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2006年05月01日

●FC東京×名古屋グランパス(前編)


土曜の夜、味スタでJ1第10節。FC東京 2-1 名古屋グランパス。とにかく、勝つことができて良かった。チームのポテンシャルを引き出すための試行錯誤が続くのは今のところ仕方ないとして、やはり全く結果が出ないのもあまりに苦しい。言い換えれば、今の実力でも勝てる相手には取りこぼさないのが肝心ということ。そういう意味で、色々と課題は残しつつも、「勝って反省できる」ことをまずは喜ぶべきだろう。


前半立ち上がりは両チームとも気が急くような感じで、落ち着かない攻め合いが続く。1分、CKから増川のヘッダーがバーを越え、2分には敵陣右サイドでボールを奪った川口がそのままボックス内で勝負を仕掛け、速いクロスを入れるがDFカット。3分、徳永の裏をついた本田の好クロスに玉田がダイビングヘッドで合わせ、土肥の横っ跳び届かずも左ポスト直撃でセーフ。その直後には梶山のミドルシュートが楢崎の正面を襲う。

この日の東京は前目からチェイスしてコースを限定、中盤に出たパスへアタックし、さらに二の矢が挟み込む、という守備ができていた。千葉戦やガンバ戦に比べれば攻撃開始点は高い。また、ダラダラつなぐだけではなくロングボールも交え、攻撃のバランスは悪くない。ただし、今野の消極性や全体的なパススキルの低さは相変わらず。また、守備でも、中盤で取りに行って交わされると一気にDFライン前まで持ち込まれる危うさはあった。

一方の名古屋はコンパクトな陣形からパスワークで左右に揺さぶり、本田や中村が前を向いたところで2トップを走らせる、という形か。ただ、確かに玉田・杉本の速さに怖さはあるものの、攻撃にたたみかける迫力はなく、守備でも全体的におそるおそるというか、連動した動きでスペースを消すことができていないため、中盤は東京がやや優勢であった。11分、玉田からのサイドチェンジで抜けた杉本のクロスは茂庭が余裕でカット。

先制点が生まれたのは、試合がやや落ち着くかとも思えた14分。中盤でルーカスがボールを奪取、DFの間で待つ前線の赤嶺へつなぎ、赤嶺は右へ大きなグラウンダー、開いていた川口がタッチライン際を抜ける。中には赤嶺1人しかいないように見えたが、川口は巧みにドリブルで味方の上がる時間を稼いでからクロス、ボックスへ猛然と走り込んだルーカスが豪快なヘディングシュートをゴール右に突き刺した。よし!見ていて爽快感の高い得点だった。

続いて17分。梶山のマーカーを吹っ飛ばす剛健キープ(笑)からルーカス→規郎へとつなぎ、外を川口がオーバーラップしてDFがフリーズしたところで規郎がクロス、ボックス中央で待ちかまえていたルーカスが狙いすましたヘッダー!楢崎の横っ跳びも届かず、ボールはワンバウンドでゴール右隅に吸い込まれた。ルーコン爆発!これも中盤でSBの上がる時間を作り、さらに囮の動きで相手を惑わした、実にいい形。ガーロに駆け寄って抱き付くルーコンの姿にはちょっとジーンとしてしまった。

これで試合は完全な東京ペースに。中盤で次々とボールホルダーにつっかけていき、名古屋は自陣でのつなぎにも苦労してミスパスがタッチラインを割ったりも。東京で特に目立ったのは梶山。この日は最初から目が覚めている感じで、ピッチ各所で持ち味のキープ力を遺憾なく発揮した。22分、敵陣でのFK、梶山の意表を突く柔らかいキックをジャーンがヘッダーで楢崎の頭越しに狙うが、惜しくも枠を外れた。次々とセットプレーを奪い、カウンターの芽も川口や梶山(!)が早めのチェックで潰す。これは、圧勝になるのか?

しかし、うまく行くと思えた時が実は一番危ない。29分、本田がクイックリスタートでクロス、フリーで抜け出した中村のボレーがポストを直撃してヒヤリ(オフサイド)。30分、ボックス横のFKで宮沢の低いクロスがゴール前を抜けたが、赤嶺が合わせきれず。35分を過ぎると連戦の疲労のせいか、東京の動きが落ち始め、DFラインも下がって名古屋のパスが回り始める。36分、波状攻撃からの中村のクロスを土肥がこぼし、玉田のシュートはDFがブロックしたものの、ボールはゴール正面の山口へ。絶体絶命の場面だったが、ここは土肥ちゃんが超ウルトラスーパーファインセーブ。さすがは代表GKである。

その後も名古屋の攻勢は続いたが、茂庭・今野の機動力と土肥ちゃんの堅守でしのぐ。40分を過ぎるとややゆったりとしたボール回しで時間を使い、2-0のままハーフタイムへ。よしよし、という感じである。笑ったのは44分、茂庭が前に出るパスカットの勢いそのままに名古屋陣まで入った場面。味方にパスを回したりロビングを上げたりして帰陣しようとするのだが、その度に攻撃の流れの中でボールが茂庭に帰ってきてしまう(笑)。モニ自身も参ったなあ、という感じだったかな?いい練習じゃん。


(後編に続く)

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