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2006年05月26日

●バッソ盤石 ('06ジロ・デ・イタリア第17S~第19S)

第17ステージは大荒れの天気の下でのレースとなった。本当ならば最大高低差2000m近く、1級山岳に山頂ゴールという超難関コースでの勝負になるはずが、ふりしぶく雨や雪、そして寒さとの戦いに。1級のエルベ峠は迂回、そしてゴール前の上りも5km短縮。それでも選手たちは一様にキツそうな表情を浮かべ(バッソ除く)、上りに差しかかると脚色は確実に鈍った(バッソ除く)。

最後はバッソとピエポリの一騎打ち。で、13Sに続いてピエポリが優勝。コース短縮のせいでカーブを曲がってすぐのところにいきなりゴールがあって、「あれもう終わり?!」と思った瞬間にたまたまピエポリが前にいたという(笑)。まあ、ピエポリは総合争いには関係のない選手だから、バッソも全然無理するつもりはなかったろうし、2人とも望むべきものは手に入れた、ということなのだろう。

 
第18ステージはうって変わって好天となった。さすがは山の天気。集団はマイペースで総合争いは一休み(それとも終了?)、逃げる5人の優勝争いとなった。最後10kmを切ってからは次々とアタックをかけては追いつき、出し抜こうとしては潰され、の繰り返し。目まぐるしい展開はなかなかの見応え。結局最後はゴール・スプリントになり、ブルセギンの仕掛けに抜け目なく反応したシューマッハーが差しきって2勝目。やっぱりやるねえ、彼。見た目の地味さが難点だけど(笑)。

大勢が決まったかに思える総合優勝争いに対し、接戦となっているのがポイント賞。ここ2Sの優勝・2位でバッソが首位に立っていたが、この日の110ガゼッタ賞(ガゼッタ・デロ・スポルト110周年記念のヤツね)+6位のポイントによってベッティーニがジャージを奪還した。明日の山頂ゴールでまたバッソが稼ぎそうだけど、彼は総合優勝獲れば満足だろうからねえ。最終S優勝でベッティーニがポイント賞、とかなるときれいだが…。


第19ステージ。さすがにもう選手たちも疲労困憊。ちょっとした上りでも集団の後ろは千切れがちだし、とにかくみんな顔が「もう限界じゃ…」という感じで。バッソでさえもちょっとやつれ気味に見える。リタイアリストもすごいことになっており(いつの間にかウルリッヒがリタイアしている)、まあここまで来たら順位に関係なく「頑張れ!もう少しだ!!」と応援したくなるね。

レースの方は、ベッティーニが引っ張る形で十数人の集団が逃げ、早々に優勝争いは絞られた。ゴール前の峠でガラーテ(クイックステップ)とフォイクト(CSC)が抜けだし一騎打ちになったのだが、残り数百メートルでフォイクトがガラーテの背中を叩いて両者握手。明らかにフォイクトが譲る形でガラーテ優勝。ガラーテは総合争いには関係ないし、フォイクトとしてはバッソのために仕事をできれば十分、ということか。ここら辺の「アシスト魂」は好もしい。そういや、今日はベッティーニもいい仕事をしたな。
(5/27訂正:前の日にUPした時、フォイクトを間違えて「サストレ」と書いていた。は、は、恥ずかしい…。)

そして、後方集団もまた最後の上りに入ってばらけ、シモーニとバッソが後続に差をつけてゴール。シモーニは意地のアタックという感じだったが、やはりバッソは余裕の漕ぎでリードを許さなかった。なんというか、「盤石」としか言いようのない強さである。明日は流すか?それともステージを獲りに行くか?これまでのバッソなら当然前者なんだろうが…。

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