要なものだと考えているのだろう。

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