« 覚醒の始まり? (ジュビロ磐田戦&東すか16号御礼) | メイン | FC東京×ジュビロ磐田(前編) »

2006年04月09日

●'06パリ~ルーベ

夜、JSPORTSでサイクルロードレースパリ~ルーベの生中継を観る。ツール・ド・フランドルに続く「北のクラシック」。断続的に石畳の路面が続く点では先週と同様だが、しかし今日の方が平坦・高速でしかも砂埃が凄まじく、より危険な印象。実際落車が何人も出て、優勝候補のヒンカピーなんて振動でハンドルが折れて(!)転倒→負傷リタイア。カメラもグラグラと揺れまくり、観ているこちらもクラクラするほど。まさに狂気の沙汰である。

そんな難レースを制したのは、CSCのカンチェラーラ。最大の難所アーレンベルグできっちり先頭集団に生き残り、残り5つめの石畳ゾーンで意表を突くアタック。他の選手がボーネンに気をとられている隙にグングン差を広げ、そのまま残り10数kmを独走することに。自らの特長(タイムトライアルのエキスパート)を最大限生かす展開に持ち込み、終わってみれば2分近い差をつける快勝となったのだった。いや、これは強かった!

一方、下馬評ではダントツだったボーネンはカンチェラーラのアタックに付いて行けず、5位に終わった。アーレンベルグを含めたほとんどの石畳ゾーンでは先頭かそれに次ぐポジションを保ち、結構余裕があるようにも見えたのだが…。解説の栗村さんが指摘していたように、コンディション的に峠を越していたのかもしれないし、早々にアシストを失う気の毒な展開でもあった。ちょっと残念。でも、他の全ての選手が彼をマークする中での堂々たる走りは、「世界王者」の名に相応しいものであったように思う。

カンチェラーラは新進気鋭の初々しさを、ボーネンは既に貫禄たっぷりの風格を漂わせているという意味でこの2人は対照的だけれども(走りのタイプも違うし)、ともにまだ25歳の若さとのこと。まだ自転車レースを見始めて2年くらいの人間がこんなこと言っちゃいかんかもしれんけど、「新時代の始まり」ということなんだろうか。僕はボーネンびいきだけど、カンチェラーラの持続するスピードも十分魅力だと思うし、勝負という意味では色々な選手が出てきた方が断然面白いよね。

あと、このレースで驚いたのは、コースの最後の数km地点に踏切があり、カンチェラーラ及び第2集団が通過した後、なんと列車通過で遮断機が下りてボーネンやフレチャが思い切り足止めをくってしまったこと。箱根駅伝じゃないんだから(笑)オイオイ、と思ったのだが、まあ伝統のレースだから「これもパリ~ルーベのうち」ということになってるんだろうな。不確定要素があってこそのロードレース、とでもいうか。(下の[追記]参照)


さて、来週は「アムステルゴールドレース」だそうである。スプリンター向けではないらしく、ボーネンやペタッキは出ないけれど、ベッティーニと、あとバッソも出るそうな。すげー楽しみ。


[追記]
上に書いた踏切によるカンチェラーラ援護シーン(笑)で、続く第2集団(ホステ、ヴァンペテヘム、グセフ)の3人は遮断機が下りかけたところを無理矢理突っ切って行ったのだが、その結果降格処分になってしまったらしい……。確かに危険っちゃ危険だけど、でも行っちゃうよなあ、あの場面は。レーサーならば。ちょっと気の毒。

それと、上のリンク先にあるボーネンのコメントが最高。「待っている間は、空を飛ぶ鳥を見ていたよ」、か……。詩人やね。ちゃんとカンチェラーラを賞賛しているのがなお良し。

トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://umanen.org/mt/mt-tb.cgi/577

コメント

更新はやっ!(笑)
興奮冷めやらぬ、という感じで私も視聴しました。やはりライブは熱いです。
クラシックレースも生で観れるようになるとは、いい時代になりましたねぇ。

このレース、実況・解説陣はカンチェラーラの優勝を予想していなかったようですが、
昨年のツールでの活躍を見ていた限り、
(結局失敗しましたが、シャンゼリゼ周回コースに入ってからのロングスパートなど
力強い走りが印象的だった)
個人的にはそこまで意外には感じませんでした。
今まであまりワンデイレースを観ていないせいかな?

あと、放送の中で触れていましたが、スキル・シマノの品川選手が参戦していたよ
うですね。
序盤に紹介があった後、残念ながら全く情報がないまま中継が終わってしまいまし
たが、ディスカバリーの別府選手といい、日本人の若手がどんどん本場でチャレンジ
しているようなので頼もしく思います。
JSPORTSの力の入れ方といい、日本国内でも今以上に人気が上がってくるのでは
ないでしょうか?

カンチェラーラはタイムトライアルのエキスパートだし、力があるのはツールを見てわかってましたから、ボーネンびいきの私としてはアタックに誰も反応しなかった時点で「やられた!」と思いましたよ。

解説の栗村さんがそうであったように、やはり他の選手もちょっと駆け引きの部分を気にしすぎたかもしれないですね。そこで思い切って仕掛けた人間が勝ったのは、なかなか爽快でした。

日本人選手は……まだ姿が見れていないなあ(笑)。別府選手、グランツールのどれかにでも出られますかね?

あと、上の[追記]にも書きましたが、あの踏切は予想以上に魔の関門だったようです(笑)。

あら第2グループは全員失格ですか。
ヒンカピーの件といいディスカバリーはさんざんな日でしたね。。。

コメントする

(初めてのコメントの時は、コメントが表示されるためにこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまでコメントは表示されませんのでしばらくお待ちください)