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2006年06月07日

●それを自転車レースでは「アシスト」と呼ぶ

「サッカーというのは、バランスを保つために水を運ぶ役割をする選手が必要」( J's GOAL )


当たり前といえば当たり前すぎるくらいの事なんだけど、一部では次期代表監督とも噂される名将イビツァ・オシムの言葉となると重みが違うよな、重みが(笑)。

ここでオシムの言う「水を運ぶ役割をする選手」とは、前にサッカーマガジン(だっけ?)のインタビューで名波が言ってた「コマネズミ」の事だろう。エース級の選手を生かすために、汗をかきまくって献身的な役割を果たせる選手。野球で言うところの2番打者。サイクルロードレースでは「アシスト」。確かに、それは必要に違いない。

先日のマルタ戦の後半、俊輔、中田英、小野、小笠原が同時にピッチに立ったのを見て武藤文雄さんなどは大層興奮された様子で、確かにその気持ちは僕にも分かるんだけど、でも実際には難しいよなそりゃ、と思う。要は、他チームの4番打者をかき集めた長嶋巨人軍が果たして最強であり得たろうか?ということ。違うよね、きっと。

もっとも、ほんの時折だけど、奇跡的にバランスが取れ、あるいは名将の絶妙の舵取りによって、いわゆる「黄金の中盤」が現出する瞬間は歴史上確かに存在してきた。プラティニ時代のフランス代表、あるいはテレ・サンターナが作り上げた美しいセレソンのサッカー。人がこの手の夢を見てしまうのは、あるいは仕方のないことなのかもしれない。

だが、今の日本代表が夢を見ていられる立場でないのは言うまでもないだろう。この4年間の戦いの成果を戦績として、あるいは体現するサッカーの質として、確実にドイツの地に刻みつけねばならないのだ。おそらくオシムは、現代表の駒野・三都主という両サイドがあまりにも攻撃的すぎる点まで考慮して「福西ひとりで水が運べるでしょうか」と言っているのだと思う。右が加地ならまだしもね、と。

まあ、ジロ・デ・イタリアの「アシスト水運び賞」(なんちゅう賞や)を獲得したミルラムの選手は一度にボトル21本(!)を運んだそうだから、彼が福西の代わりに入れば1人で足りてしまうかもしれないが(笑)、普通に考えればもう1人くらいは守備的MFが入った方が確実にバランスは良くなるだろう。遠藤?中田浩?うーむ…。


さて、最後にいつものパターン。以上の話を無理矢理FC東京に当てはめてみると(笑)、石川・憂太・梶山・今野で中盤を組んだ場合、ハマれば凄そうだけど、でも「本当に機能するの?」という話である。少なくとも今野は過労死するな(笑)。徳永と規郎が両SBの時、ガーロがCB前に専守MFを置きたがるのも同じ文脈だろう。栗澤とか、金沢とか、今までの伊野波とか、そういう存在は絶対に必要。それこそがチームスポーツの妙、というヤツなのである。

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