●日本×トンガ ('06パシフィック5ネーションズ)
パシフィック5ネーションズの初戦はJSPORTSの録画で観戦。日本 16-57 トンガ。大敗。世界ランクが下とはいえ、トンガが実質格上の相手だということは承知している。でも、福岡の満員のお客さんの前で、今季初戦でもあるまいに、しかも今年からIRBがわざわざセッティングしてくれた貴重な国際大会の場で、いくらなんでもこれはないんじゃないの、というのが正直な感想。頭を抱えてしまった。
キックオフ前のハカに気押されてそのまま、というわけではなかった。前半は、確かにいい出来では決してなかったけれども、最低と言うほどでもないように見えた。開始早々のあっけない、そして30分過ぎの軽いキック処理からのトライ献上はいただけない。でも、全般的には密集で集中力を見せてしのいでいたし、終了間際はジャパンの方が押し気味、追い上げて後半に入る良さげな展開だった。
しかし、後半。何もできなかった。先に3点でも奪えれば違ったのかもしれないが、4分にシンプルなつなぎからの突進でトライを許してからはもう防戦一方。次々にターンオーバーを許し、軽いプレーからこぼれ球を拾われ、腰高のタックルをハズされてはトライラインを越えられる。最後、集中力の切れた選手たちがバラバラに戦って叩き伏せられる光景は見たくなかった…。
まあ、最大限好意的な見方をすれば、慣れない布陣のせいでマークミスから何個かトライを許して悪循環にはまって…ということになるのだろう。でも、そういった場面でこそ、低いタックルを突き刺して抵抗するのが日本ラグビーではないのか(我ながら、「書くだけなら簡単だよな」とは思う。でも、「共に戦え。」などとエラそうに呼びかける人たちにはこのくらい言うべきとも思う)。前に出て倒す場面がほとんどないんじゃ、そりゃ勝てないよ、小さい方は。
あと、この試合についてはそれ以前の問題だったのかもしれないが、ここでの主力数人の温存には疑問が残った。解説の村上さんが指摘していた通り、この大会はIRBが日本のために用意してくれたようなもの。そして、相手4カ国の中で最も「勝ちやすい」のはこのトンガだったはずなのだ。5連戦の後半苦しくなるとしても、ここで勝ちに行っても良かったのではないかい?それ以外でも選手起用には「?」があった。特にFBの水野。好きな選手なんだが、国際レベルでは到底通用しなかった(まあ、他にいいFBがいるかと言われれば言葉に詰まるが)。
個人的には、エリサルドは、サッカー方面で贔屓にしているFC東京のガーロ監督と同じで、「成功してもらわねば困る」のである。つまり、ジャパンは何が何でも今の体制でW杯に出てそれなりの結果を残してくれないといけない、ということ。せっかく従来のしがらみで凝り固まった体制をほぐすために外から人を呼んできたのに、見込みの甘さやら何やらで期待はずれに終わってしまっては、全く意味がないではないか!と。
次のイタリア戦まで1週間。立て直しを、切に、切に、期待するのである。頼むよ、ホントに。
コメント
自分ではのんびり楽観派のつもりでしたが、さすがに今回の惨敗は衝撃的でした。
去年のアイルランド戦@長居はキック主体とした戦術が見る側にストレスをためる原因でしたが、今回の場合は集中力も切れて魂が抜けてしまった姿を見せられて心底落胆しました。
私は2004年の100点ゲームとなったスコットランド戦を現地で見た方とメールでやりとりしたことがあるのですが、彼が感じたであろう焦燥感はこのようなものであったのだろうかとふと想像してしまいました。
Posted by: 潤 | 2006年06月07日 23:56
うーん、後半は、無抵抗もいいところでしたからねえ…。「魂が抜けてしまった」か…。
そういや、ミクシィの方でスタンド観戦していた選手の態度について書かれてましたね。2001年のサモア戦、やはり大敗で落ち込んでいたところ、後ろの席に座っていた当時売り出し中の某若手(今回は10番付けてましたな)がハシャいだ態度をとっていて、つくづく失望したのを思い出しました。
しかも、今回、福岡の人たちは22年ぶりのテストマッチだったんだよね。
Posted by: murata | 2006年06月08日 18:56