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2006年06月21日

●スウェーデン×イングランド ('06サッカーW杯)

NHK-BSの録画でドイツW杯グループB最終戦。スウェーデン 2-2 イングランド。予選におけるオランダ×チェコと並んで「国際大会でなぜかよく当たる」2チームの対戦は、日韓大会に引き続いて仲良く(?)勝点を分け合うことに。このグループもトリニダード・トバコの健闘でちょっとした驚きはあったものの、終わってみれば1位イングランド2位スウェーデンと、極めて「順当」な結果となった。


大ざっぱに言えば、前半はイングランド、後半はスウェーデンの試合だったのだが、いずれにせよ激しい攻防が続いて「引き分けなら両方決勝T進出」なのになかなか見応えがあった。同カードでイングランドが38年(!)も勝っていないこと。スウェーデン人のエリクソンがイングランドの監督であること。2位抜けだと1回戦でいきなりドイツと当たってしまうこと。そして両チームとも、基本的に手は抜かないタイプのチームでもある。

ジョー・コールの先制点にはたまげた。ゴール前の競り合いからこぼれたボールをボックス左手前で拾い、胸トラップで浮かして右足一閃!猛烈なラインドライブのかかったボールは大きく弧を描いてGKを越え、右ポスト上端に当たってゴールイン。英国系の選手のロングシュートというと回転の少ない弾丸系の「ズドン」を想像してしまうが、これはむしろ「ゴ~~ラッソォ!!」とでも叫びたくなるようなラテン系っぽい(笑)得点だった。

後半早々にCKをアルベクが叩き込んで同点になってからはスウェーデンの攻勢となり、闘志満々のリュングベリを先頭にガンガン攻め込んでいく。こりゃ逆転もあるか…と思われたのだが、ここからのイングランドのしぶといこと。ゴールライン上で、あるいはFWの至近距離に素早く寄せてシュートブロックしまくりんぐ。日韓W杯の時もそうだったけど、実はイングランドの真骨頂はボックス内守備の密度と堅固さにあるのではなかろうか。

で、85分、ジョー・コールがボックス手前で連続してシュートフェイクを入れて時間を作り、柔らかく入れたクロスをフリーになっていたジェラードがヘッダーで決めて勝ち越し。ところが、これで決まりと思いきや、ロスタイム、スウェーデンのロングスローがゴール前で大きくはね、キャンベルもA・コールも触われずラーションが押し込んで土壇場で同点。痛み分け、というより、双方とも「欲しいものはとりあえず手に入れた」満足なドローだったのかもしれない。


この試合、個人的に嬉しかったのは、ジョー・コールの大活躍。日本では知名度が低く、ベッカムやルーニー、さらにはジェラードあたりの陰にも隠れがちな彼だけど、実は攻撃力という意味ではチームで一二を争うんじゃないかと思う。元々テクニックとスピードを兼ね備えたウインガーだったが、モウリーニョの指導でたくましさもついた。良くも悪くもシンプルかつ剛健で一本調子にもなりそうなチームに、変化を与えてくれる今や貴重な存在である。

対照的に痛ましかったのは、前半早々に負傷退場したマイケル・オーウェンの姿。何でもない場面で相手に接触されることもなく、崩れるように倒れ込んでしまった。一番ヤバいパターンである。少なくともこの大会はもう無理だろう。なんつーか、もうここ数年完調のオーウェンを見ていないような気がする。「ガラスの脚」というやつなのか、それともよほど運がないのか。好きな選手なので、ピークが過ぎているとは思いたくないけど…。


しかし、それにしても、何だかんだと波乱なく進んでいく大会やね、今回は。

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