« 「つまらなかった」と言えば… | メイン | 王の存在感を前に、我々はただひれ伏すのみ (欧州CL準々決勝) »

2006年04月05日

●'06ツール・ド・フランドル

日曜日の夜、JSPORTSでツール・ド・フランドルを観た。20時から24時まで実に4時間の放送、しかも生中継!さらには、4月中にあと3つのワンデーレースを生中継するという。さすがはスポーツ専門チャンネルの面目躍如と言えよう。実況のSaschaさんや解説の栗村さんがやたら興奮していたのも頷けるぜ。

4時間の放送と聞くと、フットボールファンなんかは「長っ!」と思って敬遠するかもしれない。でも、そこがいいのよ自転車は。スポーツにはそれぞれ固有の観戦のリズムがあるものだが、自転車ロードレースのそれは「まったり」。ワンデーはステージレースより見せ場が多いとはいえ、それでも時間の過半は逃げと大集団との(一見)のんびりした追いかけっこ。だからこそ、短い勝負所(アタックやゴールスプリント)がより引き立つのである。JSPORTSの場合は「まったり」時間の雑談も楽しいしね。

今回のコースは、頻繁に訪れる急坂と、しばしば通過しなければならない石畳が特徴的であった。特に、残り70kmくらいの「コッペンベルグ」とかいう坂は凄かった。最大斜度は20度以上、石畳も荒れた状態で、ほとんどの選手が登り切れずに一旦自転車を降りる、というくらいの難所なのである。「生まれたての鹿のようだ!」というSaschaさんの実況もあり、申し訳ないが見ていて笑っちゃったよ。2位に入ったホステやスプリント王・ペタッキまでが、へっぴり腰気味に自転車押してるんだもの(笑)。

で、そんな難コースをものともせず、特に「コッペンベルグ」ではただ一人加速していくかのような猛こぎを見せたのが、地元ベルギーのトム・ボーネンだった。僕にとってボーネンと言えば、昨年のツール序盤で大活躍し、世界選手権を僅差で制したスプリンター。だから今までは、道中集団で息を潜めていてゴール前でようやく出てくる、というイメージだったのだけれど、このレースでは完全に印象が違った。勝負所の坂も石畳の難所も、そしてもちろん終盤でもダントツの勢い。びっくりしたよ。

そのままボーネンは最後のスプリント勝負をもあっさりと制し、ツール・ド・フランドル2連覇。すげー!昨年のツールの頃(春のクラシックは見ていない)はまだ「イキのいい若手」の域を出ていなかったのが、大レースを制しているうちに「王者の貫禄」みたいなものが漂ってきているじゃないの。このまま歴史的な大選手になっていくのだろうか。次のステップはグラン・ツール(昨年取り逃がしたツール・ド・フランス?)のポイント優勝になるのかな?

コース的にも、中継の画も、興奮した栗村さんと冷静な三船さんの対比も、ボーネンの桁違いの強さも、色々なものが楽しめたレースだった。JSPORTS、グッジョブ!!……はいいのだが、いかんなー、このままだと毎週日曜の夜は必ずテレビの前に釘付けになってしまうな。あ、カミさんの白い目が(笑)。

トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://umanen.org/mt/mt-tb.cgi/573

コメント

いよいよこちらの方もシーズン突入ですね。ん?今JSPORTSのサイトを見たところ、来月ジロ・デ・イタリアも全ステージ生中継とのこと。
JSPORTSすごい気合い張りまくり。。。
6月はワールドカップ。
そして7月はツール。
フットボールファンとサイクリングスポーツファンは、この後どうなっちゃうのでしょうか?(笑)

今日はパリ~ルーベですよ!
しかも5時間生中継ですよ!!

日曜の夜はしばらく無能力者になりそうな…(笑)。

コメントする

(初めてのコメントの時は、コメントが表示されるためにこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまでコメントは表示されませんのでしばらくお待ちください)