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2006年05月22日

●'06ジロ・デ・イタリア第11~第14ステージ

休息日を挟んだ第11ステージは、50kmの個人TT。ここまでタプタプのお腹を揺らしながら「調整~調整~」って感じで流し気味だったウルリッヒがついに本気発動。圧巻のスピードで超絶タイムを叩き出し、文句なしのステージ優勝。これならツールには間に合うな…。そして、その彼と28秒差の2位をゲットしたのは、やはりというかバッソ。こちらもライバルたちに大きな差をつけるスーパーラップ。

このレースを観て、今さらながらよくわかった。去年のツールでバッソ(2位)とウルリッヒ(3位)が「何もできずに」完敗したのは、彼らの力が足りないんじゃなかったんだ。ランス・アームストロングが凄すぎたということだったんだ。むしろ、あの表彰台の3人は別格だったんだ、と。

 
第12ステージは、先行集団12人の逃げがハマり、総合優勝争いはまた一休みとなった。終盤、2級の峠を越えてゴールまでくねる下り坂が延々続く。やがて霧まで出てきて、画面を通しても「危ないな…」と思えたのだが、案の定モーリ(サウニエル・ドゥバル)がこけて谷に落ち、煽りをくったセラー(チェラミカ)がガードレールに激突。幸い2人とも何とか復帰したのだが、しばらく走っているとまたモーリが転倒してセラーが巻き込まれる。この2人、ゴール後大丈夫だったのだろうか。

そんな小波乱もあったレースを制したのは、ケースデパーニュのオラック。ゴール前2kmを切ってから数人のアタックと牽制が繰り返される中、うまく「出し抜く」ことに成功してリードを奪い、後は一目散に逃げ切った。なんちゅーか、いかにも駆け引きの綾で勝敗の決まりやすいプロツールらしい光景ではあったのだが、この人勝ち慣れてないらしく、表彰式でのぎこちなさが妙に微笑ましかった。ジロは初優勝だって?74年生まれか…何だか嬉しいね(笑)!


第13ステージ。1級山岳の上り、ふりしぶく雨の中バッソが余裕たっぷりにぐいぐい踏むと、総合のライバルたちはあっという間に離れていってしまった。もう上りに関しては完全に勝負づけが済んだと言って良いのだろう。市川さんが「王様」「ジロ3連覇くらいするかも」とまで言ってたけど、それほどバッソの存在感は大きい。頂上を越えてからの下りで思い切りスピードを落として後続に差を詰められたのは、ちょっと弱みを見せたかな、と思う一方で彼らしい沈着さだな、と感心もした。どっちにしろ、ライバルたちはもう大逃げするか、下りで仕掛けるしかなさそう。

そして、ポイント賞争いの方は、案の定というべきかマキュワンがリタイア。これでベッティーニが断然優位か?いや、バッソやサヴォルデッリとのポイント差も少ないから、これではまだダメだな。どこかで1つでもステージ優勝獲らないと。


第14ステージ。CSCが集団をコントロール。逃げの11人をあえて行かせて残りを抑え込み、総合に関しては至極平穏。終盤の連続山岳ステージに向けて力を蓄えておく、ということか。ということで優勝争いは早々に11人に絞られ、様々な駆け引きの末、残り数kmで抜け出したペレス(ケースデパーニュ)とラベルデ(チェラミカ)の一騎打ちとなり、ゴールスプリントでラベルデの勝ち。2人を追う9人が笑っちゃうほど牽制にハマって追うに追えず、なんつーか、「仕掛けてみるもんだなあ」と思った(同義語に、「シュートは撃たなきゃ入らない」)。

この中継から、ツアー・オブ・ジャパンにミヤタ・スバルの監督として参戦していた栗村さんが解説に復帰……したんだけど、連日の、そしてこの日の昼間のレース疲れがあるのか、どうもテンションが変だった。時折声が眠そうになってたし、唐突に毒舌は出るし、レース映像を見て「速いですね~」とか素朴に感心しちゃってるし(笑)。まだ1週間ありますから、頑張って!

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コメント

J SPORTSのホームページでしか状況を把握していない状態ですが、予想外のワンサイドゲームだなあと思う(クネゴはどうした)・・・。つーか、このままだと7月のツールは大本命ですな、バッソは。

あと、山岳ステージは4つ(しかも、すべて頂上ゴール)。もしかするともありそうだけど、逆にバッソとライバルの差がぐーんと広がっていきそうな・・・。

クネゴは、多分TTではバッソにかなわない、という読み(焦り?)もあったのでしょう、第8ステージで果敢に先に仕掛けたのですが、あっさりバッソに返り討ちにあってしまって…。ちょっとそれ以降元気がないですね。

>逆にバッソとライバルの差がぐーんと広がっていきそうな・・・
今日の第16ステージを見る限り、その予感は思い切り当たっていたようですね(笑)。ちょっと、もう、明日のステージを乗り切ってしまえば、誰もかないそうになさそうです。

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